1988年5月5日（木）の旅日記

桃岩荘人 @namihei1224

5日0530起きてトイレで下痢。でも気はしっかりしているから大丈夫。何とかなるさ。やせていいじゃんかと思うことにする。0620予定通りバスで出発。一番降り口に近い席に座る。「拉肚子了」と書いて運ちゃんに見せ、もし叫んだらバス停めて下ろしてもらうよう頼む。

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つらいががんばるぞ。とにかく麗江から出たい。好きな娘をふる気分。へっ、どーとでもなるさ！昨日一日、色々考えた。昆明へ戻り、飛行機で内蒙古へとか。やっぱり成都へ行くことにする。ウニコ4通も手紙を出したって言うし。真っ暗な中、すごい崖の道、飛ばす飛ばす。一台も会わない。 pic.twitter.com/K1sCzVZvss

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バスの道中、悲惨な状態が続く。吐き気、下痢催す。夢うつつの朦朧とした状態で頭の中はふらふら。0800日の出の頃、ようやく少し復活。バスは朝日に向かって走る。 pic.twitter.com/CpxMqUxJSJ

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そうか、逆にこの激しい揺れがいいのかも。胃腸の働きを助けたりして。それにしても今日の運ちゃんは飛ばすなあ。特に登りで。バスがいいのかなあ

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ところでバスの切符売りほど非合理的なものはない。一人分のために一角と書かれた票を何枚もちぎって、色鉛筆で印つけて、帳簿に記入し、さらに検札の際にその紙の端をちぎる。早く券売機導入すべし。 pic.twitter.com/x7cfw7iXYQ

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0840頃、一つの村を過ぎ、舗装された道に出る。腹が減り、小さなチョコ（0.27元）食う。0930永胜。車窓からゆで卵買う。3角。運ちゃんのみの休憩。これかいつか日本人が言っていたひどいバスってのは。ドアを開けずに運ちゃん一人外に出て、トイレなんかに行ってくるのだ。 pic.twitter.com/c5WK2htUl2

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でも誰も文句一つ言わない。外人も。1010トイレ休憩。でも俺は必要なし。どうやら日中はもちそうだ。しばし車内で、右前の客が楽器の即興演奏。外人にせがまれたようだ。ひもで体を寄り掛ける場所作ったり、どうも手先器用で、普通の中国人じゃないなとは思っていた。女が途中乗車、途中下車。

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あと6時間も立ちっぱなしでがんばるのかと思いきや。

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中国人の特徴一つを発見した気になる。マラソンも所詮はスピード勝負だが、そうじゃなくいつまでも走っていろと言われたら、中国人が勝つだろう。このバス、3人掛けのパイプ椅子だが、エンジンは好調。石家庄製。何年製だろう。1110昼飯休憩。クラッカー少々とジュース0.2。

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クラッカーは昨日買った高級品で2元以上した。塩っ気のある本場物っぽいベジタブルクラッカー。英國なんとかとか旧字体だから香港向けなのかな。広東省肇庆市産。1130発車。やはり腹は減らない。でも少しはよくなったようだ。

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さっきの演奏者に地図を見せてもらう。西洋人には笑顔で親切にも現在地まで示して渡す。俺は外人と思われないのか、あのムッとした顔で渡される。この態度の差。全アジア人に共通なのか。日本人もきっと同じようにするだろう。

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1500大きな工場が川向こうに見えてくる。立ち並ぶ工業団地と川べりのバラック（この表現より実際もっと悲惨なもの）群とが、好対照をなす。

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1550金江駅着。駅前旅館にはでかでかとHOTELとある。すぐ切符売り場に並ぶ。2回並んでようやく手にした切符が「無座」。しかも外人料金で32.8RMB。ふざけるな！金江で一泊し、硬臥で行こうか、最悪硬座かな、と思っていたのに。列車番号も92次なのか94次なのかもわからん。 pic.twitter.com/j15FpmIC0e

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いまの攀枝花駅 ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%80…

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その場の混乱した雰囲気は表現しがたいが、この駅一人も英語解さないのだ。考えてみればこんな小さな駅、当然なんだが。西洋人たちも俺に続き無座を2倍の料金で買わされている。これは本物だ。まずい。これじゃダフ屋から買った方が安い。ともかく病身にむち打って必死に改札を探す。

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西洋人に荷物みててやるからと体良く使われ、なんで俺がと思いつつ、掃除のオバチャンとケンカし、おっさんに連れてってもらい、問事処でようやく分かる。西洋人たちをあしらってホームに入る。とにかく入る。これがbestと直観＋若干の経験から思う。やはり俺のチケットは92次だった。 pic.twitter.com/1ZTPL1Djpb

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ホームで得意の名演技。パスポート見せ「我是学生」腹を抱えて苦痛に顔ゆがめ、座席を見事にゲット‼️ pic.twitter.com/2nJ2pduFH6

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硬座でも座れるなら何とかなるだろう。色々考える余裕なし。気合いれてとにかく乗り込む。通路まで人一杯。

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1659発まであと30分もない。席とザックの置き場確保せんと人をかき分け、どけどけえぃ‼️とどなりつつ、前進。

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あった‼️ここだ、おおーいい席。風のくる進行方向向き二人掛けの窓際。占拠してるオヤジをどかし、座る。よし次は？

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ザックの収納だ。ザックをカバーする華僑バッグは金江までのバスですでに破れてるが、まだ使える。他人の席の下に押し込む。これであまりひどくは汚れんだろう。華僑バッグよ、これが最後のお勤めだ。頼んだぜ。次は？

桃岩荘人 @namihei1224

次は飲み水の確保だ。ホームにない。俺のいる11号車にもない。どこだ？13号車にあるという。走る。人をかきわけ、入ったところは列車長室。ちなみに女性（女性が多い）。さっきの名演技で臥を狙う。

桃岩荘人 @namihei1224

「ミートン！」簡単にはねられる。あきらめ、汽水買う。0.3元（瓶代込みで0.5元）カップに入れ替え、これで水はとりあえず確保。急いで座席に戻る。ほっとしたのもつかの間、今度は暑い！超蒸し暑い。男たちはみんな上半身裸だ。すぐ俺もTシャツ一枚に。

桃岩荘人 @namihei1224

貴重品袋さらけ出すわけにはいかないので、ズボンにくくりつける。続いてテーブルの確保。時刻表とノート、カップを置いて、ふぅー。とりあえずOK。一息。麗江からのバス下りてからのことを振り返る余裕ができた。他の日本人や外人連中、どうしたかな？

桃岩荘人 @namihei1224

まあ知ったこっちゃない。こっちはこっちで手一杯だったんだ。人のことなどかまってられっか。と考えを振り切る。さきほどやっと改札がわかり、奴らに知らせに戻ってきたら、涼しい顔してアイス食ってたのには頭にきた。俺はおまえたちのサーヴァントじゃねえ！