すこうぷ先生の乳がん検診のお話（2018）

のーないすこうぷ @nonaiscope

まとめていただいてから2年たちましたが、例の報道もあり再度耳目を集めているようです。大きな変更はないので引き続きこのまとめで十分ですが、最新の情報を踏まえた乳がん検診事情を連ツイしたいと思います。長いです。 RT すこうぷ先生の乳がん検診のお話 - Togetter togetter.com/li/1007093

のーないすこうぷ @nonaiscope

「無症状な」「40歳未満」の方の乳がん検診（マンモグラフィー、超音波いずれ含む）は引き続き推奨されていません。40歳未満の方がただ「心配だから」乳がん検診を受けることは勧められない、この方針に変更はありません。

のーないすこうぷ @nonaiscope

「40歳以上の女性に対するマンモグラフィー検診」は変更があり、「積極的に勧められる(推奨グレードA)」から「勧められる（推奨グレードB）」に「引き下げ」られました。 細かい理由は省きますが、（おそらくマンモグラフィー性能向上が要因の）過剰診断による受診者不利益を重視したことが大きいです

のーないすこうぷ @nonaiscope

なお、ここでの過剰診断は、診断ミスを言うのではなく、治療しなくても生命予後に影響ない乳癌の発見→治療のことを言います。また、以前の根拠が否定されたわけではないこともご留意ください。「(2年に1回の）マンモグラフィー検診は乳癌死を避けるためには大事なことです」

のーないすこうぷ @nonaiscope

「検診は2年に1回」としているのは「がん検診のあり方に関する検討会」での提言だったと記憶していますが、おそらく今後も変更されることはないでしょう。少なくとも、毎年受けるべきとする根拠は聞いたことがありませんし、これからも出てこないんじゃないでしょうか。

のーないすこうぷ @nonaiscope

「いつまで受けたらいいの？」という質問もよくあります。乳癌学会としては上限を定めていませんが、厚労省研究班の調査研究では75歳以上のマンモグラフィー検診はデータ不十分となっています。

のーないすこうぷ @nonaiscope

こちらも変わりませんが、「超音波（エコー）検査単独による乳がん検診の有用性は年令問わず依然はっきりとしていません」 少なくとも乳がん検診は、超音波検査だけではダメで、マンモグラフィーあってこそ。超音波検査はマンモグラフィーの代用になりません。

のーないすこうぷ @nonaiscope

乳がん検診、特に超音波検査を勧めてくる方は必ずと言っていいほど「早期発見」というフレーズを使います。間違っているというつもりはないのですが、この「早期発見」にも注意が必要です。

のーないすこうぷ @nonaiscope

日本から発信された「J-START」という大規模臨床試験では、乳がん検診でマンモグラフィーに超音波検査を併用することで、よりstage1（いわゆる早期）乳癌を発見できる確率が高まるという結果が出ました。ただ、それだけのことで、これがどれだけの意味をもつかはいまだ議論が続いています。

のーないすこうぷ @nonaiscope

「『乳癌診断時』のstageと5年生存率はほぼ比例する」ことは確かです。J-STARTの結果から「(2年に1回の)乳がん検診において、マンモグラフィーと超音波を併用したほうが、マンモグラフィー単独より、よりstage1乳癌を発見できる『確率が高まる』」のも確かです。

のーないすこうぷ @nonaiscope

でも、これらを都合よく解釈して、「検診はマンモグラフィーと超音波を併用すべき」とか「検診でより早期発見することが大事」とか、ましてや「毎年検診受けるべき」とは言い切れないのがデータ、エビデンスというものです。ややこしいですね。今回のお話は以上です。

のーないすこうぷ @nonaiscope

「しこりが触れる感覚」はこちらでお試しください。心配になって何度も触っていると刺激で乳腺組織が固くなって判断しづらくなることもあるようなので、自己検診も半年に1回くらいでいいと思っています（こちらは個人的見解です）。なますて twitter.com/nonaiscope/sta…

のーないすこうぷ @nonaiscope

乳房のセルフチェックはいいけど、しこりを触れる感覚がわからないという声を聞いたので、試してみました。ティッシュは1/4サイズを丸めてます。タオルは3回折った厚さ。途中でもう1回折ってます。乳腺の厚みによる触れた方の違いもご確認ください pic.twitter.com/nH4gCWX4Ck

2015-09-25 11:07:14