【R18】ベルファスト×アークロイヤルのえっちなの【アズレン】

深海さかな @dzurablk_kai

＃今夜のベルクロR18

深海さかな @dzurablk_kai

アークロイヤルが目を覚ますと、そこはベルファストの膝の上だった。 「おはようございます、クロ」 「ああ、おはようベル」 部屋に差し込む陽光に思わず目をしばたかせる。食堂で昼食を終えベルと一緒に部屋に帰って来たところまでは覚えているのだが、そこから先の記憶が無い。 #今夜のベルクロr18

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「クロったら級に眠くなったとか言って私の足を占領するんですから、身動きできなくて困りましたよ」 「あー、昼休みはあとどれくらいだ…？」 「もうとっくに終わってますよ。お陰で私まで寝坊の濡れ衣です」 #今夜のベルクロr18

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そう言いつつもベルファストもどこか満更でもなさそうだ。 「じゃあ仮病でも使って、このまま二人でサボるか」 「そう言うと思って、もう内線で指揮官には伝えてあります」 付き合い始めたばかりの頃は杓子定規で融通の効かない性格だったベルファストも、 #今夜のベルクロr18

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最近ではすっかり悪い遊びを覚えてしまった。 「じゃ、寝なおすか」 そう告げるとアークロイヤルはベルファストをベッドへ押し倒した。自分とは違い大層ふくよかな胸元が柔らかく弾む。 「散々焦らされたんですから、いっぱい愛してくださいね…？」 #今夜のベルクロr18

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紅潮したベルファストと唇を重ねると、仄かなレモンティーの香り。ファーストキスはレモンの味という言葉の通り、初めて交わした口付けもこの香りだった。だがそれ依頼、今もこの味は変わらない。 変わったと言えば、ベッドの上で激しく乱れるベルファストの仕草くらいだろうか。 #今夜のベルクロr18

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そんな期待に知らず知らず口元が笑ってしまうのを実感しながら、アークロイヤルは静かにベルファストのメイド服を脱がせにかかった。 #今夜のベルクロr18

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アークロイヤルとの白昼の夜戦が終わる頃には、部屋に差し込む日はすっかりかげり始めていた。ベルファストは寝息を立て始めたアークロイヤルを起こさぬよう静かにベッドを出ると、その下に収納されている衣装ケースを探った。 #今夜のベルクロr18

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最近では互いの部屋を行き来してそのまま泊まることも多いため、メイド服や下着のストックはアークロイヤルの部屋にも用意してある。互いの汗やその他の体液で汚れてしまった（もっとも二人はそれを汚れ等とは微塵も思わなかったが、着衣を洗濯する手間を増やしたくはないのだ） #今夜のベルクロr18

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肌着を脱いで、アークロイヤルの装具やワイシャツの中から自分の下着を探し出す。自身の肌着に鼻を近づけると微かに香る恋人の残り香に、一度は満足したはずの身体がまたもや疼き始めそうになる。 #今夜のベルクロr18

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だがその折、ベルファストはふと恋人の衣装ケースに潜む違和感に気付いた。アークロイヤルが使う艤装を支えるための皮製のバンドやベルトに混じって、見たことの無いスカーフが収められているのだ。アークロイヤルの留守に衣類を洗濯したり畳んで収納することは多々あるが、 #今夜のベルクロr18

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こんなスカーフは初見だった。さりとて買ったばかりの品かといえばそうでもなく、相当に使い込まれている。一体誰の持ち物だろう、と不穏な想像を掻き立てられたベルファストが更に衣装ケースの底を漁ってみると、厚紙のようなものに手が触れた。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

取り出してみたそれは、一葉の古びた写真だった。二人の人物が仲睦まじそうに映っている。一人は言わずもがな、アークロイヤル。他方は、ベルファストもよく見知った艦、ハーミーズだった。 そこでベルファストもようやく、スカーフの持ち主に気付いた。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

なぜ恋人でもない相手の衣類が、ツーショット写真と共に仕舞ってあるのか。胸の奥底で不安は膨らんでいくばかり。そんなときだった。 「ベル、起きてたのか」 いつの間にか目を覚ましていた恋人から急に声を掛けられ、ベルファストは咄嗟に写真をベッドの下に隠した。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

「え、ええ。下着の替えが見つからなくて」 そう嘯きながら、さりげなく写真を収めた衣装ケースの引き出しを押し戻す。 アークロイヤルの声音に何かを隠しているような気配は微塵も無い。もう長い付き合いの、それも同性の恋人だ。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

浮気の嘘はおろか、離れたところで相手の噂をしていたことですら、顔を合わせれば互いに察知できる仲なのだ。 そのはずなのに、ベルファストには目前で笑う恋人が胸裏に何かを隠しているのではないか、という疑念を胸のうちから払いのけることができなかった。 #今夜のベルクロr18

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事件が起こったのは、その数日後のことだった。 #今夜のベルクロr18

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《第３８任務部隊より司令部へ、先刻の交戦にてベルファストが大破、至急基地への回収の要ありと認む》 《被害の程度を報告されたし》 《自力航行は困難、命に別状なし。同じく大破状態のアークロイヤルと共に戦域を避退しつつあり》 #今夜のベルクロr18

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《自力航行はできているのか？》 《二隻でならば、辛うじて》 《…現在、ヘリが出払っている。即時の回収は困難につき、自力航行にて母港付近まで帰投されたし、との指揮官の命令だ》 #今夜のベルクロr18

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耳元で鳴り響く、旗艦クイーンエリザベスと司令部の緊迫した会話を聞きながら、ベルファストは一人「やってしまった…」と奥歯を噛み締めていた。 先日のアークロイヤルの部屋で見つけたハーミーズの写真と着衣、それが気になるがために、ここのところは連日どこか上の空だった。 #今夜のベルクロr18

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それが戦闘中に最悪の形で出てしまった。いつもなら難なくかわせるはずの魚雷をあろう事か自分から踏み抜いてしまい、機関大破。撃ち出さんと構えていた魚雷を投棄するのが一瞬でも遅ければ、誘爆を招いて自身の命や直近にいたエクセターにまで危険が及んでいたことだろう。 #今夜のベルクロr18

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「クロ、もう自分で立てます」 「大丈夫なのか？」 艤装の自動修復がひと段落したことを告げるブザーが脳裏で響くと、ベルファストは戦場からここまでずっと肩を貸してくれていた恋人に礼を述べた。最低限の浮力を取り戻した艤装で、なんとか波間に一人立つ。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

「私達が抜けてしまって、本隊は大丈夫なんでしょうか…」 「そんなことを気にするのは、無事帰りついてからにしろ」 「…ごめんなさい」 自らの不注意がきっかけで世話をかけてしまったアークロイヤルと、多大な戦力減を受け入れざるを得なくなった艦隊の仲間、双方への謝罪。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

「最近、どうも様子が変だとは感じてたが、何かあったのか？」 そう問われ、ベルファストは思わずアークロイヤルから顔を逸らした。 「別に、何も」 いじけた子供のように素っ気無く言い放つ自分は今、とてもみっともなく惨めな顔をしているに違いない。 #今夜のベルクロr18

深海さかな @dzurablk_kai

「…初めてだな」 「何がです？」 「ベルが私に隠し事をするのは」 その言葉を聞いた瞬間ベルファストは、一瞬のうちに頭に血が駆け上がってくるのを感じた。 反射的に自分がアークロイヤルの頬を張っていた、ということに気付いたのは、その更に数秒後だった。 #今夜のベルクロr18