@QB0 のまどか☆マギカからその他セカイ系アニメの考察

内容未読でトゥギャり。@関係もあとでまとめたい。眠いのでこれだけ。
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キュゥべえ @QB0

エヴァンゲリオンの前作品には、機動戦士ガンダムがある。これも当時、大ブームになった作品だね。ガンダムの題材も実はかなり東洋的な部分があるんだけれど、ニュータイプ同士の感応とか、逆襲のシャアのラストを見ればわかるんじゃないかな。

2011-04-28 01:48:34
キュゥべえ @QB0

だから、久しぶりに本格的に精神的な部分と本格的なロボットアニメを組み合わせたエヴァンゲリオンへの期待は大きかった。奈須きのこさんや、虚淵玄さんも、当時のエヴァのことを語っているけれど、それだけ大きな意味合いのある作品だったんだよ。

2011-04-28 01:49:49
キュゥべえ @QB0

ところが、エヴァはラストで大きな問題をやらかしてしまった。そういってもいいんじゃないかな。物語の壮大な部分を結局まとめることなく、最後は碇シンジが自分の頭の中で作った世界で、自分でも居場所が作れると希望を持ったところで終わってしまったからね。視聴者はもちろん置いてきぼりだよ。

2011-04-28 01:52:17
キュゥべえ @QB0

そして、「エヴァの本当の完結編は劇場版でやる」というから、これもすごいブームになった。ところが、劇場版の評価も実はあまりよくなかったんだ。結局最後はセカイ系のもっとも単純な部分で、碇シンジが人間同士がそれぞれに独立して存在するということを受け入れて終わってしまったからね。

2011-04-28 01:54:40
キュゥべえ @QB0

だから仕方なく、視聴者は自分たちの中で考察して、エヴァという作品がどういうものだったのか受け入れるしかなかった。だから、今もエヴァに関しては「あれはもういい」と「今の劇場版で今度こそしっかりした結末が見たい」という人はかなり分かれているみたいだね。

2011-04-28 01:56:22
キュゥべえ @QB0

もしも、あのときに今みたいなインターネット環境があれば、この考察もかなりまとまったものになったと思うよ。でも、当時は「エヴァンゲリオンの考察」のような本や「ウルトラマンとエヴァンゲリオンで終末思想がわかる」という本を書く人たちがいて、段々周囲で盛り上がっていってしまったんだ。

2011-04-28 01:57:42
キュゥべえ @QB0

さて、エヴァはそういう感じで一段落ついたんだけれど、これだけのヒットになってしまうと他の製作者やアニメ関係者もエヴァの影響を排除することはできないからね。「エヴァ系」という言葉ができるほど、エヴァンゲリオンの視点を別の方から見ようとする作品が続いたんだ。

2011-04-28 01:59:26
キュゥべえ @QB0

それが「セカイ系」というのが今にいたるまで続いている大きな理由だと、ボクは思っているよ。

2011-04-28 02:00:21
キュゥべえ @QB0

その結果はでも、主人公の選択も大きく二つに分けられてしまうことになった。一つは、主人公があくまでも自分という存在にこだわって世界を変える力を得たとしても、その機会を否定するという方向、もう一つが、それを受け入れて世界を変革してよりよい世界を作ってしまうというものだね。

2011-04-28 02:02:11
キュゥべえ @QB0

結論から見れば、テレビ版のラーゼフォンの主人公は自分にとって大事な人が一番幸せである未来を作ったし、蒼穹のファフナーの主人公はフェストゥムとの同化を拒むことで自分たちの世界を守り抜いたんだ。

2011-04-28 02:04:14
キュゥべえ @QB0

ルルーシュは神を殺すことによって世界の理を拒否することを選んだし、ハルヒはキョンの説得で結局今のままの世界に不満はあっても残ることを選んだ。まどかはキミたちが見たとおり、自分が世界を変えることでそれまでとは違う法則、概念の宇宙を創りだしてしまったんだ。

2011-04-28 02:06:29
キュゥべえ @QB0

けれど、これをどれも必ずしも決定的なものにはなり得ないんだ。おそらくはこれからも「セカイ系」の作品が作られ続けられていくだろうけれど、この二つのどちらでもない結末を出せる作品があったとしたら、それは間違いなく次の時代への問いかけになる作品になるんじゃないかとボクは思うよ

