北海道地震の現場から

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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

(※すみません、うまくツイートできなかったようなので再送)⑥災害の中にも人々の営みや人生がある。一つでも二つでも、公的機関の発表ではない、体温のある記事を届けたい。そう思って取材を続けている(終) pic.twitter.com/Nc8OijJZVD

2018-09-14 21:30:51
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①震度6強の揺れに襲われ、多くの建物が傾いた北海道むかわ町。多数の犠牲者を出した厚真町と比べ、メディアの報道が少ない被災地で、必死に仕事を続ける人を見た pic.twitter.com/dnrTNt2fuu

2018-09-17 18:25:27
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②午前2時11分。新聞販売所の所長工藤弘さん(65)は、届いた朝刊の束を自宅裏の倉庫でほどいた。かつて配達の準備をしていた作業場はもう、ない。地震で自宅兼店舗は全壊。「無残な姿を見ていたくない」と12日に解体し、すでに更地になっている pic.twitter.com/W3ib4iBjVc

2018-09-17 18:27:02
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③配達部数は約300部。震災前は機械でチラシを折り込んでいたが、家屋に押しつぶされて使えなくなったため、今は日中にすべて手作業で折り込んでいる。 pic.twitter.com/bySX4loyJr

2018-09-17 18:27:50
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④午前2時44分。新聞を配達車に積んでアクセルを踏んだ。通りの両脇には倒壊寸前の店舗。今にも歩道に崩れ落ちてきそうな旧美容院。1階が完全に押しつぶされてしまった旧時計店――。道路はあちこちで陥没している。「生まれ育った町がこんなになってしまうなんて」 pic.twitter.com/nHeiOFDKhg

2018-09-17 18:31:18
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑤あの瞬間も、新聞配達中だった。朝刊を郵便受けに入れようとした時、大地が崩れていくような揺れに襲われた。慌てて車に戻ろうとしたが、車も自分も揺れているため、ドアに手をかけることさえできない。 pic.twitter.com/IASdTIXmK6

2018-09-17 18:31:45
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⑥「これじゃ家はだめかもしれないな」。家に戻ると、築45年の住宅兼店舗の1階が押しつぶされていた。2階で寝ていた妻(60)と息子(31)は無事だったが、外に出て通りを見渡すと、停電で光のない町の至る所で、家や店が傾いていた pic.twitter.com/HaC76zo6V7

2018-09-17 18:32:21
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⑦副業は壊滅した。昼の時間を使って収入を得ようと、新聞販売所の一角で3年前に始めたたいやき屋。町内から発掘された恐竜「むかわ竜」をモチーフに、「恐竜たいやき」を売り出したところ人気に。来月からは町の特産にあやかって「ししゃもたいたき」を売り出そうと、特注の型が届いたばかりだった pic.twitter.com/x5gQPL2hn5

2018-09-17 18:33:21
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑧家財道具もなく、引っ越し先の当てもない。今はただ1日も休まずに新聞を配ることだけを考えている。避難所で寝泊まりして世帯のポストにも新聞を入れる。「避難所から家に戻ったときに、この新聞で『あの時、こんなことがあったんだ』と振り返ることができるように」と pic.twitter.com/dRdlUMkxvd

2018-09-17 18:34:44
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⑨午前4時32分、最後の50部を避難所へと運んで、工藤さんは配達を終えた。間もなく厳しい冬が来る。配達の仕事は今後も続ける予定だが、生活の先行きはまるで見えない pic.twitter.com/ujFMVLSf4I

2018-09-17 18:35:23
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⑩震災の現場を取材して思う。厳しい大地に根を張って暮らす、北海道の人たちは「強い」。でも我々はそんな彼らの「強さ」にすがってはいけない。大切なことは現実を直視し、わずかでも思いを寄せることだ。市井の人々の営みをつぶさに見つめる。その重責を我々メディアは果たせているだろうか?(終) pic.twitter.com/KJZQNyp0ux

2018-09-17 18:40:43
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