呟怖と散文　１０

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

神様が私の前に現れた。 「お前の人生終わり」 「いやだ！！」 「歯向かったな、死刑」 私は死んだ。 #呟怖

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少女たちはお菓子を貰いに家々を渡り歩く。去年より貰いが少なかった。それは彼女たちの成長を意味していたが、ストッパーをぶち壊すのにはちょうどよかった。薄暗くなっても訪問をやめない。一番星が出る頃一軒の家に飛び込んだ。主は沢山の高級なお菓子を家で食べて行けと彼女たちを招き入れた #呟怖

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「おかえり、疲れた？さみしかったよぉ〜。ひとりでずっと待ってたんだからねっ。もーう、ヒロくん遅い〜。そんな子にはちゅービームだっ。ちゅっちゅっちゅー」っていう妄想。俺にはまじで聞こえる。 #呟怖

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商店街の先で老人が道に迷っていた。何か紙を見ながらぶつぶつ言っている。時間があったので声をかけることにした。しかし人通りはあるのになんで老人を放っておくのだろう。声をかけようとそばまで行くと、老人が持っている紙切れが見えた。「天国の行き方」という書き出しの細かい文が見えた。 #呟怖

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何度もあなたを殺す。バットで殴り、銃で撃ち、ナイフで刺し、ネクタイで首を絞め、コーヒーに青酸カリを入れる。 何度殺してもあなたは復活する。私の心はあなたを生み出す。 ついに追い詰めて屋上から突き飛ばすと、あなたは私の手を掴む。そして一緒に堕ちていく。 #呟怖

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おばけなんて怖かねーよ。あいつら顔ばっか怖くて近づいてくるだけだし、ちょっとばかしうるさいときもあるけど影みたいなもんだろ。 だがよ、今この部屋でテーブルに飯並べて笑ってる女は誰だ？おまえ、どうやって入ったんだよ。あ、おまえ弁当屋のやつか… #呟怖

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彼女が料理している。「いたっ」と言ったので見てみると、包丁で指を切ったらしい。指をしゃぶったので引き剥がし傷を見る。結構やっちゃったな。水道で洗わせ、その隙に絆創膏を取りに行った。 赤い唇のまま、血の湧き出る傷をじっと見つめる彼女の横顔が、知らない人みたいに見えた。 #呟怖

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ここはどこだ。トンネルを抜けてしばらく行ったら子供の頃少しだけ過ごした街に出た。車から降りて歩くと、カーブの向こうに小学校が見えた。屋上にいる仲良かった子が笑いながら飛び降りた。道端の池に近所の子がいて笑いながら沈んでいった。おいでおいで。おい、まさか俺、死んでないよな #呟怖

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新人の眉毛が気になった。別に濃いとか繋がってるとか言うわけじゃない。出来心というか単に思いつきで妻の眉墨を借りてみた。周囲に若々しいなどと言われ悪い気はしなかった。頬紅をつけたら健康そうになった。ファンデーションを塗ればもっと映えるかも知れない。リップは落ちないタイプがいい #呟怖

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隣の家に宅配が来ているらしいのだが。チャイムが連続で鳴っている。 「やめてぇ！」 なんだなんだ。 「お届けものです、はんこくださ〜い」 ドアを蹴るような音がする。宅配業者か？ スコープを覗いた。いったいどんなやつなんだ。 そいつは猛り狂った局部丸出しで、血の滴る箱を抱えていた。 #呟怖

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真昼の白い光の中にいると、死にたくなる。なんで生きてるのか意味が見いだせなくなって何かが終わるような気がする。みんな忙しそうに脇目も振らず歩いている。どこへ行くんだ？行く場所があるんだな。夕方までぶらついて街灯が灯り始めると缶ビールを煽りながら家路につく。 #呟怖

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その女は雨の中佇んでいた。傘もささずにいいだけ濡れて、まったく動かない。泣いているような気がした。シルバーの車が反対車線に止まり男が一人降りてきた。男は交差点まで歩きそこに花束を置き屈んで手を合わせた。女は泣いていて、ふっと消えていった。雨はまだ上がらない。 #呟怖

