「横山先輩どうぞ〜」《あ、ありがとうな○○ちゃん》なんて渡したドリンクを受け取りながらTシャツをめくって汗を拭くバスケ部キャプテンの横山先輩。とマネージャーの私。密かに横山先輩に恋心を抱く高2の私にとって一緒に居られるのはあと1年だけ。#エイトで妄想
2018-09-04 23:47:34いつも居残り練習をしてる横山先輩を" マネージャーですから"なんて理由を付けて一緒に残ってる私。《んでな、滑るでゆーてんのに、思っきりこけとんねん笑、あほやろ笑》「...ふふ、可愛い方ですね」今横山先輩がしている話は、先輩の好きな人の話。
2018-09-04 23:47:57先輩と同じ学年の百合さんってゆう人なんだけど。すっごい可愛くて、綺麗な人。とても勝ち目なんかなくて。でもやっぱり好きな人の好きな人の話なんか聞きたくないからふふって相槌を打つしか出来なくて。それでも聞き続けるのは、先輩の横に居られなくなるよりはまだ少しだけましだと思ったから。
2018-09-04 23:48:55そんなこんなで、百合さんのことをアホとか言いながら嬉しそうに話す先輩すら、愛おしいって思えちゃうんだよね、なぜか。《あ、もう外真っ暗やん。送っていくわ、○○ちゃん》「え、いいですよ、私が勝手に残ってるだけなんで」《俺が嫌やもん、ほらはよ片付けしよ》なんて優しいところも、大好きで。
2018-09-04 23:49:47「おつかれさまでした。」《ん、じゃあな〜また明日。おつかれさん。》なんて言いながら頭をぽんぽんして帰っていく横山先輩。ほら、好きな人の話をあんな嬉しそうにするくせに、「...ずるいよ、」どんどん好きになっていくじゃんか。ばか。#エイトで妄想
2018-09-04 23:50:32" 12位 "そんな数字が頭を支配してる。今日の朝の占いが12位だった私は占いをがっつり信じる派の人間だから。「うぅーーー」なんだか、悪いことが起きそうな予感。そんな気持ちで学校に行った。#エイトで妄想
2018-09-05 07:20:31そして迎えた放課後。いつも通り先輩の居残り練習の合間の休憩で喋ってると《あんなあ、○○ちゃん聞いて》なんて言ってくるから「どうしました?」って聞くと、すっごい恥ずかしそうに、でも嬉しそうに顔を赤くして照れながら《...百合と付き合うことなってん、》ああ、12位当たってんじゃん。
2018-09-05 07:21:06「...、そ、そうなんですか!!やったじゃないですか!先輩!!」顔、引きつってないかな。ちゃんと笑えてるよね、私。《うん、ありがとうな、色々相談乗ってくれて》なんてまた頭ぽんぽんするから。「いえ、そんな、あ、えっと、用事あるので今日は帰りますね」 これ以上ここにいたら泣いてしまうから
2018-09-05 14:38:15《お!じゃあな!気つけてな〜》なんて後ろの方で先輩が言ってくれてるけど、無視して足だけを進める。「ふ、バカだよね、ほんと、」なんて泣きながら下駄箱に向かうと、『何泣いてんすか、○○さん』「え、大倉くん、なんで」下駄箱に座り込んで私をのぞき込んでたのは同じバスケ部1年生の大倉くん。
2018-09-05 19:16:24「こんな時間まで何してるの...?」『いや、居残りしてて。そしたら奥から○○さん泣きながら歩いてくるからさ。もしかしてさ...横山くんに失恋、した?』「はっ、!?」『やっぱり。○○さん横山くんのこと好きなんばればれやで?笑』なんていきなり言ってくる大倉くん。#エイトで妄想
2018-09-05 19:18:26『相手百合さんやろ?3年の。横山くん百合さんのことめっちゃ好きやからな〜』なんて1人でべらべら喋ってるけど。え?なに?慰めてくれてると思ったら、ばかにしてるの?こいつ。なんて思ったら失恋したショックよりなんかイライラしてきて。「なんなの、」って聞くと『...俺にしとく?』、、は?
