「クラフトビール」という言葉の暴走

西宮北口　ビアカフェ・バーレイ @barleynow

最近、「クラフトビール」という言葉が暴走しているように思います。

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クラフトビールという言葉は、日本で小規模の醸造がスタートした1995年にはすでに存在していましたが、かたくなに「地ビール」という言葉を使っていたメディア。それが、数年前からすっかり「クラフトビール」にとって代わりましたね。

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クラフトビールという言葉はとても素敵な響きで、店主も好きです。でも、商売になると思った輩たちが競い合うように使い始めた結果、ちょっと距離を置きたい気持ちにもなっています。

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今から、１０年近く前、某大手ビールメーカーの方とお話しする機会がありました。そのとき、その方は、今でいうところのクラフトビールを「ニッチ」な商売と表現されておりました。

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それが、今や大手メーカーが熱い視線を送っているというギャップ。

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どうして暴走していると思うかというと、ちょっと価値を高く見せようとして、本来クラフトビールではないものに「クラフトビール」の冠をつけている事例を良く見かけるから。

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たとえば、大阪・梅田の某有名百貨店。お酒売り場の一角にカウンターがあり、そこで「クラフトビール」が注文できます。でも、そこでクラフトビールとして売られているものがクラフトビールじゃないんです。

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たとえば、ベルギーのステラ・アルトワ。このビール、ベルギーNo.1の売上を誇るビールらしいです。醸造しているのは、かのアンハイザー・ブッシュ・インベブ。そう、世界「最大」のビールメーカー。そのメーカーの看板ブランドでもあります。

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他にも、イギリスのバス・ペールエールとか、ベルギーのヒューガルデンホワイトとか。そう、これもかのアンホーイザー・ブッシュ・インベブが世界で大量に販売しているビール。

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一昔前に、「偽装表示」が大問題になりましたが、これも立派な偽装ですね。そういえば、アメリカのウォルマートが、クラフトビールではないものを「クラフトビール」として売っていたということで訴えられたというニュースも最近目にしました。

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そして、極めつけは、こちら。やはり、大阪・梅田の某フードホール。画像の左上に注目。「Craft Beers」の一角になんと、あのキリンビールのハートランドが！！！ ※画像に映り込んでいるのは店主です（笑）。 pic.twitter.com/EXMjiTd1T7

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店員の方も悪びれもせず（というか、知らないんでしょうね）、クラフトビール○種ございます！とこのプレートを指して説明してくれました。ハートランドがクラフトビールなら、この日本で販売されている数千種類のビールのうち、少なくとも９９％以上の銘柄がクラフトビールということになります（笑）

西宮北口　ビアカフェ・バーレイ @barleynow

誤解のないように書くと、店主はハートランド好きです。地ビールという言葉もクラフトビールという言葉も聞かれなかった３０年以上前に飲んで以来、好きな銘柄のひとつになりました。（ただし、グリーンボトルおよび夏に流通している熱で劣化した樽生ビールを除く）