広田淳一 さんのつぶやき。(アマヤドリ主宰) 2018/05/05

広田淳一 さん 劇団アマヤドリ主宰 劇団公式サイト http://amayadori.sub.jp/ 続きを読む
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広田淳一 @binirock

犬と串のことがあまりに悲しくて、今朝はやけにメッセージ性が強くなっちゃいましたね笑 まあ、でも、本音のところ。そんなわけで今日も「演技のためのジム」やってきます! 多重に所属する選択肢のひとつとしてご検討ください(まさかの宣伝オチ)!

2018-05-05 08:55:31
広田淳一 @binirock

自分という芸術家が、大きな演技業界から見た時には末端の部品に過ぎないことは誰にとっても避けがたい事実だろう。その事実を越える必要はない。ただ、いいように使い捨てられる必要もない。賢い部品として全体を想像しつつ、何がおもしろいのか、どんなやり方がいいのか、判断できる個人になろう。

2018-05-05 08:52:32
広田淳一 @binirock

経済原則で動く団体も生活のためには必要だけど、芸術の原則で動く団体こそが面白い作品を生み出す源泉だ。個々のプレイヤーは複数の団体に多重所属しつつ、自分という資源をどの団体、どの場所に投資するべきか、判断していってほしい。

2018-05-05 08:47:36
広田淳一 @binirock

じつは、消費者マインドで無責任な振る舞いをするプレイヤーが増えることに、責任のある立場の人間(≒権力者)はあまり困らない。既存のルールを破壊するような才能、逸脱者、を許すか受け入れるかと悩む必要もない。自分たちに利益をもたらさない消費者、「困ったお客様」は、締め出せばいいだけ。

2018-05-05 08:44:13
広田淳一 @binirock

で、僕が言いたいのは「おもしろい作品を作ろうぜ」ということ。でね、演劇も映画もドラマもアニメも、誰もひとりでは作れないんだからさ、共同体、コミュニティについても、「場」について、全体について、みんなも考える必要があるんだぜ、ということ。

2018-05-05 08:37:12
広田淳一 @binirock

いくらルールで縛っても警察権があるわけでもあるまいし、そんなものは威嚇にしかならない。必要なのは、個々のプレイヤーに対して、どのようなスタンスで「場」に関わってほしいか、それに関してメッセージを伝えることなんじゃないかと思うようになった。

2018-05-05 08:33:49
広田淳一 @binirock

以前、twitterで劇団員の側にも辞めていくルールが必要なんじゃないか? ということを書いた。「あとは野となれ山となれ」みたいな振る舞いをする個人に、劇団の主宰者たる僕は振り回されるわけにはいかず、それをルールで縛りたいという誘惑にかられた。しかし、それは間違いだったと思う。

2018-05-05 08:31:12
広田淳一 @binirock

個々のプレイヤーが「消費者の群れ」として振る舞うようになれば、全体に対して責任感を持つ「設計者」によっていいようにコントロールされてしまう。コントロールされていることにすら気づかないレベルで、統制されてしまう。その抵抗としての劇団。つまり、自前のコミュニティ。

2018-05-05 08:27:53
広田淳一 @binirock

ただ、そういった「自由な、主体性を持った個人」が活躍していくためには日本人にはよって立つ倫理が無さすぎる、と思うのだけどね…。周囲の全員(空気!)と対立してでもゆるがぬ意思、あるいは「判断基準」、つまり倫理を、どれだけの人が持っているんだろう…? うーん、かなり怪しいよね笑

2018-05-05 08:25:52
広田淳一 @binirock

複数の芸術団体、事務所に多重に所属しているプレイヤーもいる。僕はそういったスタイルにこそ将来性を感じる。複数のコミュニティに多重所属することによって、個々のプレイヤーは過剰流動と閉鎖集団の適度な中間領域を採用していけるのではないか? と思うからだ。

2018-05-05 08:15:19
広田淳一 @binirock

一人の(あるいはごく少数の)中心的人物が、ほぼ永遠に独裁的な権力を持ち続ける小劇場団体には、明らかに負の側面もある。重苦しさもある。だが、新劇へのアンチテーゼとして始まった小劇場劇団の「ゲリラ戦」が、事務所所属のフリーの俳優の群れ、に収斂していってしまうのはいかにも残念だ。

2018-05-05 08:11:17
広田淳一 @binirock

もちろん悪徳旅行会社みたいな劇団もあるし、創造的活動に熱心な事務所もある。悪意のある奴がどこかに潜んでいる、というバカ話ではない。ただ、ディズニーランドを観て楽しむような心地でいろんな現場を遊覧しているプレイヤーには、永遠にディズニーランドを作ることはできないよ、という事。

2018-05-05 08:06:55
広田淳一 @binirock

流動性の高い業界の中でなるべくいろんな場所でいろんな体験をしたいと思ったら、優秀なツアーコンダクターに出会う必要がある。いわゆる芸能事務所にはそういった役割もある。いつの間にかその「ツアー」の主導権はプレーヤー個人ではなく、旅行会社に獲られているのかもしれないが。。

