Soren Johnsonコラム翻訳 by verdamil

verdamil(スパ帝)氏によるコラムの翻訳。
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スパ帝 @verdamil

[翻訳記事] GDCコラム#2:2D対3D 原文: http://bit.ly/fksSw9 2008/11/18 Soren Johnson 2008年7月/8月にGame Developer誌に掲載された物の再掲:

2011-04-13 20:49:18
スパ帝 @verdamil

業界黎明期のゲーム、Pong、Asteroids、スペースインベーダーなどは当然ながら2Dゲームであった。初期のゲームで3Dを備えていた物もわずかにあった。線画ベースの戦車シミュレーター、Battlezoneなどだ。

2011-04-13 20:49:28
スパ帝 @verdamil

しかし3Dはあくまで変わり種に過ぎず、ゲームの本流にはならなかった。全てが変わったのは1992年の事である。id SoftwareのWolfenstein 3Dの登場により、3Dグラフィックはゲーム開発の最先端として広まった。

2011-04-13 20:49:39
スパ帝 @verdamil

それ以来、あらゆる物が2Dから3Dへの移行に巻き込まれた。マリオもゼルダも、パックマンすらも3Dにやって来た。

2011-04-13 20:49:44
スパ帝 @verdamil

現在ではほぼ移行は完了した。そろそろ問うてみようではないか。このプロセスで何を学んだか。何が3Dの長所なのか?何を目的としているのか?2Dの方が優れている場合は何か?今なら開発者も、競争圧力に屈して3Dへ流れるのでなく、ゲームごとに最適なグラフィック環境を選ぶ事ができそうだ。

2011-04-13 20:50:34
スパ帝 @verdamil

[カメラの問題] 3Dゲームとカメラには長い格闘の歴史がある。一人称視点のゲームに関しては問題は無いが、他のジャンルも3D化しているのである。プレイヤーにゲーム自体のやり方も教えつつ、カメラの操作も同時に教えるというのは難事である。

2011-04-13 20:51:18
スパ帝 @verdamil

ここで2Dの強みが出て来る。カメラがそもそも存在しなければ、カメラの使い方を教える苦労は無い。実際、3Dゲームもカメラワークの裁量をプレイヤーに与えなくなって来ているのが最近の潮流だ。

2011-04-13 20:51:22
スパ帝 @verdamil

スーパーマリオ64は3Dジャンプアクションの最初の成功例である。しかしやはり、プレイヤーはマリオを適切に映す為にカメラコントロールに労力を割かねばならなかった。アクションゲームはより親切なカメラシステムを研究し続けており、自動的に最適なアングルへ調整する様になって来ている。

2011-04-13 20:51:36
スパ帝 @verdamil

しかし、こういう手法はどうしてもある点で無理が出る。キャラクターが部屋の角に張り付いたり、水平の出っ張りの下に隠れたりすると処理に困る。

2011-04-13 20:51:56
スパ帝 @verdamil

この根深い問題への解答として、Prince of Persia: The Sands of Timeでは2つの静止カメラがメインカメラとは別に用意された。そしていつでも視点を切り替えられる。

2011-04-13 20:52:07
スパ帝 @verdamil

God of Warではさらに一歩進んで、各シーンごとに固定カメラが1つ置かれている形になった。映画を作る様にして面を作る形である。スーパーマリオギャラクシーではカメラ操作が一切無くなり、自動で周囲が見える上からの視点に調整される様になった。

2011-04-13 20:52:19
スパ帝 @verdamil

World of Warcraftなどのアバター型ゲームは、移動中に視点を調整できないようにしている。これによりキャラクターがカメラに向かって走って来る事態は避けられた。

2011-04-13 20:52:24
スパ帝 @verdamil

戦略ゲームでもカメラは進歩している。他ジャンルと同様、カメラ調整の自由度を減らす方向だ。少なくとも初心者には弄らせない。3Dを採用したRTSの一つ、Star Wars: Force Commanderはカメラ操作が自由すぎて不評だった。軍を見る為の視点調整が一々面倒だったのだ。

