将太の同人

かにをくうひと @Scatter__

「ぐ……むう……！」 「そんなネタでそんな本を描くなんて……やるじゃねえか少年ーっ！」 「俺にもその本読ませてくれーっ！！」 「地方の俺にもBoothで通販してくれよーっ！！」 「すごい……すごいよ将太君……！」 「それでは……結果発表に移ります！」

かにをくうひと @Scatter__

「王道のイチャラブセックスフルカラー本が勝つか……邪道のメカクレふたなりガングロボテ腹アマゾネス本が勝つか……！」 「勝敗の行方は……どっちだ！？」 「……勝者は…………関口将太君です！！」 「や……やったァ！！」 「やったぜ将太君！！」 「あの坊ンズ……本当にやりやがった！！」

かにをくうひと @Scatter__

「ちょっと待ったぁ！！納得行かねえな！どうしてその坊ンズの本が勝ちで俺の方が負けなんだ！？俺の本は王道も王道！何もかも原作の描写を汲み取って描かれてんだ！負ける道理は無いはずだぜ！」 「ふむ……果たしてそうかな？」 「何……！？」

かにをくうひと @Scatter__

「君の本の2ページ目3コマ目を見てみるといい……それが君の本が関口君の本に負けた理由だよ」 「2ページ目……！？導入も導入じゃねえか！それに……。……へっ！やっぱりだ！デッサンにも台詞にも狂いはねえ！完璧な仕上がりだ！」 「いや……もっとよく見てみるといい」 「何？ 一体何が……！？」

かにをくうひと @Scatter__

「あ……！」 「ああ……！あの台詞……！」 「二人称だ！ 二人称が原作と違ってる！！」 「そう！この本は3話と4話の空白期間を描いたもの！この段階ではこの二人はまだ名前ではなく苗字で呼び合っているんだ！！」 「し……しまった……！この本ではメインキャラでは無いから見落としていた……！」

かにをくうひと @Scatter__

「そう…！このたった一か所の間違いが全体の読み味に不和を与えているんだ！これが原作と遠くかけ離れた本であれば受け流せたであろう…だが将太君の本と比較するという状況…そして君自身の作風からすれば…決してしてはならないミスだったんだ！」 「く…！俺としたことが…！！」

かにをくうひと @Scatter__

「君の本も確かに素晴らしかった！だが読者のことを考えつつも原作を愛し…そして自分の好きなものを思い切り描くという将太くんの同人活動の理念の体現と…ほんのわずかな心配りが勝敗を分けたのだ！」 「ぐ…ぐぅ…！」 （親方の言った同人誌の意味…こういうことだったんだ！） 「うむ…！」

かにをくうひと @Scatter__

「負けたぜ坊ンズ…俺も帰ったらマシュマロで長文感想送らせてもらうぜ」 「はい…！僕もあなたのこの本…大事に使わせてもらいます！」 「やった…やったね将太君！」 「うん…！これからもっと修行してこの僕の本を…『将太の同人』を…たくさんの人に読んで貰うんだ！！」

かにをくうひと @Scatter__

最初にマシュマロに感想送ってきたのは佐治さんです。ありがとうございました。

かにをくうひと @Scatter__

将太の寿司で使われているのは三点リーダーでなく二点リーダーであるとのご指摘をいただきました。目先のことに気を取られて本当に大切な素材のことを見落とすなんて‥‥僕は‥馬鹿だ‥‥！