『椿町ロンリープラネット』に黄色い悲鳴が上がり続ける本当の理由

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uroak_miku @Uroak_Miku

「Your 'he's nice' is pretty much the same as saying 'I've got a huge crush on him.' Right? Isn't that extremely incredible?」 pic.twitter.com/JTnScjcxCW

2018-07-29 13:14:27
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前作『ひるなかの流星』を読んでみてノレなかったのは、主人公をはじめ、どの子もしょせんは保護者によって生活のわずらわしい雑事が免除されたうえでの「きゅん」だから、多少でも世の中や自分自身の欺瞞を思い知っている者が眺めると、どうしても「いい気なもんだ」に思えてしまうわけですが

2018-07-29 13:17:14
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この『椿町ロンリープラネット』の主人公は、保護者の庇護がないなか、家事全般を完璧にこなしてしまう子なので、「いい気なもんだ」攻撃に対して完璧なイージス・システムが働き、全弾をはじき返してしまうわけです。

2018-07-29 13:19:11
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前に『スミカスミレ』という、おとな用少女まんがの秀作を読んで感心したことがあります。わけあって60歳の独身女性が、高2で中断された青春を、若返って再開するというおとぎ話。異世界転生もののひねり技。

2018-07-29 13:21:07
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60歳まで老母の看護をしていたから、家事全般はオールマイティ。いわゆるおばあちゃんの知恵袋的なスペックが非常に高い。そういう女性が16だか17だかの身体を得て、書類をうまくごまかしてもらって今の女子高生に混じって青春を再開するわけだから、最初はいろいろと浮いてしまう反面、頼られる

2018-07-29 13:23:59
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掲載誌は「ココハナ」(心に花を)だから、レディコミ誌ではないわけですよ。「マーガレット」の姉妹誌として創刊し、成人して久しい元・乙女たちを読者対象に置いている。世の無常、自分自身の欺瞞と現実を体で思い知って、それでもなお乙女ココロは密かに息づいている、そういうひとたち向け。

2018-07-29 13:27:40
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ゆえに高校生の恋愛ものだけど、世の無常さを常に背後に匂わせる、おとなのビタースゥートがいっぱいの良作でした。

2018-07-29 13:28:58
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『椿町』も実は異世界転生、青春やりなおし、世事で薄汚れた乙女ココロの浄化、ほかいろんな裏テーマを抱えている。

2018-07-29 13:31:21
uroak_miku @Uroak_Miku

主人公ふみが心惹かれる年上男性は、28歳でしたね。で、検索で反応を眺めていると、読者の大半は彼より年上なんじゃないかって気がする

2018-07-29 13:32:35
uroak_miku @Uroak_Miku

しかし、17歳のふみ(家事全般完璧、日常の礼儀作法にスキなし)を岩盤にして、「年上」の男性に庇護される物語世界に浸りきるのです。

2018-07-29 13:34:12
uroak_miku @Uroak_Miku

なろう系小説を、マーガレットの伝統芸「年上のイケメン男子と同居する未成年女子」ストーリーに完璧におとしこんでみせた…そんな風にも分析できます。

2018-07-29 13:35:42
uroak_miku @Uroak_Miku

今の日本は、そんなに女にとって生きにくい国になっている、のかな――ファンタジーが輝くのは、現実がとっても辛いから。ミッキーマウスがスターになったのは、アメリカが大恐慌に沈み、ホレーショ・アルジャーな楽天主義が叩きのめされた裏返しであったように。

2018-07-29 13:37:50