青春の1ページ・Ⅰ Ⅱ Ⅲ

rin @5ty_r

「亮ちゃんは誰かのモノマネできないわけ？」「できないしできてもやらへん」「じゃあ私亮ちゃんのモノマネやろうか？」「お前余裕そうやけど一限英語のの課題やったん？昨日の夜やってへんー！って騒ぎ散らかしてたやんか」、、？ん？夜そんな話しした？いやまあ確かにやってないけど、、、(おい)

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頭にも顔にもハテナを浮かべてると亮ちゃんがニコニコ笑顔のまま小さい声で「後ろ、おる、任せろ」って言うからやっと飲み込めた。「あ、ああ！やってるわけないじゃん！」「そやんなあ？昨日電話の声めっちゃ眠そうやったもんな（笑）」やばいなんかこれすっごいドキドキする！スリル満点！！

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「寝ぼけてなかった？」「途中一瞬寝たやん？なんかむにゃむにゃ言ってたで」「待ってガチ？」「嘘」「亮ちゃん💢」「え、昨日亮って呼ぶって約束したやんか、もう忘れたん？」ねえ亮ちゃんすごくない？めちゃめちゃいつも通りの国宝みたいな顔でサラッと言ってるけどこれ一から百まで全部嘘だよ？？

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ここまでいくと彼は常日頃から嘘を吐いて生きてるんじゃないかと、、思ってしまう、、息をするように嘘を、、、、イケメンだから、、(偏見)「やっぱ恥ずかしいって！」「俺らの仲やんか〜」とここでチャイムが鳴って、結局マジで課題をやらないまま一限が始まる。〜死〜

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いつもね、まあいつも私は課題をやってこないんですけど。だいたい朝すばるくんのところに行って教えてもらうか、そうじゃなかったら当てられた時すがる思いで見ると、すばるくんは全部わかったようにこっちを見てて、選択問題だから答えの番号教えてくれる私の彼氏めっちゃかっこよくない、、、？

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今日も案の定当てられてすばるくんの方見ようとすると横からそっと亮ちゃんが「4」ってノールックで告げてきて！！いやすごいかっこいいけど！怖すぎて顔あげられないけどすばるくんの方から視線感じるし…！「4のunappealing です」授業は乗り切ったけど、作戦としてはうまくいってるけど…！！

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「ねえ亮ちゃん、やりすぎじゃない？」「え？そう？なんか俺もう楽しいんやけど」「はあ？」なんでこいつこの状況楽しんでんだと思ったら遠くからカレーパンの匂いとともに愉快な声が。「りょおちゃーあん！と◯◯！近すぎやってえ！！あ、すばるくんおはよう」『…はよ』空気読めない奴キター！！！！

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私と亮ちゃんの席まで来るともぐもぐしながら「なんでその楽しそうな作戦俺も混ぜてくれないん？」ってふてくされてる。「おのれ錦戸…」「ごめんって！一人で怒られるの嫌やったの！」「え？俺道ずれ要員なん？！」ワーワーガヤガヤやってると、すばるくんから着信が。教室見渡してもいないし、、、

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とりあえず、人目のつかない廊下の端に行って応答をタップ。「もしもし…？」『お前今どこおるん』「廊下、誰もいないよ」『ほーん…』「…』「……」え？なにこの沈黙、え？「す、すばるくんは？どこ？教室にいなかったけど…え！！！まさか帰るの？！早退？体調悪いならしょうがないけどサボりは…」

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『うっさいねんアホ、外階段におるわ』「あ、そっか…」なんか上手く話せない、後ろめたさがあるからなのかな？あれもこれも亮ちゃんの演技が上手すぎるのとやりすぎてるののせいなんだけど💢向こうからはーって大きなため息が聞こえて何かを言いかけたのと同時に「◯◯〜」って亮ちゃんが呼びに来て。

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「先生がなんか呼んでたで？」「え、ほんと？」「うーんどうやろなあ（笑）」これは嘘の顔だ、やっぱりこいつは息をするように嘘を吐くホストタイプだ(偏見)『◯◯、』電話口からすばるくんが私の名前を呼ぶんだけど妙に機械っぽさが抜けてリアルで、大修羅場なのでは😭ここまできたら別れるパターン😭

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覚悟してぎゅっと目を瞑ったら後ろから思いっきり引き寄せられて、華奢に見える見た目より本当はずっとしっかりしてる腕の中。顔なんか見なくてもわかる、この腕も胸板も匂いも「すばるく…」『亮、わかってるやんな？』怒ってる…？なんかもう恐怖以上の感情が湧いてくる声、どうしよ

