私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！　喪135「モテないし仮面（キャラ）を被る」感想

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「別に女子のファッションってモテる為にやらないし」「え！？そうなの？」後ろの席のそんな初々しいやりとりを微笑ましげに見つめる加藤ママ。尊い。しかしもこっちはそんなこともこれまで知らなかったんだな。原幕内での女子間のコミュまったくなかったからな…あってもコオロギやゆり真子とだけだし

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

ゆりちゃんはもこっち以上に女の子らしいファッションに頓着なさそうだし、真子は身だしなみはきちんとしてても真面目で奥ゆかしいからあまり流行りのナニソレといったものには詳しくなさそうだし、コオロギはコオロギだからな……。ファッションに一家言はありそうだが、アレすぎて汚染されてしまう。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

そういう意味では初めて「ＪＫらしいファッション」に触れたのがまさに今だったのだろう。ハッピーバースデーＪＫもこっち。流行のメイクは男子のためにするものじゃないので自意識過剰やめて好きな格好しなよ、とクロを諭すネモ。私がしてもイタいだろというクロに「笑わないよ絶対」と断言してみせる

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

その夜、自室で冒頭ファッションの引き合いに出されたゲームである「P4」を遊びながらもこっちが何をか思っていると、突然スマホに着信が。「えっ！？あっ！どうして私の番号！？」などと言っているところから、ゆうちゃんやゆりちゃん等のアドレスにすでにある相手からの着信でなかったことが分かる。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

電話の相手に翌朝早くの呼び出しを受けつつも上ずった顔で即ＯＫするもこっち。ははーんもこっちがこんな顔する相手といえば…。さて翌日、ネモが教室に入ってくるとそこにはいつもと様子の違うもこっちの後ろ姿が。なにやら上半身が黒い。どうもいつもの制服スタイルではなく上に私服を着ているようだ

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

着席し肩肘をついて窓の外をぼーっと眺めているもこっちの背中に「着てきたんだ、見せて見せて」とネモが声をかけるる。そして振り返ったその顔は………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

ほっといでもギョロギョロした目を強調するバチバチのまつげ！！　うっすらと乗った眉のライン！！　薄くチークの入った頬！！　むっちりとした厚みと瑞々しさを強烈に主張するリップ！！！！！！！　　図らずしも昨日読んでいたファッション雑誌のメイクと瓜二つ！！！！！！！！

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「ぎゅっ」！！！！ 表情を崩さぬネモのその本心を、腹筋の締まる音が雄弁に物語っていた。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「それ弟くんのジャージ？　意外と似合うね」プルプルと震えながら図らずしも変顔になるネモ。ひっくり返して置いた画鋲のような口のなんとも言えぬその表情は必見なのでぜひ公式にて確認してほしい。そう、ネモは昨日自らした「笑わないよ絶対」の誓いにかけて吹き出すわけにはいかないのである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

前から加藤さんが話に入ってくる。それによると昨日二人がファッションの話しをしていたのを聞いて、今朝早くもこっちに登校してもらいメイクをしてあげていたのだという。にこにこと笑って聞き流しながらも心の中で「余計なことを…」と呪詛を吐くネモ。その二人を眺めるオシャレもこっちの顔のまた…

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

この無言で二人の間にいるもこっちの顔がまた必見で、これまでのもこっちを知っていれば知っているほど吹き出さざるを得ない。学校・職場・公共の場所などでの閲覧はとみに注意して欲しいものである。しかしネモのこの内心の「余計なことを…」は一体どういう意味なのか。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

再開。ネモ思った「余計なことを…」の意味。まぁ素直に考えると「笑わないよ」と昨日もこっちに対して誓ったのに、横から参戦してメイクで笑わせにくるのは卑怯だろ！ということか。さすがに「私とクロのふたりの話なんだから勝手に割り込まないで！」とは思ってはいないだろうし……多分。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「いやまぁ化粧はともかく、こういう格好は高校のうちに一回くらいはしときたかったからな…」となぜか達観したかのように語るもこっち。妙な賢者モードに入っているのは何故なのか。メイクされてる時真正面から加藤さんの顔を長時間見つめ続けたから？

