青春の1ページ・Ⅰ Ⅱ Ⅲ

高校生モノ短編シリーズ
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rin @5ty_r

「誰かは教えてくれないわけ?」『秘密や!そういう目で見られるの嫌やし。お前顔に出やすいからなあ(笑)』「まあいいけど、とりあえず今日はもう眠いから寝るね?おやすみ」『おやすみ』電話を切って、寝られるわけもなく。「もしもし?どしたん急に」電話の向こうの優しい声に涙が止まらなくなる

2018-06-13 19:00:08
rin @5ty_r

「うっ、やす、…」「わかってるよ、喋らんでええから。俺はなにも言わないから思ってること全部言ってええよ?」こんな優しい人世界中走り回っても見つからない気がする。優しさの塊。それから30分くらい泣き続けて、しんちゃんとの思い出やら文句やら、でもやっぱり好きだってことを話し続けた

2018-06-13 20:10:56
rin @5ty_r

目が腫れるんじゃないかってくらい泣いて、案の定今にも二重が潰れそうなくらい思い目をこすりながら登校。しんちゃんは朝練があるから同じ電車になることはない、よかった。っていってもどうせ学校で会うんだろうなあ、、クラスは違うのによくヤスに会いにくるのは相談してるからだったのかな?

2018-06-13 20:13:38
rin @5ty_r

「◯◯、おはよ!」「おはよ、、」「あんだけ泣いたもんな、そりゃ腫れるわなあ」「もうやだぁ…」「とりあえずがんばろ、な?」ぼーっと午前中を過ごして今日はお昼ヤスに誘われたから一緒に外で食べようと思ったらまさかのしんちゃん登場。『俺も一緒に食うていい?』「ダメ」『なんで??!!?!』

2018-06-13 22:55:26
rin @5ty_r

「ダメだからダメ!」『なんでや!ええやんか!』「ヤスと二人がいいの!!」いつもの言い合いのテンションじゃなくてもはや泣きそうな私と、最後の言葉を聞いてから急に黙るしんちゃん。「も〜二人ともなに?やめてぇや!俺そんなモテても困る」『「好きじゃない!!」』「ほら、仲良しなんやから!」

2018-06-13 22:57:51
rin @5ty_r

結局ヤスに丸め込まれて3人で体育館横でお弁当を広げる。『なんかお前今日変やない?顔』「あ゛?💢」「昨日映画見て泣いて目腫れたんやったっけ?」本当に天使だ、ナイスフォローすぎる。『ほーん』「悲しい恋愛もの見たんだよね」『へえ』「興味なさすぎじゃない?恋すると思考止まるるわけ?」

2018-06-13 23:00:52
rin @5ty_r

「なんですぐ喧嘩しちゃうんかなあ…」ってヤスに呆れられ。せっかく大好きなオムライスだったのに苦しくて味がしなかった。こんな日でもしんちゃんはかっこよくて、好きで、あーーーもう!「5限の課題終わってないから先教室行ってるね!」「はーい」『ちゃんとやれ〜』まあ嘘なんですけど。

2018-06-13 23:56:13
rin @5ty_r

(私がいなくなった後の二人) 「しんちゃん😡」『ごめんって〜…どうしたらええかわからへんねんもん!アイツの好きな奴教えてくれって!』「そんなん自分で聞かんと、っていうかちゃんと正面からぶつかって!」『もう心折れそうやわ』「弱い」『何年片想いしてると思ってんねん…アイツも気づけ💢』

2018-06-13 23:58:47
rin @5ty_r

それからというもの話しかけるきっかけだの距離縮めるきっかけだの相談されて、心が麻痺してきた。つらくないつらくない、感情なんて何万キロも前に捨ててきた。みたいな。うまくいってるの?って聞いても分からへんとしか返ってこないし、でもやっぱり本気で好きそうだし

