私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！　喪135「モテないし仮面（キャラ）を被る」感想

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

教室に入ってきたキバ子ことホルモン…いや小腸…ちがう小陽ちゃんは、ややのけぞり気味にプルプルと震え、目に涙まで浮かべて声なき声を上げていた。めっちゃ笑ってる……声も出ないくらいに……

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

教室に入ってきたキバ子はすぐさま真子の元に駆け寄る。「まこっち！　まこっち！　あれ見た！？　黒木！！」「まじヤバい！！！」「なにあれオシャレ！？　クソブサイクだったんだけど！！」まさかの…まさかの極太ゴシック体である……。ちなみに真子の席はゆりちゃんの一つ前。すなわちネモの２つ前

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

つまり、加藤さんの…その早朝わざわざ本人呼び出してまで“クソブサイク”メイクをかました張本人の、斜め前。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「つーかあのメイク……！！　いぃーっひっひっひっ！！」あまりといえばあまりな小物笑いを上げるそれを、冷たく無表情に、しかしどこか傷ついた顔で見つめる加藤さん……加藤ママのこんな顔見とうなかったで御座る……。そしてそんな加藤さんの後ろから見ながら滂沱の汗を流しつつネモは思うのだった

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

（よかった……！　笑わなくて……！） 危険地帯を細い命綱一本で渡り終えたことをネモが深く理解して喪１３５終。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

さてここでひとつ検証してみたい。果たして加藤さんのメイクはクソブサイクレベルに下手なのか？　…もちろん高校生の身である。元よりプロのように上手いわけではないだろう。しかし本稿では加藤さんのメイクテクニックが下手だとは断定しない。それはなぜか？　以下に理由を列挙してみる。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

理由１：加藤さん本人がクソブサイクメイクではない。 メイクがド下手であるとは加藤さん本人の美人度からみても考えづらい。少なくとも自分自身のメイクを失敗している描写はこれまでない。もしも自分自身に失敗メイクをしてそれに気づかないのであれば、それはメイクの腕より美的感覚の問題だろう。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

理由２：もこっちが納得している。少なくとも大きな不満は抱いていない。 上でも触れたが、すでにもこっちは小さな手鏡などで自分に施された化粧を確認していると思われる。下手なメイクなのであればその時点でもこっちの態度に現れるだろう。つまりこれは妥協の可能性もあるが望まれたメイクである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

理由３：メイクが雑誌の写真そっくり 加藤さんが貸した雑誌に載っていたメイク、もこっちに施されたものはそれとまったく同じものだった。考えられるのはもこっちがこのメイクを希望した、あるいはそのページを見ていたことを知っていた加藤さんがもこっちがそれを気に入っていると思ったのではないか

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

このようなことから、少なくとも雑誌のモデルのメイクを再現できる程度には腕があり、美人をブサイクにするほどの下手さではないと分かる。ではなぜもこっちはクソダサメイクになってしまったのか？　推測するに、加藤さんは他人に本格的なメイクをするのはこれが初めてだったのではないだろうか？

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

お化粧が好きでいつも自分をきれいに飾り立てている。そんな自分の手助けでオシャレになりたい黒木さんをもっと可愛くしてあげたい！　そんなことを思って夜もこっちのスマホに電話をしたのではないだろうか。そう、加藤さんは初めて自分以外の女の子に本気のお化粧できるのでうきうきしていたのだ……

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

（もしもこれまでコマの端とかで加藤さんが他の子にガチなメイクしようとしてるシーンあったりしたらこの推測台無しだなと思いつつ）元々加藤さんが趣味的なお化粧好きで他の子にもしてあげたい気持ちが強いことは、喪１０９で自分からもこっちのネイルを塗りたがったところでも明らかである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

きっと自分がメイクしたもこっちを見て、みんなが「可愛いね、いいメイクだね」と言ってくれるだろうと思って、加藤さんはわざわざもこっち相手に提案したのだ。自分のお化粧でもこっちがもっとクラスに溶け込めることを期待していたのだ。善意の子だよ、こんないい子ほかにいるかね？

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

しかしその善意と期待もあえなく踏みにじられる。ホルモン…キバ子の無情な暴言と節操のない嘲笑のせいでだ。しかしあえて言うならば、この時のキバ子は悪くない。いや、あの度を超えた嘲弄は決して悪くないとはいえないが、ネモですら鍛えた腹筋でかろうじて堪えられたレベルのそれだったのだ……。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

そこには善意しかなかった。より良い関係を築く助けになりたいという微笑ましい想いしかなかった。ではなぜこんな悲劇が起きてしまったのか。 それは、加藤さんが美人すぎたからである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

仮定ではあるが、加藤さんはこれまで他人に本格的なメイクを施したことがなかった。漫画内で明確に確認できるのは、短い時間でもこっちのネイルを一枚塗り、睫毛にマスカラを塗ってあげたくらいである。他にあるとしてもそれと同程度の軽いものが友人相手に何度かあるくらいだったのだろう。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

わざわざ朝早くに学校に呼び出すほどなのだから、本気になった加藤さんのメイクは、洗顔、化粧水、乳液など順を追ってベースメイクからきっちり行うような相当に本格的なものだったのだと思われる。基本的な工程であり自分自身で慣れた手順だ。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

しかしそこから先、人それぞれの顔にあったメイクを施す段階において、彼女の引き出しは自分自身に施した範囲にしかなかった。美人の自分に合うメイク、メイクに敗けない土台を持っているからこその思い切ったメイクしか、彼女は知らなかったのだ。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

そしてなんらかの二人の間でのやりとりの後、雑誌に載っていたメイクをもこっちに施すこととなり、そこで加藤さんはがんばって、雑誌のモデルそのままのメイクを施してしまった。もこっちの顔にである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

…擁護するならばもこっちの顔は充分可愛い。蠱惑とすら表現される色気がある。クセは強いが造形が悪いわけではない。言わせてもらうならば三白眼だって目の下のクマだって愛らしいし結婚したい。結婚したい。だが、主観を除き、冷徹に彼女の顔の評した時、もこっちは決して「美人」ではないのである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

そこに「美人」である加藤さんの顔を素体として積み上げられた技術を、存分に手加減することなく奮ったらどうなるか。そう、メイクの強さに顔が敗けてしまうのである。 これが「黒木クソブサイクメイク事件」の真相だ。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

もちろんこれは仮定の上に導き出された真相である。故に今後のわたモテの展開次第ではあっさり覆されることもある。加藤さんがクソザコメイクテクニック女である可能性も否定しきれないし、上記以外のなんらかの事情によって二人の認識が歪められ「これが可愛いんだ」と思い込むに至った可能性もある。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

本当の真相はこれから先、加藤さんについてより深く掘り下げられるシリーズが来た時に明らかにされるのかもしれない。我々読者はその日が来ることを祈り待とう。友よ、加藤さんに備えるのだ。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

わたモテ喪135「モテないし仮面（キャラ）を被る」感想　了