『偵察機ガルダパイロット「空の眼」の覚書』の設定集 #フライトグライド #ラスティフロント

『偵察機ガルダパイロット「空の眼」の覚書』の設定集などをまとめた。
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private_tom @private_tom4523

ラスティフロント@Wiki - 偵察機ガルダパイロット「空の眼」の覚書 #atwiki www59.atwiki.jp/flightglide/pa…

2018-06-25 16:54:22
private_tom @private_tom4523

さて、夜も更けてまいりました。 恒例通り、今回は新作SSのコンセプトを発表していきたいと思います。

2018-06-26 01:41:10
private_tom @private_tom4523

まず、今作「でも」書かれていることから。 パルエでは空軍が陸軍に優越することは、自分のSSでは当たり前のことになりつつあります。 つまり、陸軍は空軍の行動にいつも振り回される存在であることがわかります。 その前提があり、本題では上位者である空軍の、偵察機パイロットの話に入ります。

2018-06-26 02:43:55
private_tom @private_tom4523

連邦の偵察機は二種類あります。 戦闘偵察機と純粋な偵察機とで別れる。 戦闘偵察機は低空を飛び、艦の護衛や陸軍の支援をすることになります。 純粋な偵察機は、武装を持たないがために偵察能力に極振りする機体であり、とても高価な機材を惜しみなく使うので数が少ないです。

2018-06-26 02:43:56
private_tom @private_tom4523

その数少ない機体を操るパイロットは、間違いなく軍のなかでも上位に位置する存在であります。 今回の話は、ガルダという純粋な偵察機を操る「空の眼」と呼ばれた人間の話です。 「空の眼」の由来は、戦略偵察を行う彼らは大地を見渡すので、スカイバードと偵察機を重ねて呼んでいるのです

2018-06-26 02:43:56
private_tom @private_tom4523

「空の眼」は孤高の存在です。 ガルダは二人乗りですが、私の二次創作では後部座席を潰して撮影機材を積んでいるためです。 その姿は翼を広げた鳥とも、海底を這うエイのような姿にも例えられるでしょう。 画像で知りたい方は本家のページへどうぞ。 www59.atwiki.jp/flightglide/pa…

2018-06-26 02:43:56
private_tom @private_tom4523

孤高は孤独と隣り合わせです。 ですが、神であるスカイバードと同じ高さにいるということは、それだけでステータスです。 あるいは、神を超越する科学が生み出した現代の脅威でしょうか。 しかし、神とただの人間で、決定的に違うところがあります。 それはなんでしょうか。

2018-06-26 02:43:57
private_tom @private_tom4523

それは、人間は下を見るときに「見下す」存在であるということです。 人は地面を歩くもので、いつも空を見上げていたからでしょうか。 空を飛ぶようになった人は傲慢になり、上へ上へと目指すうちに、神と同じ存在になりたがったのです。

2018-06-26 02:43:57
private_tom @private_tom4523

神と同じ視線になったとき、下にいる人を傲慢にも「見下す」ようになるのは時間の問題でした。 神は人を「見下ろす」ものなのに。 神になりたがった人は、初めから神であったスカイバードとは違う「まなざし」を持ってしまったのです。

2018-06-26 02:43:57
private_tom @private_tom4523

空軍が陸軍に優越する、というのはまさにそういうところも含んでいるわけです。 空を飛べるということと、地位が高いというダブルミーニングで、空軍は陸軍を「見下し」、階級の高いものは下のものを「見下す」わけです。 では、高級士官である「空の眼」はどうか。

2018-06-26 02:43:57
private_tom @private_tom4523

少なくとも「彼」は一番高いところにいながら、そうではありませんでした。 冷淡ではありますが、彼は預かった戦場の目、つまり戦闘偵察機パイロットを心配する様子を見せ、さらには陸軍の状況を気にかけて行動しています。 当たり前の冷静な「仕事」ですが、「見下す」私情はなかったでしょう。

2018-06-26 02:43:58
private_tom @private_tom4523

しかし、周りからはそう思われてはいません。 空軍のなかで、「機」のパイロットのなかでは一番階級が高い「空の眼」は被弾も、傷つきもせず、飛んでいるだけで恩給と褒章が舞い込んでくる存在です。 踏み込めば、陰謀を画策する軍上層部に一番近い存在であり、陰謀の片棒を担ぐ存在でもあります。