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まさかこんな事になるとは。おまえはバランスを崩し階段から落ちて死んでしまった。俺は嫌いだった。癇に障るやつだった。顔を見るといらいらとし、姿を見つけただけで近づいて嫌がらせをした。おまえは死んでも俺をざわつかせる。側に張り付いてそっと笑う。なんで死んじゃったんだよ。 #呟怖

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俺は今地獄に来ている。さっき針のむしろコーナーを勤め上げて今休憩に入ったところだ。疲労後の一服、コーヒーの高い薫りがたまらない。なかなかいい豆を使っている。だが一口啜っても味がしない。そうだこの門をくぐるとき生前付いた嘘のせいで舌を抜かれたんだった。 #呟怖

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彼女の家の周りを浮遊しているととても楽しい。今まで見ることができなかったものが見られる。まるで家族にでもなったようだ。そして後悔が僕を渦巻く。なんで死んじゃったんだろう。それから思い出す。そういえば彼女に振られたんだっけ。それじゃあ生きててもしょうがないや。それの繰り返し #呟怖

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私は不本意ながら介護を受けている。洗濯物を抱えたまま庭先の花壇を仕切ったレンガで躓いて、その拍子に手を付いて骨折、足首もやってしまった。 息子は遠方で所帯を持っているので頼れない、頼りたくもない。 隣の奥さんから聞いて介護センターに頼んだ。職員さんは手厚い。私は寝てばかりいる #呟怖

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毎日手作りなんてすごいねと言われる。世間の主婦なんて結構手抜きなもんだ。私はロボットになりきることにした。来る日も飯を作り、食卓に出す、下げる洗う。作る出す下げる洗う。作る出す下げる洗う。現在では３０分ですべて終わる。競技妨害はやめてくれ。 #呟怖

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いつからこの辺にいるか忘れたけど、この場所に留まっている。みんな通り過ぎていく。たまに誰かが気づいて目線をそらして慌ててる。大丈夫だよ。どうせついて行けやしないから。わたしはずっとここにいるだけ。ただいるだけ。 #呟怖

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

車が横転している。深夜のバイパス道路、誰も通らない。車を降りて様子を見に行く。誰か死んだだろう。中央分離帯に激突したときは物凄い衝撃音だったが今はそれが夢だったかのようにあたりは静まり返っている。車外に女の手が転がっていた。それを拾い上げて車に戻る。遠くでサイレンが聞こえる #呟怖

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

野良犬のように嗅ぎ廻ってなにか腹を満たすモノを探してる。血走った眼をして飢えながら駆けて跳んでお前を見つけた。鼻がもげそうな臭いを撒き散らしそこにいた。探してたんだよ、お前みたいな孤独の影に怯えた辛気臭い野郎を。喰ってやる、痛みも慟哭も飲み下して俺の一晩の腹の足しになれ。 #呟怖

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

孫を探しているんです。そうその老人は言って、観覧車に乗り込んでいった。俺と彼女は老人の後に乗ったがゴンドラ内の老人は窓の外を覗くでもなく静かに座っていた。それからは老人を見なかった。 帰りの駅のホームであの老人に出くわした。孫を探しているんです。彼女は少し険しい顔をしていた #呟怖

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

頭が痛い。昨夜は飲みすぎた。体もだるい、そうだ昨日は女としけこんだんだった。なかなか良い女だったような気がする。正直に言うといい体だった、ような気がする。かなり肉に溺れた記憶がある。シャワーの音が止んでマツコが出てきた。これは溺れるわな… #呟怖

晴れ時々雨 @rio11ruiagent

今日は用事があるといった。やっぱり日曜日は家族と出かけるといった。かわいいといった。嫌いじゃないといった。その子誰だよ。騙したな。わたしをその気にさせといて、嘘をついたな。許さないから。絶対に許さないから。 #呟怖

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人が死ぬということをリアルに感じたのは母が亡くなったときだ。 息を引き取る瞬間を見て、その凄絶さにある意味感動を覚えた。そしてあとでどんな感じだったか聞こうと思って不意にもう母には何も聞けないんだとわかった。 そうか、こういうことかと。 #呟怖

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『君におやすみが言いたくて』 君に毎日おやすみって言いたい 僕のほうが早く帰るから 疲れた君を待っていてあげたい 雨でも雪でも平気だよ あ、今部屋の電気が消えた おやすみ、また明日ね 一人の帰り道、僕はスキップする #呟怖