四肢を失った女騎士がサラセンの医師に義肢もらってショタに介護されるやつ
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壊疽かー。考えてみると戦場で怪我したら昔は壊疽とか破傷風とかの恐れがあったんだよなー。物語にはあまり出てこないが手傷を負って生き残ったら手足切断なんてのも当たり前の時代。
2015-08-19 13:57:16女騎士が特に拷問とかでもなんでもなく戦場で激戦の末に重傷を負って放置されて、通りすがったサラセンの医者が 「まだ息があるか…一思いに楽になりたいか…それともどんな形でも生き残りたいか」とたずねて
2015-08-19 13:58:40「…生きたい」 騎士が一言つぶやいて 「よかろう。最善を尽くそう」 答えたサラセンが館に運び込んで四肢切断してだるまにするけど何とか生き残る
2015-08-19 13:59:47だるま騎士はいつもは乳母車みたいのに押されて、薬草の花が咲き乱れる庭を魔術師の甥に運ばれる 「あの花は」 「矢車菊。目の疲れに効くそうです」 「あの花は」 「迷迭香」 「あんなに大きくなるのか」 「ええ」
2015-08-19 14:05:11騎士が話せるのは戦のこと。馬術や武芸の大会のこと。狩りのこと。 「私の話など退屈ではないか」 「いいえ。もっと話してください」 「そうか…」
2015-08-19 14:06:43騎士はときどき幻肢痛に悩まされながら魔術師の甥に 「今夜は…そばで寝てくれ」 と震えながら頼む日もある。少年がぎゅっと抱きしめて寝ると二人で犬の子が同じ籠で眠るように穏やかな眠りに落ちる
2015-08-19 14:08:24でもだるまだった時期のくせが抜けずというか、手厚い看護がとても心地よく、喪失感よりも終末の安寧を感じていたので、疲れきると手足をすべて外してしまい、魔術師の甥である少年に甘える
2015-08-19 14:17:06「もう疲れて手足を動かせない」 「大丈夫ですよ」 「できない」 「は、はい…」 「用を足したい」 「え…」 「世話をかけるが…いつものように頼む」 「は、はい」
2015-08-19 14:18:06「…水が飲みたい」 「水差しを持ってきます」 「前にしたみたいにしてくれないか」 「…でも」 「してほしい」 口移しで飲ませてもらったり、硬い肉をよく噛んでから食べさせてもらったり
2015-08-19 14:19:10騎士のときはひらひらした衣装とか一顧だにしなかったが、だるまになった時は、魔術師の甥が少しでも気持ちを浮き立たせようと、美しい衣装を裁縫して着せかけてくれて、かわいい帽子もかぶせてくれて、乳母車で出かけるときはおしゃれでいっぱいにしてくれたし
2015-08-19 14:25:06あと野の花や薬草園の花から抽出した香水もつけてくれたので、そういうのがすごく気に入って 「今日は疲れて手足が動かせないけど庭を見に行きたい」 とねだってまたしてもらう
2015-08-19 14:25:41「医者殿はまことに鋭い手をお指しになる。幕営にあれば定めし優れた参謀であられただろうに」 「はは。あなたには及ばない」 「いや。かつて私から五本のうち二本も取れる指し手はいなかった」
2015-08-19 14:29:33なんだけどだるまに戻って寝床に横になると 「寝る前に接吻して欲しい」 「えっ」 「母上が昔してくれた。闇が怖くて眠れなかった私に」 「は、はい」 という感じで少年にねだってくる
2015-08-19 14:31:13@alkali_acid リプライ失礼します。だるま状態の時は甥は側に居続けなきゃならないから、女騎士の側で魔術の本を読んでいたりするけれど、そのうち本に夢中になってしまった甥の気を引こうと「髪の毛を梳かしてくれ」とか時折小さな我が儘をねだったりするとかだとキュンと来ます。
2015-08-19 14:31:36あああん!?中世のサラセン人つったら何でもできるドラえもんみたいな万能の存在だろうが!!だから少年は騎士の舌を満足させる料理を作ってくれるし、きれいな服も裁縫してくれるし香水も作ってくれるし、変声前の喉で遠い砂漠の地の歌も聞かせてくれるし、笛や琴も奏でてくれるんだよ
2015-08-19 14:36:53「叔父上。最近僕が騎士殿に付ききりでお世話は足りておりますか」 「うむ。大丈夫だ。それよりだ。新しい義肢を考えてみた」 「はい」 「故郷の大猫(カラカル)を模した形だが、これをつければ騎士殿は風のように地を駆けられるのでは」 「体の負担が大きいかと」 「ふむ。そうか」 「…ええ」
2015-08-19 14:43:16