2011-04-13 20:54:17
スパ帝 @verdamil

Warcraft 3は3Dを正しく採用した最初のRTSと言えよう。成功の肝は視点調整の自由を大幅に減らした事だ。ズームはほぼ不可能で、代わりにカメラ位置が下がって行く形になる。カメラの回転は余り使わないキー操作でのみ可能だ。

2011-04-13 20:54:42
スパ帝 @verdamil

リードデザイナー、Rob Pardoは開発の経緯をこう語る。「3D化するにあたり、カメラ操作の要素はかなり少なくした。視点が低い位置にあると、視界がTPSに近くなる。

2011-04-13 20:55:38
スパ帝 @verdamil

これでマップのあちこちを見ようとするとどこがどこだか分からなくなるし、視点が一方向だけを向いているせいでユニットを選択するのも難しくなる。戦場全体を見渡せないのだ。戦略ゲームとして面白くするため、結局昔ながらの等軸視点にカメラを持って来た。ようやくそれで作業が始まった」

2011-04-13 20:55:44
スパ帝 @verdamil

[2Dも色々] 2Dゲームも様々な種類がある。よくあるパターンは2つ。ボードゲームの様な昔ながらの「見下ろし」2Dと、ソニック・ザ・ヘッジホッグの様な「横視点」2Dである。他に等軸視点というのもあり、2Dで視点を固定した3Dを模すものだ。

2011-04-13 20:56:29
スパ帝 @verdamil

3Dへの移行が本格化する前、多くのゲームが見下ろし2Dから等軸2Dに流れて行った。例えばCivilization 1は昔ながらの見下ろし2Dだったが、Civ2は45度視点の等軸2Dだった。この手法は確かにそれなりにリアルだが、ゲーム性がいささか犠牲になった。

2011-04-13 20:56:56
スパ帝 @verdamil

つまり、マスとマスの距離がつかみにくい。東西方向のピクセル数が南北方向の2倍になるからだ。この問題を解決するため、Civ4は3DグラフィックながらCiv1と同じ真っすぐな見下ろし視点を採用した。タイルは斜めになっていない。こうすればマスが分かり易くなり、戦略上の決定も下し易い。

2011-04-13 20:57:40
スパ帝 @verdamil

ファミコンウォーズシリーズの最新作、ゲームボーイウォーズアドバンスを見てみよう。視点は伝統的な真っすぐの見下ろしだ。プレイヤーは四角のマスに集中できる。ユニット画象はいつものデフォルメ体型で、グラフィックの都合に合わせてある。

2011-04-13 20:57:50
スパ帝 @verdamil

このシリーズから影響を受けたのが、DSのAge of Empires: The Age of Kingsである。こちらは同じ様なゲームシステムながら、斜めの等軸視点を採用している。しかしこれが上手く行っているかというと怪しい。

2011-04-13 20:58:22
スパ帝 @verdamil

マスの区切りが分かりにくいし、ユニットの画像がマスをはみ出しているせいでユニット同士が重なり合ってしまい、選択するのが一々面倒なのだ。マス目を使うゲームは真っすぐな見下ろし視点の方が良さそうである。

2011-04-13 20:58:25
スパ帝 @verdamil

[グラフィックはゲーム性にあらず] 3Dグラフィックと3Dゲームは別物だ。例えばSFテーマのRTS、HomeworldとSins of a Solar Empireは似た様な3Dエンジンを使って広大な宇宙空間の戦闘を表現している。しかしゲーム性は異なる。

2011-04-13 20:58:51
スパ帝 @verdamil

Homeworldは本当の3Dゲームであり、X軸Y軸Z軸を自由に移動できる。一方Sinsは2D平面上のゲームであり、高さの概念は無い。その気になれば2Dエンジンでも実装できる。3Dを用いたのはあくまでズームが自由になるとか宇宙が広大に見えるといった副次的な理由からである。

2011-04-13 20:59:02
スパ帝 @verdamil

ゲーム性が2DなのでSinsはあまり操作が複雑にならずに済んだ。一方Homeworldはユニットに移動命令を出すのに三次元で位置を指定せねばならず、2〜3クリックが必要になる。

2011-04-13 20:59:05