松倉くん

yui @kn_km_ym

駅の階段でぶつかられて転んで起き上がれずにいるのに、誰も助けてくれない。なんとか立とうとしたら「大丈夫ですか？」と肩を貸してくれる小柄な男の子が来てくれて、涙目でお礼を言うと「痛かったですね、大丈夫大丈夫」と絶対年下なのに慰めてくれる松倉くんと恋を始めます。#トラジャで妄想

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最近はマイブームで、近所のこだわりのコーヒー豆を売っているお店に行くと話す幼馴染の松倉くん。「今度飲ませてよ」とお願いすると、お家にお呼ばれ。コーヒーミルで挽く姿に「すごい！」と感動し、「わたしもやってみたい！」

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と言うと、「しょうがないなあ、」とこちらにやって来て、後ろから抱えられるように手を合わせて回すから、急に感じる体温とか胸板とか諸々のせいで、全く集中できない・・・ #トラジャで妄想

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男性ウケするような可愛らしいワンピースだとか、そういったのに手を出した時期もあるけれど、最終的にベーシックで合わせやすい服ばかり選んでしまう最近。そんなわたしとは正反対に、彼氏の松倉くんはハイブランドや古着、プチプラまでハイセンスに組み合わせている。羨ましいと常日頃褒めていると

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「一緒に行く？」とお買い物に行くことに。コーディネートしてほしい！というお願いに、「絶対時間かかるけど文句言うなよ」と嬉しそうに言われる。自分ではしないような組み合わせをポンポンと手に取り、試着室で着てみると「いいじゃん」と言ってくれるのが、たまらなくかっこいい。

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あれこれ試着して、いつもなら苦になるんだけど、好きな人に選んでもらってるだけで楽しくて、新鮮で。「うん、こういうのも似合うと思ってた」と選んでもらったのが、自分でも結構好きな雰囲気だったから、気が合うなあと嬉しくなる。買おうとしてくれるから

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「いい！コーディネートしてくれただけで！」と阻止するんだけど、「いいの、俺があげたいの」と譲らない。ご飯代は払おう、、と心の中で決意し、ありがたく買ってもらう。嬉しくて舞い上がっていると「しっぽが見える（笑）」と笑われる。なにそれー！いやだって犬みたいだもん、とじゃれ合う。

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海斗くんお目当てのものを試着する姿がかっこいいから、「何でも似合うね」と言うと照れながら笑う。大満足のお買い物デート終盤、「ねえ、あれどう？」と指をさしたのは最近よく見るスニーカー。「うん、似合うと思うよ」と言うと、「いや、違くて、いや違わないんだけど」

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と、なんだかはっきりしない様子。よく見るとレディースもあるみたい。そう言えば付き合ってからお揃いのものってないかも、、「え！おそろい！？」と嬉々として聞くと、「色違いでもいいんだけどね、せっかくだしさ」と言ってくれる。「やだ、同じ色がいい！」とわがまま言ってみると

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「ちょっと恥ずかしくない？」と言いながらも嬉しそう。男女どちらでも似合う色を買い、早速履くことに。「インスタ載せよ〜♪」と足元を撮っていると「やめろよ、みんな見るところで」と恥ずかしがる。「大丈夫、ぼかすから！」って言っておきながら、後日無加工で投稿しちゃいます。#トラジャで妄想

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やってしまった、、始めて一年にもなるのに、電話対応でミスをして名指しでクレームを有難くいただいてしまった。店長や上の人からは軽い注意で済んだけれど、精神的にくる。なにやってんだろう。たかがバイトだけど、それなりに責任を持って仕事をしてきたつもりだった。忙しいとか体調悪いとかって、

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理由にならない。季節の変わり目によく体調を崩す。動いていれば気が紛れるから、熱も計らず働いているけれど今回は厳しいかもしれない。休憩時間に机に突っ伏していると、「お疲れ様でーす」と松倉先輩が休憩にやって来た。「、、お疲れ様です」「あれ？寝てた？ごめんごめん」「いや、大丈夫です」

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「、、珍しいじゃん。どうした？」わたしのミスを知ってかさり気なく聞いてくれる。口数は少ないけど、いつもきちんと言葉を選んで話してくれるから心地良い。今日はなんだか頼りたい気分になってしまう。「たぶんちょっと体調悪くて、ダメですよねこんなんじゃ」あと10分で休憩が終わる。