2018-06-14 00:01:11
rin @5ty_r

サッカー部は順調に勝ち進んで、明後日は準決勝。しんちゃんとかそのほかのイケメン目当てでたっくさんの女子が試合見にきてるから、その子が来ててもおかしくない。まあ何かと理由つけて私も行くんだけどね?しんちゃんの目線とかで誰かわかったら生きてけねえなもう、、とか思ってたら久しぶりに着信

2018-06-14 00:03:53
rin @5ty_r

『もしもし?』「どうしたの」『お前明日ヒマやろ?』は?💢なんで決定してんだよ暇だけど💢「うん」『可哀想やな』「うん」『花火見に行こうや』「うん」『ほんま?』「…え?まってなに?」『は?』「え?」は……???『やから、俺と花火見に行きませんか?って言うたんやけど』

2018-06-14 00:09:01
rin @5ty_r

まってまってはーーーーいまって!!深呼吸!!!!意味わかんないな??!?!!「好きな子いるんでしょ??!?!その子と行け??!」『ええやんか、明日はお前と行きたいねん』やだって言っても“じゃあ6時に迎えに行くから!”って言って勝手に電話切りやがった。

2018-06-14 00:11:33
rin @5ty_r

翌日。結局女の子な私はいつも以上に気合を入れて準備しちゃうわけでして。『浴衣着てるかと思った』「歩きずらいもん」『ほな行こか』私は11年間ずっとこうやってしんちゃんのたくましい背中を見て、時には隣に並んで一緒に歩いてきたのに。彼女できたらこんなこともなくなるんだよなあ

2018-06-14 00:14:54
rin @5ty_r

側から見ればカップルに見えてるのかな?悲しさ、虚しさ、いろんな感情が込み上げてきて泣きそうになる。ダメだって思えば思うほど視界がにじんでくる。しんちゃんにバレないように下を向いたのに丁度一発目の花火の明かりに照らされて、顔を上げると真剣な目でこっちを見てるしんちゃんがいた。

2018-06-14 00:18:10
rin @5ty_r

『なんで泣いてるん』「はな…」『はな?』「花火が綺麗で…」『バレバレのうそつくなや』「ごめん」『俺な、お前に泣いてほしくないねん』なんでそんなこと言うかな、勘違いしちゃうよ。『俺の見えへんとこで泣いてほしくない、うん。』「な、んで…いいじゃん別に『よくない!』

2018-06-14 00:21:33
rin @5ty_r

『よくないって…』なんでそんな切ない顔するの、その顔したいのこっちなんですけど。『お前、ほんまに?』「何が?」『っあーもう!!』頭をガシガシ掻きながらブンブン振って、一回深呼吸した後にこっちに向き直る。『俺、ずっとお前のこと好きやのに、気づいてくれへん』

2018-06-14 00:23:31
rin @5ty_r

「え?ええ……」全然わからない、数学より理解できない。「しんちゃんが私を好き?ずっと?」『おん』「いやいやいや!」『否定すんなや!』「いやね?その逆ならわかるよ?だって実際私ずっとしんちゃんのこと好きだしそのせいで何年も悩まされて華のJKでも彼氏できないし」『は?』「..?....?!」

2018-06-14 00:27:21
rin @5ty_r

『お前、ほんまか?』やっば!!!勢いで言っちゃった?今口走ったよね私、え、どうする?走って逃げる??!『まて、逃さへんよ』後ずさりしようとした私の腕を素早く掴んで、いつのまにか普段通り、自信満々 のしんちゃんが。「…」『とにかく、俺はお前が好きやから。付き合ってもらえませんか?』

2018-06-14 00:30:06
rin @5ty_r

「本当?」『嘘なんかつかへん』「うそ…」『嘘やないって💢で?お前はどうなん?』もう完全に試合に勝った顔して聞いてくる。ムカつくけど、悔しいくらいそんなしんちゃんが「すき、大好き」この後ヤスくんに報告電話して、明日の試合で大活躍するしんちゃんを夢見ながら眠りにつくの。(end)

2018-06-14 00:33:53