四肢を失った女騎士がサラセンの医師に義肢もらってショタに介護されるやつ

おねショタ再放送。2015年8月19日放送分でした。ちょうどパリ万博が開催された年でしたね。鉄骨とガラスの宮殿に日本からの視察団が度肝を抜かれたと当時の新聞にあります。
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帽子男 @alkali_acid

「甥よ。どうであろうな。伝説に名高い大鵬(ルフ)の翼を模した義肢を考えてみた。下肢は鉤爪にして。これならば飛べるのではないか」 「かさばりすぎるかと」 「ふむ。そうか」 「…はい」

2015-08-19 14:44:35
帽子男 @alkali_acid

「医者殿はまことに色々思いつくな」 「申し訳ございません。あれで君主(スルターン)にうとましがられたのですけれど」 「私に翼があれば面白かろうな」 「え、ええ」 「猫の手足をもらってもよいかもしれん。お前が話してくれた岩の墓守(スフィンクス)のように」 「は、はぇ」

2015-08-19 14:47:38
帽子男 @alkali_acid

妙に乗り気な発言にたじたじとなる少年。ナーオゥと猫の鳴きまねをして体をこすりつけるだるま騎士

2015-08-19 14:48:27
帽子男 @alkali_acid

「自分は次女で、小さい頃から馬や弓や剣や槍が好きで、戦遊びも好きでな。縁談もあったが正直戦いたかったので男装して戦場に出たらこれが楽しくてな」 「はい」 「鎧武者を槍で貫き通したときのあの感触は正直忘れられぬ」 「はい」 「初陣は吐くものもいたが、私は酒が進んだ」 「はい」

2015-08-19 14:59:14
帽子男 @alkali_acid

「そのように好き好んで出た戦だから、あの負けで、愛馬や敵味方の屍に押し潰されそうになっていたとき、いたし方ないかとも思ったのだが」 「はい」 「血と腸の匂いを嗅ぎながら、身動きのとれぬ格好で沈む夕陽を見ていたとき、まだ生きていたいと考えてな」

2015-08-19 15:01:41
帽子男 @alkali_acid

「そうすると末期に眺めていた景色を塞いだものがいて」 「はい」 「お前だったのだが」 「え」 「お前がちょこちょこ走って医者殿を呼びにいったのを覚えている」 「あ、はい」 「まだ生きているものがいると伝えて」 「生きていらっしゃったので」 「うむ。ところで医者殿は何しにあそこへ」

2015-08-19 15:03:31
帽子男 @alkali_acid

「この国の合戦が見たいというのと。あとその」 「何だ」 「久しぶりに腑分けをして外科の勘を失くさないようにしたいと」 「うむ。偉いな」 「…偉くはございません…困った方です。叔父上は…」 「そうか?」

2015-08-19 15:04:47
帽子男 @alkali_acid

魔術師の甥は慎みも恥じらいもあるよい子だが、出血や壊疽や膿や屍や月経やおりものや糞尿や内臓にはびびらない。ベテラン看護師みたいな淡々とした処理をする

2015-08-19 15:13:01