- Kim_Kaphwan11
- 6183
- 33
- 0
- 0
はじめに。
1932年、国際連盟の国際知的協力委員会が、委員会のメンバーであり当時世界一有名な科学者であったアルバート・アインシュタイン博士に、次のような依頼をしました。
『誰でも好きな一人を選んで、今の文明でもっとも大切な問いについて書簡を交換して下さい』
これを受けて、アインシュタインが選んだテーマは『人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?』でした。
相手には、精神分析の創始者にして人間の心に関する研究の第一人者、ジグムント・フロイト博士を指名し、書簡を送りました。
はたしてフロイトの見解は如何に?
私はこの話を以下のブログの記事で知り、非常に興味を引かれました。
↓(リアリズムと防衛ブログ:「ヒトはなぜ戦争をするのか?」アインシュタインとフロイトの往復書簡)
https://riabou.hateblo.jp/entry/20090706/1246875960
最近、実際に本を手に入れて読んでみましたので、その解説や感想をまとめてみました。
しかしこの本・・・私には「ガンダム」に見えてしかたないです。
アインシュタインは「地球連邦」創設を主張するし、フロイトにいたっては「ジオニスト」にしか見えない・・・。
そこで、少しガンダム的な視点も入れてまとめてみました。
今日は本の感想と解説をツイートしたいと思います。 タイトルは「ひとはなぜ戦争をするのか」、著者は物理学者のアインシュタインと、精神分析の創始者フロイトです。 ↓(アマゾン:ひとはなぜ戦争をするのか) ux.nu/FUypK ちょっと長くなりますが、よろしかったらお付き合い下さい。
2018-10-14 19:30:15私はこの本の存在を以下のサイトの記事で知り、大変興味を持ちました。 ↓(リアリズムと防衛ブログ:「ヒトはなぜ戦争をするのか?」アインシュタインとフロイトの往復書簡) riabou.hateblo.jp/entry/20090706… 先日、ようやくこの本を手に入れて読むことが出来ましたので、感想と解説を残したいと思います。
2018-10-14 19:30:16この本は、アインシュタインとフロイトの往復書簡を纏めた本です。 文庫本サイズで110頁ほど(しかも半分は解説)の薄い本ですので、1日で読めるでしょう。 私はまず、20世紀を代表するといってもよい2人の科学者の往復書簡が、なぜあまり知られていないのか興味を持ちました。
2018-10-14 19:30:16本を読んで、その理由の一端がわかったような気がします。 往復書簡と言いながら、1往復だけ(アインシュタイン→フロイト、フロイト→アインシュタイン)で終わってしまって、議論が深まらなかったからだと私には思えます。
2018-10-14 19:30:16そうなったのには理由があります。 2人とも、それどころでは無くなってしまったからです。 2人の略歴と、2人に多大な影響を与えてしまったナチスドイツ総統「ヒトラー」の略歴、さらに世界の主な出来事を年表に纏めてみました。 画像を参照して下さい。(細かくてすみません) pic.twitter.com/TLTPiSffF9
2018-10-14 19:30:17この往復書簡が交わされたのは1932年で、ドイツではナチス党が急伸し議会で第1党になった年でした。 そして翌1933年、ヒトラーが首相に指名されナチス政権が誕生します。 するとユダヤ系のアインシュタインは迫害され、アメリカに亡命を余儀なくされました。
2018-10-14 19:30:17同じくユダヤ系のフロイトも迫害され、ドイツで精神分析関連の書物が発禁となり、焚書されました。 フロイトは自らの著書が焚書されたのを受けて、「たいした“進歩”だ、中世なら彼らは私自身を燃やしたことだろう、この時代の連中は本を焼くだけで満足してれくる」と皮肉ったそうです。
2018-10-14 19:30:181938年には、フロイトの住むオーストリアがナチスドイツに併合され、フロイトもイギリスに亡命を余儀なくされました。 そして翌1939年、亡命先のイギリスで死亡。 こうして、「人類は戦争を克服できるか?」という壮大なテーマの往復書簡は未完に終わりました・・・。
2018-10-14 19:30:18ここから改めて、本の感想と解説に移りたいと思います。 まずは著者の紹介から。 2人の著者、アインシュタインとフロイトの紹介は画像を参照して下さい。 pic.twitter.com/gOQkZ0J6G2
2018-10-14 19:34:12次に、この書簡が交わされた背景を少し解説します。 1932年、国際連盟の国際知的協力委員会が、メンバーであり当時世界一有名な科学者であったアインシュタインに次のような依頼をしました。 『誰でも好きな一人を選んで、今の文明でもっとも大切な問いについて書簡を交換して下さい』
2018-10-14 19:34:13これを受けて、アインシュタインが選んだテーマは『人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?』でした。 相手には精神分析の創始者にして、当時人間の心に関する研究の第一人者だったフロイトを指名し、書簡を送りました。
2018-10-14 19:34:13ここで「国際知的協力委員会」について少し。 この委員会は、現在の「ユネスコ」の前身となった機関で、アインシュタインやキュリー夫人、フランスの哲学者ベルグソンなど著名な学者がメンバーでした。 日本の新渡戸稲造(5千円札の肖像の人)も事務局に居たそうです。 ↓ mext.go.jp/unesco/003/002…
2018-10-14 19:34:14当時は、イタリアではムッソリーニ率いるファシスト党が政権を握り、ドイツでもヒトラーのナチス党が急伸し、きな臭さを増していた時代でした。 この流れをなんとか止めるために、アインシュタインにこのような壮大なテーマの書簡を依頼したのかもしれませんね・・・。
2018-10-14 19:34:14しかしこの往復書簡、読めば読むほど私には「ガンダム」に見えてしましいます。 アインシュタインは「地球連邦」創設を主張するし、フロイトにいたっては「ジオニスト」にしか見えない・・・。 そこで、少しガンダム的な視点も入れて感想を書いてみます。
2018-10-14 19:34:14この往復書簡は、アインシュタインからフロイトに質問を投げかけ、フロイトがそれに答える形で行われています。 アインシュタインからフロイトに書いた書簡の内容は、以下の2点でした。 ①人類を戦争から救い出す方法はあるか? ②人間の心を、憎悪と破壊に冒されないようにすることは可能か?
2018-10-14 19:37:18アインシュタインは「①人類を戦争から救い出す方法はあるか?」に対して「国際的な裁判を行う機関を設立し、国際問題を解決する」方法を提案しています。 また、そのような機関を設立するためには「各国が主権の一部を完全に放棄して、国際機関にゆだねなければならない」と主張します。
2018-10-14 19:37:18