2011-04-28 02:08:56
キュゥべえ @QB0

それに、ここまでいえばセカイ系にはもう一つ大きなキーワードがあるのに気づいたんじゃないかな? それは、物語の根幹に関わる敵、あるいはシステムそのものが人間の存在に深く関わっているものばかりだってことなんだよ。

2011-04-28 02:11:21
キュゥべえ @QB0

例えば、ボクたちインキュベーターは「人間とは違う価値観を持った生命体」だった。フェストゥムもそうだね。それに、ストライクウィッチーズのネウロイもおそらくはそうじゃないかな。ギアスやハルヒは物語に関わっているのが因果律や集合的無意識だったからね。

2011-04-28 02:14:21
キュゥべえ @QB0

ようするに、これはガンダム00もそうなんだけれど、人間が自分たちとは違う価値観の存在、あるいはその存在の根底や、世界の法則に関わるような力と出会ったときに主人公やその周囲がどうするか、というところが本質的な問題ということなんじゃないかな。

2011-04-28 02:16:28
キュゥべえ @QB0

これがボクの思う「セカイ系」っていうものなんだ。

2011-04-28 02:17:02
キュゥべえ @QB0

ところで、どうしてこれだけテーマが似てしまうか、わかるかい?

2011-04-28 02:18:02
キュゥべえ @QB0

それは、キミたちにとってはあまり嬉しくないことかも知れないけれど、今の世界が行き詰っているってことなんだよ。だから宇宙人や神、あるいはそれに近いような超越的な何かを求め続けている、ともいえるんじゃないかな。

2011-04-28 02:19:21
キュゥべえ @QB0

思想的にいえばプロティノスのいう「一なるもの」、あるいは十八世紀に多くいわれた理性の最高存在のようなものへの憧れじゃないかな。カントは人間の主観ではこれらの存在を認識できない次元においたところから批判哲学を生み出したんだけれど、ユングは根本においてこれを否定できなかったんだ。

2011-04-28 02:23:21
キュゥべえ @QB0

実をいうと、戦後から1970年代の世界というのは思想、文化から見ると非常にポジティブだったんだよ。ようやく戦争が終わった開放感から、様々な映画や文学が生まれたし、いずれは世界も一つになっていこうという視点で様々な思想が生まれた。

2011-04-28 02:25:13
キュゥべえ @QB0

ある意味で、キミたちの思想史のサイクルはポジティブな理性の時代と、その行き詰まりから来る神秘主義や精神性への逃避という側面があるんじゃないかな。今はそのポジティブな部分が行き詰まってしまっている。それは戦後に考案された様々思想がいまだに世界を変えられないことへの挫折だろうね。

2011-04-28 02:27:44
キュゥべえ @QB0

だから最近あまり文学運動とかは世界レベルで見ても流行っていないだろう? 思想家にしても、ニーチェやヴィトゲンシュタインが出たのはもう過去のことなんだ。それが今のサブカルチャーの裏にある、メインストリームの衰退という問題なんだ。

2011-04-28 02:29:57
キュゥべえ @QB0

さて……ところで、ボクがどうして日本のアニメにそんなに興味を持っているかというと、実はキミたちのご先祖様はそういう閉塞的な時代を楽しむことに関しては天才的な才能を持っていたからなんだよ。

2011-04-28 02:31:32
キュゥべえ @QB0

江戸時代に流行した庶民文化がどんなものが知っているかい? 一番の特徴は娯楽性が強いということなんだ。もともとは和歌から生まれた俳諧が、さらに狂歌や川柳にも派生したし、浮世絵やエッチな話しを集めた本もずいぶん売れていたからね。これは世界史的に見ても非常にめずらしいことなんだよ。

2011-04-28 02:34:02
キュゥべえ @QB0

そして、この浮世絵を見て「日本人がアニメを作れば、ディズニーとは違う素晴らしいものができる」と予測した人が、今から六十年も前にいたんだ。ジャン・コクトーというフランスの詩人だよ。まどかには、彼の作品は少し刺激が強いかも知れないけれどね。

2011-04-28 02:36:07