2018-05-05 08:02:20
広田淳一 @binirock

いろんな現場に出入りできる立場になれば楽しいだろう。旅行が好きなタイプの人にとってはいろいろな体験を消費できて楽しい、という側面もあるだろう。もしも、あなたが創造活動だと思ってやっていることが単なる消費行動になってしまっているのだとしたら、それは腐ってるという他はない。

2018-05-05 07:59:20
広田淳一 @binirock

そういった行動を倫理的に良いとか悪いとか言うつもりはない。ただ、そのマインドは極めて消費者的な行動だ、と言えると思う。そこにあるのは、「演技業界の人的リソースを使って何かを創造したい」という態度ではなく、「演技業界を遊覧したい」という消費者マインドに過ぎないのではないだろうか。

2018-05-05 07:56:42
広田淳一 @binirock

過剰流動の社会では個々のプレーヤーはいわば無責任に振る舞える。ひとつの場所で問題を起こしても「あとは野となれ山となれ」のスタンスで好き放題できる。継続可能性なんて知ったことか、自分が今、いちばん輝ける場所にいれればいい、のだからよりよい場所が見つかったら移動するだけだ。

2018-05-05 07:52:42
広田淳一 @binirock

流動的な振る舞いが許された社会では、個々のプレイヤーは自由に所属団体を変更し、好きな時に、好きな団体に好きなだけコミットできる。束縛されることもなく、俳優業以外の重苦しい業務にわずらわされることも無い。とても身軽で、可能性が広がる。個人的には。

2018-05-05 07:50:57
広田淳一 @binirock

また別の観点から言えば、過剰流動性は個々のプレイヤーに「創造」をさせるのではなく、「消費」をさせてしまう危険がある。これはいわゆるタダ乗り(フリーライド)の問題と言ってもいい。こっちは個々のコミットメントの精神に関わる問題なだけにより深刻だ。うーん。今日は文章が固いね、しかし笑

2018-05-05 07:48:06
広田淳一 @binirock

結論を言ってしまえば「重苦しいからこそ劇団は重要だし、利用価値がある」ということを僕は言いたい、のだけど、まあ、説明が必要ですね…。過剰流動性はいくつかの点で個々のプレイヤーを蝕んでいく危険があるように思う。ひとつには個人が芸術に関わる際に全体性を失い、主体性を奪われていくこと。

2018-05-05 07:42:33
広田淳一 @binirock

そもそも「劇団」なんていう場所に拘束されるのは「重い」「息苦しい」「不自由」というマインドがプレイヤー相互に充満していることもあるんだろう。そして、それらの負の感情は必ずしも的外れではない。実際、プロデュース公演よりも劇団活動は「重い」。

2018-05-05 07:34:33
広田淳一 @binirock

誰もが次の現場、別の現場に追われ、ひとつの創作にじっくりゆっくり取り組んでいる場合ではなくなる。それは必ずしも悪いことじゃない。メリル・ストリープも『クレイマー・クレイマー』と『マンハッタン』の撮影を同時進行でやっていたというし(!)、慌ただしさが傑作を産まないわけじゃない。

2018-05-05 07:32:49
広田淳一 @binirock

一方で過剰流動性がもたらす害悪もある。鈴木忠志さんをして「こんな場所で芸術は作れん」と言わしめたような害悪が。つまり、過剰な流動性は、創作現場の過剰供給を個々のプレーヤーにもたらし、その「束縛の無さ」がかえって、ひとつの創作にじっくり取り組む「自由」を阻害するというもの。

2018-05-05 07:29:11
広田淳一 @binirock

過剰流動性の原因の一端は、単に東京には映画・演劇・ドラマ・アニメといった業界、いわば「ゲーム」の参加メンバーが多い、という事情があるだろう。個人はひとつの場所を去っても別の場所を獲得することができる。比較的、容易に。誰もが再チャレンジできる、というプラスの側面もここに確かにある。

2018-05-05 07:24:40
広田淳一 @binirock

今月は大阪と仙台とでWSをしてきたんだけど、もちろんそれぞれの都市の個性も感じたけど相対的に東京という場所の個性も見えてきた。程度の差に過ぎないが東京は特に人的流動性が高いように思う。集団への帰属意識が低く、個人が自由に活動の形態を選択できる。

2018-05-05 07:19:14
広田淳一 @binirock

まず、存続が自己目的化してしまっているような劇団は消えていい、と僕も思うし、「アマヤドリ」という劇団の名づけ方から察していただけるように恒久的な場所を作れりたいとは僕も考えていない。劇団が潰れるかどうかは些末な問題で、大切なのは、おもしろい舞台がどうやったら作れるか? だ。

2018-05-05 07:15:47