STUDIO4°Cの中の人による「制作」のお仕事

制作少女よんど☆シイコ 第4話「L/Oコピーも、タップ貼りも、あるんだよ」
16
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

制作少女よんど☆シイコ 第4話「L/Oコピーも、タップ貼りも、あるんだよ」

2011-04-21 18:46:50
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

L/Oコピーとかタップ貼りって何?って思う方もいるかと思いますので、その説明を。前回、社内の分科会で行われた「アニメーション制作の全体の流れ」をお話ししましたが、今週の分科会は「制作作業の実演」だったのでそちらの話をふくめて。

2011-04-21 18:53:39
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

制作が担当しているのは作品の品質と予算とスケジュールの管理ですが、それ以外にも各部署の作業を円滑に進めるため、L/Oコピー、タップ貼り、カット袋作成といった作業を担当しています。

2011-04-21 18:56:15
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

制作の新人メンバーは、入社当時から毎日朝から晩まで行っている作業ですが、 会社の中でもそれ以外のセクションでは、実はあまり知られていない作業だったりします。

2011-04-21 18:59:16
@tskuuru

4℃さんのレイアウトバックの作り方の前に、紙タップ作りも制作の仕事。タップ穴開け機で、作画さんがアタリに使った古い動画用紙に穴を開けて、裁断機で約1.7cmぐらいに切って、紙タップを作ります。ひたすら作ります。

2011-04-21 19:54:49
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

タップ貼りの作業は、「レイアウト(L/O)」といういわば作画の設計図が上がった後、「原画」と「背景」という2つのセクションが同時並行で作業を進めるために行う、いわゆるカットの「複製」です。

2011-04-21 19:02:41
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

このとき必要となるのは、レイアウトの原版、そのコピー、金属で出来ているタップ。それからトレス台、紙タップ、メンディングテープ、あとはカッターと色エンピツです。

2011-04-21 19:07:48
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

アニメの作画用紙には3つ穴が開いていて、これをタップ穴と呼びます。 この穴の位置を共通の基準とする事で、セルや背景の位置も共通認識できるわけです。金属で出来てるタップと呼ばれるものは、この穴と対になっていて、位置の固定ができます。

2011-04-21 19:27:48
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

タップ貼りの作業に戻ります。 まずはレイアウトのコピーの上部を数センチカッターで切っておきます。 そして、タップにレイアウトの原版をはめたら、そのうえに紙タップをおきます。

2011-04-21 19:36:00
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

そして、キッチリカッチリぴーったり同じ位置にコピーを透かし合わせ、テープで位置がずれない様に、前からも後からもきっちり固定します。

2011-04-21 19:37:01
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

さらにフレームを赤エンピツで指定したり、レイアウト原版に塗ってある色を必要に応じて塗ったりします。すると、原版とコピーの違いはありますが、同じ内容、同じタップの位置のレイアウトが2つ出来上がります。これがタップ貼りです。

2011-04-21 19:38:46
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

なんでわざわざ一枚一枚切ったり貼ったりしなきゃいけないの??というめんどくささがありますが、このきっちりぴったりがとても大事。作画さんの描いた線一本のわずかなズレにも敏感でなければなりません。

2011-04-21 19:40:26
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

例えば劇場作品でいうと、用紙はA4サイズからB4サイズくらいですが、スクリーンはもっともっと大きいですよね。作画した用紙のサイズから、スクリーンサイズに拡大されると考えると、線一本のずれが何センチものズレになってしまうんです。

2011-04-21 19:42:32
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

例えば劇場作品でいうと、用紙はA4サイズからB4サイズくらいですが、スクリーンはもっともっと大きいですよね。作画した用紙のサイズから、スクリーンサイズに拡大されると考えると、線一本のずれが何センチものズレになってしまうんです。

2011-04-21 19:42:32
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

だからここで丁寧な手作業をするのが大事なんです。 パンチャーなどでタップ穴を開けようなんてしたら、もうダメダメ!!!!やってみたら一目瞭然ですが、同じ位置に穴なんて開かないですよ、マジで。

2011-04-21 19:44:29
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

原版とタップ貼りされたコピーのふりわけも大事。 作画さんにはセルの原版と背景のコピー、背景さんには背景の原版(背景原図という呼び方になります)とセルのコピー(セル参考と呼ばれます)に振り分けます。

2011-04-21 19:45:47
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

そしてそれぞれのセクションに渡します。 作画さんへはレイアウトバック!背景さんには原図IN! これで2つのセクションが同時に走ることができるんです。

2011-04-21 19:49:00
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

それから、原画が上がったらカット袋を作るのも制作の役目。カット袋にシーン番号やカット番号を記入します。そして、原画の欄に担当者名と作画枚数を記入していきます。

2011-04-21 19:50:52
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

このへんは言葉での説明が難しいですが、レイアウトを挟んで上がってくるシートがあります。これは作画さんが記入する時間の設計図となるタイムシートと呼ばれるものです。1秒間を24または30に区切った欄が作られていて、この欄にどの作画が必要かという指示やセリフや音の位置が記入されてます。

2011-04-21 19:55:47
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

えーと、つまりそれが記入できるということは、作画さんて、0.04秒くらいのタイミングを意図的にコントロールできてるってことなんです。スゴイ!!!!

2011-04-21 19:57:17
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

アニメーターの人達は、ただ単に絵が上手なだけじゃなくて、キャラクターを立体物としてとらえて、あらゆるアングルから描き、なおかつそのキャラクターの生き生きとした演技も作り、動きのタイミングもコントロールして作画するという、ものすごい作業を行ってるわけです。

2011-04-21 19:58:04
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

話は戻りますが、シートのセル欄に描かれた①・・・②・・・という原画と中割りの数をかぞえます。「・」は動画さんに描いてもらう中割りと呼ばれる指示です。 〇がついているのが原画番号。この時、同じ番号は数えない様に気をつけます。

2011-04-21 19:59:06
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

ここで各セルが何枚作画が必要になるかわかります。シートのカメラ指示などなど、記入されている指示もカット袋に描きます。

2011-04-21 20:00:14
STUDIO4℃のC子 (C-ko) @STUDIO4C

これでカット袋ができあがり。以後このカット袋が、動画さんや仕上げさんや撮影さんにまわっていくわけです。

2011-04-21 20:01:01