2018-06-26 02:43:58
private_tom @private_tom4523

上から下へがあるように、下から上への「まなざし」も存在します。 彼もその「まなざし」に晒されているわけです。 しかし、彼はそれを否定しません。 むしろそれが「正しい認識」なのだと自分さえねじ伏せるほど、卑屈に、鬱屈しているのが彼の特徴でしょう。

2018-06-26 02:43:58
private_tom @private_tom4523

加えて、神と同じ高さにいながら、自分が人を「見下し」ているのだと自覚してしまっています。 むしろ神にしか「見下ろす」という行為はできないのだと断じており、人間である彼には絶対にできないものなのだと、当然のことに諦めすら持ってはいません。 ただ、心はいつも悲嘆に暮れているでしょう。

2018-06-26 02:43:59
private_tom @private_tom4523

結局、彼は最後にスカイバードの隣で無線機の回線を空けることを拒否しました。 神と「チャネリング」する権利が自分にはないのだと言い聞かせて。 できても「傍観」することしかできない自分と、葛藤しつつも「仲間」を守れる戦場の目では、神のそばに一番近い場所にいるべきは、彼ではなかったのです

2018-06-26 02:43:59
private_tom @private_tom4523

そして、彼の仕事は昼の内にするものです。 夜に出撃することはありません。 夜に地上を見ることはできないからです。 では、スカイバードはどうでしょう。 夜も人々を見下ろしています。 夜は人の邪な思念がなくなった、神の領域なのです。 「見下す」眼がなくなり、純粋な神の眼だけがあります。

2018-06-26 02:43:59
private_tom @private_tom4523

彼は夕闇の隙間で、それを再確認します。 自分は夜の領域に足を踏み入れることができないのだ、と。 つまり、それは彼が自分を傲慢な人間だと再認識し、神を、やはり神聖なものであったのだと思わせることになり、彼は「傲慢な人間」たる自分に鬱屈しながら、人間の世界に戻っていきます。

2018-06-26 02:43:59
private_tom @private_tom4523

それはつまり、「高度」では神に到達した人間となった彼が、同じ高さにいても、夜の世界が訪れれば神の領域を追われてしまうことを表しています。 神のようにふるまっても夜だけは支配できず、彼では立ち入ることのできない神の砦がそこにあることを認識します。 そこに彼の居場所はありませんでした。

2018-06-26 02:44:00
private_tom @private_tom4523

話は変わって、連邦の敵である帝国の話。 「砲兵の亡霊」はフリーダ・クルツのことを指します。 今作では最後までアーキル連邦に姿が露見することはありませんでした。 しかし、昔からあるネバたちの空挺強襲歩兵は違います。 ネバたちは露見しても痛手がないぶん、連邦も対策は充実しています。

2018-06-26 03:08:17
private_tom @private_tom4523

最終的に、ネバの乗った機体は撃墜されてしまうわけですから、強襲歩兵の指揮官を失い、歩兵の士気がガタガタになることは必至でしょう。 とはいえ、それまでに連邦が被害を出し続けたのは、なにもフリーダとネバが上手だったからだけではありません。

2018-06-26 03:08:18
private_tom @private_tom4523

縦割り行政によって、「陸軍のことは陸軍で、空軍のことは空軍で」という過度な役割分担があったのです、という方向性を創作で持たせています。 連邦は帝国兵器の、ホバリングするようなものを持っていないために、それへの対策が打ちづらい環境にあったのです。

2018-06-26 03:08:18
private_tom @private_tom4523

特に、小型で空と陸を行き来していく兵器というものの知見が少なかったわけです。 簡単にいえば、アーキル側は「ヘリコプター」という概念に疎い、と言い換えることができるでしょう。 フリーダとネバの戦術は、連邦の縦割り行政の間隙を突いて連邦に、少なく見積もっても大打撃を与えました。

2018-06-26 03:08:18
private_tom @private_tom4523

連邦側は、フリーダを看破することはできず、ネバだけを撃墜していきました。 帝国としては、ただの「羽蟻」が少々いなくなったところで、「空飛ぶ火艦士」のエリートたるフリーダたちが生きていれば上出来なわけです。 帝国も、空軍が陸軍に優越するという「まなざし」を持っているのですから。

2018-06-26 03:08:19
private_tom @private_tom4523

ミス 地上の火艦士、でしたね。

2018-06-26 03:09:56
private_tom @private_tom4523

というわけで、今作の裏側で行われた話を知りたいとなったときは、先にフリーダとネバの話を読むべきでしょう。 ラスティフロント@Wiki - 地上の火艦士の手記・空飛ぶ歩兵の独白 #atwiki www59.atwiki.jp/flightglide/pa…

2018-06-26 03:08:19