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AZURELYTONE第2部008話

Azurelytone第2部 ツィッターに投稿しているイラストを 物語に紡いでいきます。 更新は遅めですが、よろしくお付き合いくださいませ。
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「………………」

「これ……ほんとに貰っていいの?」

「私の声に反応して、いろんな色に変わる…………」

「あっ………ごめんなさい」

「いいよ……私より君の方がうまく使えるようだ」

「見えない事で、「視える」ものが
増えたように感じるよ」

「見てごらん
この街の街灯のほとんどには、
組鐘(カリオン)がある団体によって
設置されているんだ」

オトネは水晶球をポケットにしまい
レヴィンに顔を向けた。
「…………!」
「ほんとだ なんで?」

「さあな………理由は今となってはわからないな………」
「ただ………その僅かな鐘のゆらぎが、私に距離感を与えてくれる」
「おかげで君と散歩も楽しめる」

オトネは顔が紅くなるのを意識したが、幸いにも今のレヴィンには伝わらない事に、不謹慎ながらもほっとした。

「そうだ…………街頭をみててごらん」

パチン

レヴィンが指を鳴らすと、
街灯がささやかに波打つように点灯し、
しばらくすると静かに消えた。

「みえたかい」
「この街の街灯は、一定の音に反応して
光を放つ仕掛けになってるんだ」

「すごいきれい」

オトネはフッと頭に浮かんだ
メロディーを口ずさんでみた。

街灯は、強いきらめきを奏で、
オトネに応えた。
「!」
オトネは、嬉しくてレヴィンを見つめた。

「どうかしたか?」
目の見えていないレヴィンは、
美しい街灯のきらめきに気がつかない。