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気合いを入れ直す為に、外の空気でも吸いに行こうと立ち上がる。あれ？と、急に力が入らなくなりふらつく。間一髪先輩に支えてもらった。「危な、、って、熱くない？ちょっとごめんね」とおでこに手を当てられる。あれ、これ少女漫画みたい。呑気な考えしている場合じゃない。

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「すみません、大丈夫です」と元に戻ろうとすると、「大丈夫じゃないよ、帰った方がいい。俺もうちょっとで上がりだから送って行くよ」と、真剣な表情。さすがに自分でも限界だと思い「お願いします、、」と帰ることに。あーだめだ、すごく周りに迷惑かけてる、、

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申し訳なく思いながら、先輩に支えらなんとか帰路につく。部屋に入ると「待ってて、すぐ戻ってくるから」と出て行ってしまい、本当にすぐに戻って来た先輩の手にはコンビニの袋。「すみません、何から何まで、、」「いいのいいの、暇だったし。それにこういうとき、誰かに甘えないと」ってまあ、

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甘えてもらってるんだけどね。と笑いながらお世話をしてくれる。部屋綺麗だったかな、とか先輩がわたしの部屋にいるの緊張する、とかそんなことを頭の片隅で考えながら、下から先輩の顔をまじまじと見る。綺麗な顔。「なんだよ？何かついてる？」「いや、綺麗だなあって」思ったことを

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そのまま口に出すと「熱でもあるんじゃねえの？あ、あるのか。よし治せ！」と、軽くかわされてしまった。嘘じゃないのに。作ってくれたお粥を片付ける先輩の後ろ姿にお礼を言う。「すみません迷惑かけて、」「全然、むしろお節介じゃなかった？一人暮らしの女の子の部屋にずけずけと入り込んで」

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変な男に捕まりそうで心配だわーと言う。「いえ、お節介なんかじゃないです。本当にありがとうございます」頼りにしています。と真っ直ぐに伝える。「いえいえ、こちらこそ。頼りにしてもらってお兄さんは嬉しいです」とこちらに来て、頭をぽんぽんとしてくれた。なにこれ、また少女漫画みたい。

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ひと通り落ち着き、じゃあ帰るね、ちゃんと寝ろよと言う背中を見送る。ひとりになり、いきなり恥ずかしさがこみ上げてくる。次のバイトでどんな顔していいか、と考えながら眠る。あーでもこれ、絶対妹にしか思われてないパターンだよー、、先輩彼女いるのかなあ、、いたら嫌だなあ。#トラジャで妄想

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雨が降り続けている。明日まで止むつもりはないらしい。足音が聞こえる。「・・・もう来なくていいって言ったのに」そっとベッドの側のイスに座る彼。「そんな泣きそうな顔で言われても、」ずるい。わたしの震える手をそっと握る。「俺の幸せを考えるなら、側にいさせて？」お願い、と頭を下げられる。

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泣きながら病気と別れを告げた時、ただ黙って抱きしめてくれた。あれから一年、よく持った方だと思う。「それに別れたいって言われても、別れてあげないから。これだけは譲れない」いつも松倉くんはわたしの嘘を見抜く。都合の良いように捉えているだけ、と言うけど優しさだって分かっている。病気が

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怖いのはわたしだけじゃない。今だって握る手が少し震えている。「死ぬまでにやりたいことリスト作ったの」「なんだよそれ、」「いいから聞いて？」願いそうにもないことを書いたものを読み上げる。「日本中を旅する。1人で海外に行く。孫を抱っこする。気球に乗る。犬を飼う。それから、

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、、それから、」「それから？」「最後のは内緒」言ったらきっと、わたしも松倉くんも泣いちゃうから。「全部、叶うなんて思っていないよ。来世で頑張ろうかな、」笑ってごまかす。「叶えようよ、全部。来世じゃなくてさ」真っ直ぐな目と見つめ合う。「来世は出会ってくれないの？」あまりにも

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真っ直ぐに見つめられるから、冗談を言わないとやっていられない。それはそれ、これはこれ！と怒られた。最後のやりたいこと。「松倉くんのお嫁さんになる」だなんて言えるわけないよ。雨は強くなるばかりで、胸はずっと苦しいまま。永遠なんて探しても見つかるわけないんだ。#トラジャで妄想