【まとめ】ビル・シャンクリーと社会主義、リバプールファンとの結びつき

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Yuki Ohto Puro @mateinappa

ビル・シャンクリーについて、ブログにするほどでもないけどまとめておきたいことをこれからいくつか書いていくね。

2018-10-14 11:53:53
Yuki Ohto Puro @mateinappa

シャンクリーの生前の姿をとらえた中でもとりわけ有名なこの写真、実はFAカップの決勝戦でアーセナルに敗退した直後に撮られたものだったのね。そのシーズンも含め、5シーズン連続で無冠。それでもここに映し出されている彼の姿はまったく敗者であるようには見えないし、ファンも悲しんではいない。 pic.twitter.com/qOjXCcUn50

2018-10-14 11:56:44
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Yuki Ohto Puro @mateinappa

1971年のFAカップ決勝で敗れ、失意の中本拠地へ戻ってきたシャンクリーとリバプール一行は、鉄道駅で100,000人を超える市民から出迎えられた。駅前のセント・ジョージ・ホールの真ん中に立って、シャンクリーはこのような演説をした。

2018-10-14 11:59:47
Yuki Ohto Puro @mateinappa

「私がここにきてから選手たちには幾度となくこのように教え込んできた。『君たちはリバプールファンのために戦う栄誉ある特権を持っている』と。私の言葉を信じていなかった選手たちも今はそのことを理解しているだろう」 静寂に包まれた群衆は、演説が終わると爆発しシャンクリーの名前を歌い始めた

2018-10-14 12:03:36
Yuki Ohto Puro @mateinappa

「なぜタイトルを多く獲得しているペイズリーではなく、シャンクリーこそがリバプールで崇拝されているのか?」という疑問を、おそらく現在ではリバプールファンでさえ持っていると思う。しかし、彼がリバプールという町、クラブ、そして人々に対して行ってきたことは、ピッチ上のことだけではない。

2018-10-14 12:08:32
Yuki Ohto Puro @mateinappa

よく知られていることだがシャンクリーは熱心な社会主義者だった。彼がリバプールのラジオ局で受け持っていた「ビル・シャンクリー・ショウ」で、かつて労働党党首で英国首相も務めたハロルド・ウィルソンとの討論の録音が残っている。そこでの発言が、彼のフットボールと政治観をよく表している。

2018-10-14 12:12:18
Yuki Ohto Puro @mateinappa

二人は政治とフットボールについてひとしきり語り合った。その中で、シャンクリーは自分の考えをこう述べた。 「我々のフットボールは、社会主義の姿そのものだよ」 また、他の機会ではこのようにも話している。 「私の信じる社会主義は政治だけではなく、生き方の話だ。人間性の話だ。(続)

2018-10-14 12:15:05
Yuki Ohto Puro @mateinappa

(承前)私の信じる唯一の生き方、そして真の意味での成功とは、全員がお互いのために働き、お互いのために助け合い、全員で利益を享受するという集団での努力だ。大変かもしれないが、それが私のフットボールであり、生き方なんだ」 彼は、自分の言葉・信念に基づく行動を、ピッチの外でも行った。

2018-10-14 12:17:54
Yuki Ohto Puro @mateinappa

ファンから届いた手紙への返事を書くために多くの時間を費やし、何枚もの観戦チケットをファンに贈った。「please」という単語が手紙の中に1000回以上も出てくるおかしなファンからの請願に対しても、1ポンドのグラウンドチケットを添えて丁寧に返信した。

2018-10-14 12:21:29
Yuki Ohto Puro @mateinappa

極め付きはEcho紙の記事で「チケットを取れない人には手助けする」という公開受付を行ったことだった。中にはカップファイナルのチケットを受け取った幸運なファンもいた。アウェーに向かう電車の中でも切符のないファンのために自腹で車掌に支払ったり、時には老人のために買い物袋を持ったりした。

2018-10-14 12:23:49
Yuki Ohto Puro @mateinappa

レイ・クレメンスは上記を述懐し、その行動が彼の親切心によるものであり、シャンクリーは真の社会主義信者で可能な限り人々を助けようとしていたと語っている。 写真の話に戻ると、シャンクリーは言葉の力、そして自分の身振り手振りが群衆に及ぼす影響というのを熟知していた。

2018-10-14 12:27:12
Yuki Ohto Puro @mateinappa

まるで敗者のようには見えず、ファンを熱狂させ、ファンと都市とリバプールFCの結びつきをさらに強くした。一時代前のカリスマ的なファシストのようにも見える。彼は、群衆の熱狂が収まって、こう続けた。 「昨日、我々はウェンブリーで負けた。だが、あなた方はすべてを勝ち取ったのだ」

2018-10-14 12:29:28
Yuki Ohto Puro @mateinappa

もう一つ、伝説的な瞬間がある。1974年FAカップ決勝で優勝した後、ピッチの上に突入してきたファンがシャンクリーの足元にひざまずき、キスをささげている写真だ。まるでイエス・キリストに許しを請うようなこの姿を、世界中で他に誰が作り出すことができるだろう? pic.twitter.com/Q5686VyyqI

2018-10-14 12:33:53
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Yuki Ohto Puro @mateinappa

ニューカッスルに勝利し、シャンクリー政権下で2度目の戴冠を果たしたリバプール一行を出迎えたのは、25万を超える群衆だった。市内の道々は熱狂的なサポーターで埋め尽くされ、当のシャンクリーは「(初めて優勝した)1965年よりすさまじいものだった」と語っている。

2018-10-14 12:36:40
Yuki Ohto Puro @mateinappa

オープントップバスの上から、シャンクリーはブライアン・ホールに語り掛けた。 「息子よ、あの中国人の名は何と言ったかな?有名な人物だよ」 「マオ(毛沢東)ですか?」 バスが到着すると、彼はその後に付け加えた。 「中国人のマオでさえ、このような赤の強さは見たことがないだろうよ」

2018-10-14 12:41:10
Yuki Ohto Puro @mateinappa

3年前と同じセント・ジョージ・ホールで、再びシャンクリーは群衆の心をわしづかみにする能力を見せつけた。 「今日、私は以前より強い誇りを抱いている。我々はあなた方のために戦う。なぜなら、あなた方がそれに値する人々だからだ。そして、あなた方が我々の給料を支払っているからだ」

2018-10-14 12:44:57
Yuki Ohto Puro @mateinappa

「クラブは私の誇りだ」と口にする監督、選手は世界中に数えきれないほどいるだろう。しかし、シャンクリーは本当の意味で、そのように感じていたのだ。彼のピッチ内外での行動は、リバプールへの愛の発露だった。だからこそ、シャンクリーはいつまでもKOPの王なのだ。

2018-10-14 12:48:32