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

初化粧で賢者モードのもこっちが続ける。「ＧＷ明け席替えだしネモが隣にいるこのタイミングならって」「思って」台詞がフキダシによって奇妙に分割されている。別にひとつのフキダシに収められない文字数とは思えないので意図的な分割なのだろうが、どういう意図があるのかは読み取りづらい。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

本来必要のない位置で台詞のリズムをあえて区切りたかったということは、もこっちの心情なりがこの区切りに表れているのではないか。前半の「～ネモが隣にいる～」から考えてみる。もこっちはネモが隣にいるタイミングだから好きな服を着てきたという。ネモに見せるだけなら別に席替え後でも不都合ない

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

二人は同じクラスなのだしすでに友人といって差し支えない。席が離れたら声をかけづらくなるということもないはずだ。それでもなこのタイミングにあえてやっておきたかったということは、すなわちもこっちは、ネモと二人で席を並べて好きな服で一日過ごしたかったということにならないだろうか。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

自意識過剰にならずに好きな格好してきなよと後押しをしてくれ、さらに絶対に笑わないと約束もしてくれた。そんなネモの隣で、自分なりにではあってもオシャレな格好をして一日過ごしたい、自分の憧れた高校生活の気分に一日だけでも浸ってみたいという気持ちをここで告白していたのではないだろうか。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

でももこっちの中には、そんな自分を「イタい」と思うもう一人の自分がいる。斜に構えてリア充や野球部や趣味に熱中するオタクを見下す高二病的（高二病そのものとは言えないが）もこっちである。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

思えばもこっちの内面ではこの高二病的性質と、生主に憧れたりオタサーの姫を妄想したり自分を笑いの分かる面白い子なんだと思い込んだりうぇーいしてみたりする中二病的性質が二律背反的に混在していた。そのせめぎあいこそがわたモテ前期におけるもこっちのあがきであり面白さの核のひとつでもあった

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

もこっちの内面のモノローグは、今回冒頭の朝ネモに教室で挨拶されるまでの２ｐ１コマ目までしか存在しない。だがこれまで読み続けてきたわれわれ読者であれば、２ｐ以降ももこっちがどんな内容かまでは解らぬまでも、あれこれと考えながら喋っているのだろうということは推察できる。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

すなわち、従来ならもこっちのモノローグ的なものが挟まっていたであろうところがこの台詞の区切り、フキダシの分かれなのではないだろうか。伏し目がちに「このタイミングならって」と少し溜めて「思って」と口にしたもこっちは何を思ったのだろう。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

自分をイタいと嘲るもう一人の自分をなだめていたのか、そんな自分を吹っ切るきっかけを与えてくれたネモへの感謝とも言えないような感謝だったのか、あるいはリア充の口車に載せられてホイホイこんな格好をしてあまつさえ化粧まで施された自分への自嘲だったのか。それはもこっちにしか分からない、

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

が、そこはこれから先、わたモテを読み続けていく我々読者の前に少しずつ詳らかにされていくことだろう。そういうもこっちのささやかだが確かな変化を見つめていけるのが、なにより嬉しい。

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

さて、そんな感じで神妙にしているもこっちの独白を訊きながら、ネモは必死で笑いの発作をこらえていた。（せっかくクロがいいこと言ってるのに加藤さんのメイクのせいで入ってこない！）とはあんまりな言いようである。笑いをこらえたネモの口がネコっぽい。口元をうにゅうにゅさせてるのだろう

ラヂヲヘッド＠31日 金曜日 東 ム－18a @Radio_paranoia

「ちょっとでかい鏡で見てくるわ」と、もこっちが席を立つ。「でかい鏡で」と言っているようにメイク後まったく鏡を見てないということはないだろう。つまりこのメイクはもこっちも納得の上でのメイクなのだ。いつものてくてくした足取りで教室を出ていく後ろ姿。入れ替わりに入ってきたのはキバ子だ。