2018-09-05 19:19:02いやいやいや、何言ってんのこの男。「いや、なにゆってんの、」『...ってゆうのはうそっすけどね。じゃ、さよなら、○○さん。』なんて手を振りながら帰っていく大倉くん。もう悲しみより大倉くんで支配されてる頭の中。でも俺にしとく?って言った時の大倉くんの顔、忘れられないのは 「なんで、」
2018-09-05 20:48:25怒涛の日から1週間後。居残り練習に付き合わなくなった私。でも、ひとつ変わったことといえば『帰ろー』大倉くんと一緒に帰るようになったこと。「なんか、涼しくなってきたね」『暑いんも嫌やけど寒いのも嫌やわー』「そんなのもうどこにも住めないじゃん」なんてくだらない会話をして歩く帰り道。
2018-09-05 20:49:12「じゃあね、また明日。大倉くん。」『ばいばい〜』なんて当たり前のように家まで送ってくれる大倉くん。家に着いてごろん、とベットに寝転ぶとピコン、と光る携帯の通知。【大倉くん:明日の夜、ファミレスでご飯食べて帰ろ】【私:いいよ】っと。【大倉くん:ん、おやすみ】【私:おやすみ】
2018-09-05 23:37:38なんてやり取りも日課になっていった。ここ最近でわかったことは大倉くんは意外と紳士だってこと。さりげなく車道側歩いてくれるし、当たり前のように家まで送ってくれるし、電話もよくしてくれる。なんだかんだ大倉くんで頭がいっぱい。...横山先輩の事、ちゃんと忘れられてる、私、#エイトで妄想
2018-09-05 23:38:40って油断してたのが悪かった。【大倉くん:ごめんまたなんか居残りあるってー。ちょっとまってて】なんてLINEが来てた放課後。下駄箱の前で大倉くんを待っていると、《あほかお前、笑》聞き慣れた、大好きだった声が聞こえた。
2018-09-05 23:39:30私の目の前にいたのは、百合さんと手を繋いで笑ってる横山先輩。とっさに下駄箱に隠れるけど、頭にそのシーンが焼き付いてて。嬉しそうな横山先輩の横顔が浮かんできては、「...っ、ん」止まらない涙。下駄箱に座り込んで何やってんだ私。って思ったその時「っえ、」後ろから誰かに抱きしめられた。
2018-09-06 07:13:31『...もうちょっとで横山くん達、下駄箱から出ていくからちょっと我慢してな』なんて小声で言いながら背中を一定のリズムで叩いてくれる大倉くん。『...よし、いいひんくなった。ごめん、来るんおそなって』なんて言いながら座り込んでる私の正面に回って抱きしめ直してくれる大倉くん。#エイトで妄想
2018-09-06 13:29:39年下に抱きしめられながら何泣いてんだ私、って思いつつも大倉くんの包容力に安心してまた止まらなくなる涙。「っ、っ...ん、も、う、」『ん?』バスケでシュートを決める先輩。時々喋る時噛む先輩。照れたら耳まで真っ赤になる先輩。...百合さんのことを大事そうに話す先輩。どんな先輩も、大好きで。
2018-09-06 16:01:49マネージャーとしてだったとしても、誰よりも近くで、いろんな先輩を見てきて。どんな先輩でも愛おしくて、大好きで。だからこそ、簡単に忘れられるわけ、なかったんだ。「こん、な、思いするぐらいな、らっ、」『...うん』「もう、恋なんて、しないっ、っ、...」 #エイトで妄想
2018-09-06 16:02:05いつも、だめ、先輩だけはだめだ、好きなんかなったら、だめ。百合さんになんか勝てないんだから。って思い続けてきたけれど、結局好きになってしまった私が、初めて吐いた弱音。1人の時ですら、口に出したことはなかった。それを黙って背中をぽんぽんしながら聞いてくれる大倉くん。『...なぁ、』
2018-09-06 16:02:34『そのままでいいし聞いてて。俺の好きな人の話。』それ普通失恋した人の前で話す?と思いつつもこく、と頷く私。『なんでもすっごい頑張る人で、でもそのくせ弱ってるとこ絶対見せへん人やってんな。そんなとこも含めてめっちゃ好きになってんけど、その人は、ある違う男のことが好きやってな、』
2018-09-06 21:17:07『俺にはその男超えられへんなって思ってたし、応援しててん。でも俺の好きな人な、その人に失恋して、初めて弱ってるとこ見てん。だからうまいこと慰めもできひんくて、結局弱なったとこに漬け込んでんねん、最悪やろ、俺。笑』なんて悲しそうに笑う大倉くん。「おっ、くら、くん、っ」#エイトで妄想
2018-09-06 21:17:58『...、そう。○○のこと。』いつも笑ってて、かっこよくて、時々生意気だけど、頼りがいがある人って思ってたから、こんな悲しそうに笑う大倉くんを見るのは初めてで。『...こんなん、かっこ悪すぎるけど、さ、○○、俺やったらそんな顔させへん、ってゆーたら?』「っえ、?」#エイトで妄想
2018-09-06 21:18:34