燭へし同棲botログ：夏至

燭へし同棲bot @dousei_skhs

【夏至】 「ただいま」 「おかえり。外暑かっただろう」 「まあな」 「ごめんね、おつかい頼んじゃって」 「いいよ、これだけだし」 「僕としたことが麺つゆを切らすなんてね、なんたる無様……」 「大袈裟な……。お前はご飯作ってくれてるんだし、買い物くらい行く」

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「ありがとう。美味しいの作るからね」 「……この匂い、ミョウガ？」 「あ、わかった？」 「うん」 「長谷部くん、最近ミョウガ好きだろう」 「……俺、言ったか？」 「言ってないけどわかるよ。正解？」 「正解」 「よかった。この前いっぱい買っておいたから、今日は肉巻きにしました」

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「ミョウガの？」 「そうです」 「そうか……そうか……」 「ふふ。もう少しかかるから、今のうちにシャワー浴びておいでよ」 「これ冷蔵庫に入れたらな」 「……あれ、ビールも買ってきてくれたの？」 「あ、すまない。まだあったか？」 「ううん。ちょうど買っておこうと思ってたんだ」

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「じゃあ構わないだろ」 「そうだけど」 「……光忠の好きなのも買ってきた」 「えっ」 「お前、俺が飲んでるこれよりも、こっちの赤いやつの方が最近好きだろ」 「……ばれてた？」 「まあな」

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「実はそうなんだよ。昔は水みたいで好きじゃなかったんだけど、最近それが美味しいなと思うようになってさあ」 「年とともに味覚は変わるからな」 「そういう長谷部くんは、昔からずっとそれだね。ビール」 「いろいろ飲んだけど、結局これが一番口に合うんだよなあ」

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「長谷部くん、辛口好きだもんね」 「ん」 「……しかし、よく見てくれてるね」 「？」 「ビール。僕は君と違ってあんまり飲まないのに、好みが変わったのよくわかったね」 「光忠こそ」 「？」 「俺が好きになったもの、まめに覚えてくれてるな」 「そりゃあそうでしょ。長谷部くんのことなんだから」

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「俺もそうだ」 「え？」 「光忠のことだからわかるし、覚えてる」 「……そっか。ありがとう」 「別に」 「…………」 「…………」 「……自分で言っておいて照れるの、可愛いよね」 「み、光忠だって」

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「僕は照れてません」 「嘘つくな」 「ついてません」 「ついた」 「ついてません。それより早くシャワー浴びておいで。ビールも、今日は特別に冷凍庫で冷やしてもいいから」 「……うん」 「すぐ飲んですぐ食べるだろう？」 「……そうする。お先に」 「ふふ。はい、どーぞ」 【了】