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「ほらー、言うたやんか！愛されてるって！ごめんなすばるくん俺は悪くないで！お仕置きなら可愛い彼女にみっちりと！！」サササッと逃げてった、、なんだあいつ、、「えっと、えー、その」『授業始まるけど次先生おらんから自習やねん』「は、はあ」ここは人目のつかない廊下、目の前にある階段は

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もちろん埃かぶってて使われてないわけで、うちの学校は4階まであるわけで、管理棟の4階なんてなんたら準備室しかなくて。無言で歩いてくすばるくんについていく。生徒棟とも少し離れてるからなにも音がしなくて、世界には私たちだけなんじゃないかって勘違いしそうになる。

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屋上は出られないから、ドア一つ挟んで学校で一番空に近い場所に横並びに座る。『お前亮とデキてるん？』「ちがう」『昨日電話した？』「してない」『…見して』言われた通りにLINEの履歴を見せると【とりあえず私に合わせる方向で】【了解 上手くいったらなんかおごってな】『…なにこれ』

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かくかくしかじか、説明すると『はー…いや、俺悪いけど、な？亮に頼むことないやんけ』「亮ちゃんしかいなかった」『あいつ男前やろ？』「まあ」『俺朝からむっちゃ焦っててん、斗真殴りそうになったわ』「生田くんとばっちりもいいとこだし、すばるくんの方が…かっこいいし……」『もっかい言うて』

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「すばるくんが一番かっこいい！」『おん』「好き！」『そんで？』「ごめん…」『よくできました』なぜ彼のペースに流されて私は謝ってるんだろう。意味わかんないな？？『嫉妬させようなんて100年早い』「したくせに」『うるさいなあ、、ここでヤったろか？』「サイッテー！！！！」(end)

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小学校からの幼馴染のしんちゃんは高校に入ってからモテだしてサッカー部でもエースになって、どんどん遠く感じちゃうのね。そしたら急に夜電話が入ってきた初夏のお話 #エイトで妄想

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ベッドの上て寝っ転がりながらYouTube見て呑気に歌ってたら急に画面が切り替わって、理解するまでに数秒。しんちゃんから電話とか珍しくない？仲良くはしてるけど電話なんて滅多にない、出たい気持ちとなんだかモヤモヤする気持ちが絡まってしばらく画面を見つめてたら4コール目の途中で切れちゃったの

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あら、、無視したみたいになっちゃった、、、いやまあ本人はそう思ってないかもだけど罪悪感。やっぱ悪いなと思って急いで掛け直す。『あ、もしもしぃ？今平気やった？』「うん、ごめんね取れなくて」『ええよ、大丈夫！』「で、どうした？」『おん、ちょっと相談があって』

rin @5ty_r

あのしんちゃんが相談なんて、これまた珍しいからきっと重大なことなんだろうなってのはわかる。幼馴染だし、何より、好きだから。一番近くで見てきたつもりだもん。「私でよければ聞きますが」『…ありがとう、あんな、』＂好きな子がおるんやけど＂世界で一番聞きたくなかった言葉かもしれない。

rin @5ty_r

「おめでとう、、でいいの？」『それがさあ微妙やねん』なんだよ微妙って！！こちとらお前のその発言で死ぬほど傷ついてますけど！！！「彼氏持ちなの？」『ちゃうけど、好きな奴おるらしい』「はあ」『そいつヤスと仲ええんやけどヤス情報やからもう確実…』聞いたことないくらい弱々しい声。

rin @5ty_r

くっそムカつくなんだこれ。私が小1からもう11年ちょっともひたすら抱えてきたこの気持ちを伝える前にぶっ壊されたし、誰だよその女。今まで自信満々のしんちゃんばっかり見てきたのに、蚊の鳴く声みたいに一瞬で消えそうなほどか細い。ヤダヤダなんなの。『◯◯？』「ああ、うん」

rin @5ty_r

『ヤスもやけど、やっぱお前の方が頼りになるやんか？』「…」『協力してもらえませんか…？』すんごい真剣そう。断りたいのに、「しょうがないなあもう！ダブルチーズバーガー5回おごってね！」とか明るく言う私が一番嫌い。いいんだ、これでいい。なにもないよりずっといい。

rin @5ty_r

しんちゃんがその子とうまくいってもきっと私はキューピッドとして感謝され続けるし、どうなっても幼馴染って関係は変わらない。“平行線”って言葉がぴったりなの。この想いが叶わないなら、せめて、幼馴染としてたまに近くで笑わせてほしい。それでいい。