- kosn_ninja
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「利害が一致してるんだよ。さあ、パレードはやめて、街の人々の税率を元に戻すんだ」「ヤダ」美のイルマは頬杖をついた。「ボクはカワイイの!それをみんなに知らしめるのは当然の権利!むしろ義務だよ!」「ふーむ…ふむふむ。大体わかった」力のコセンは腰の刀に手をかけた。21 #enjRPG
2018-06-09 23:58:06「ま、待った!暴力はナシ!分かったよ!じゃあ、そこに立って!」そう言って、イルマはソファの正面の床を指さした。「なんでそこに立たせるんだ?」力のコセンは、刀の鯉口を切った。「立ってくれなきゃ、お話もしないし、イルマシティごとみんな埋めてやる!」「チッ、わかったよ」22 #enjRPG
2018-06-10 00:02:23「ここ?」あるはざが先に立った。続いて、リンタローと力のコセンが立つ。「バカめ!死ぬがいい!」恐ろしい笑顔とともに、美のイルマはテーブルの下に隠されたスイッチを押した。パカリ、と床が開いた。卑劣な落とし穴だ!「うわあああああ!!!」三人は穴に落ちていった… #enjrpg
2018-06-10 00:04:04【地下30階 強制労働施設】 「→『起き上がる』」「ふー、みんな大丈夫?」「大丈夫だ。ここはどこだ?」三人がいるのは、地下30階。そこでは、美のイルマの機嫌を損ねた人たちが、強制労働させられている。三人は、落下地点にあった食料の袋がクッションになって助かったようだ。24 #enjRPG
2018-06-10 00:08:20強制労働施設。奴隷たちは、この洞窟じみた地下空間で、ひたすらに鋼鉄製の奴隷バーを押すことを強いられる。そのエネルギーが電気となって、イルマシティを明るくするのだ。「おい、てめえら!」監視員が怒鳴ってきた。「さぼりやがって!」【リンタローのフトン斬り!監視員は倒れた】25 #enjrpg
2018-06-10 00:11:11なんと監視員は魔物だった。力のコセンが刀を抜いた。「とにかく脱出するぞ!」三人は監視員を倒しながら、奴隷バーの乱立する洞窟を進んでいく。監視員は防御が硬いが、『フトン斬り』は防御無視攻撃だ。布団叩きの経験が活きる。三人が進んでいくと、ひときわ大きい奴隷バーに着いた。26 #enjrpg
2018-06-10 00:13:57「あ、あの人。パン屋のヤスオじゃない?」あるはざが、奴隷バー奴隷の一人を指さした。「→『ヤスオさん?』」「あ…ああ、確かに俺はパン屋のヤスオだ。今は奴隷だけど。あんたらは?」「僕たちは美のイルマを倒すために、ここから出たいんです」「この強制労働施設に出口はないよ」27 #enjRPG
2018-06-10 00:15:22「出口が無い?じゃあ、壁を壊すしかないぜ」力のコセンが大鎌に手をかけた。「いや、一つだけ手段がある。聞いてくれるか?」「→『はい』」「見ろ。あのゲートは奴隷たちの食料とかの搬入口だ」ヤスオが指さした先には、巨大なゲートがある。 28 #enjRPG
2018-06-10 00:19:47「だが、あそこの警備は厳重だ。何十人もの警備兵士が守っている」力のコセンは鼻で笑った。「関係ないぜ。俺と虹の勇者がいる」「僕もいるよ!」あるはざがむくれる。「そうだったな。忘れてた」「もう!」「なあ、あんたら」ヤスオが言った。「イルマを殺さないでくれるか?」29 #enjRPG
2018-06-10 00:22:11「→『なぜ?』」「俺はこの街の事を、小さな村だった頃から知っている。イルマは小さな村で畑を耕し、家を建ててくれた。正直、あの頃のイルマが一番カワイイだった」「ファンだった?」あるはざの言葉にヤスオは笑った。「ああ、そうさ。俺はイルマのファンだったよ。でもな…」 30 #enjRPG
2018-06-10 00:25:02ヤスオは続ける。「イルマがビルを建てて、地面をアスファルトで固めはじめてから、全部変わってしまった。イルマは自分のカワイイだけを求めるようになり、みんなを奴隷とみなし始めた」「なら、殺ったほうが良くないか?」力のコセンが言った。 31 #enjRPG
2018-06-10 00:28:26「それでも…!」ヤスオは泣いていた。「それでも、イルマはいいやつなんだ。昔、畑を耕しながら見せた笑顔が嘘じゃないなら…!イルマパンだって…ほんとは…元のイルマに戻ってほしくて…」ヤスオはただ泣き続けるだけになった。 32 #enjRPG
2018-06-10 00:31:55「ふん、女々しいな。殺るときは殺らなきゃいけないんだ」力のコセンは吐き捨てた。「それで、あのゲートを突破するんだろ?」「セーブしたほうがいいよ」空から月のウサギの声がした。あるはざが言った。「空はないから、洞窟の天井からだね」「口答えしないで、そこの壁を見てごらん」 33 #enjRPG
2018-06-10 00:35:42地下強制労働施設の壁に、またしても『ピョンピョン空間』に繋がる扉が出現していた。「あ?壁に何かあるのか?」力のコセンには扉が見えないようだ。「いったん、セーブしようか」「→『はい』」リンタローとあるはざは力のコセンを置いて、扉に入った。34 #enjRPG
2018-06-10 00:38:24「おかえり。なかなか面白くなってきたね」月のウサギは、ベッドの上で寝転びながら、二人を迎えた。「さあ、セーブするんだろう?」月のウサギはテーブルの上のパソコンを指さした。リンタローはパソコンのキーボードの上に手を置いた。黒い画面を文字が埋め尽くしていく… 35 #enjRPG
2018-06-10 00:39:00【セーブしますか?→『はい』「いいえ」】【ゲームを続けますか?「はい」→『いいえ』】【それでは、おやすみなさい】36 #enjRPG
2018-06-10 00:39:30