謝る。「いいよ、もう。〇〇が大変だったのに俺も言い過ぎた」隣でくしゃみをするので、繋いだ手が揺れる。「やっぱり返すよ!」「いいって、あとちょっとだし」春が近づいているとは言っても、まだ夜は冷える。「彼氏にカッコつけさせて?」きゅん、とする心があるうちはまだまだ大丈夫だと感じた。
2019-03-09 23:40:39「何考えてるの?」「何だと思う?」七五三掛くんはたまに気が抜けてぼーっとどこかを見つめていることがある。正確に言えば見つめているようで、違うことを考えている。それが彼の「素」の瞬間である、と知ったのは仲良くなって随分経ってからだ。「ねえ、」ふいに手が握られる。「キスしていい?」
2020-01-22 22:17:37突然だ。やっぱり何を考えているかわからない。「うん」そっと顔が近づいてくる。目を開けていたら、ふっと笑われ「恥ずかしいから目、閉じて?」と言われる。キスなんて何度もしているのにドキドキする。七五三掛くんにいつも振り回されている気がする。惚れたが負けって、きっとこのことだ。
2020-01-22 22:17:38「オムライス?です、、」「卵どうしたの?」「、、失敗しました」実家暮らしだからほとんど料理をしない彼女。「ごめん、龍也くん食べなくてもいいよ、ってえ!」「いや美味いよ。見た目だけだって」「笑いながら言われても嬉しくない」意地悪言ってしまうけど内心かわいくて仕方がない七五三掛くん。
2020-02-22 20:48:10「どうしたの?」「、、なんでもない」と目を逸らして言う時は、大抵何かあった時だと分かるようになった。〇〇とはまだ恋人ではないけど、もうすぐそうなれることを確信している。なぜって、それはそりゃこんなに俺が〇〇のことを好きだから。「龍くん、、」「ん?」「、、ごめん。わたし仕事で
2020-04-26 21:49:54疲れてて、せっかく時間作ってくれたのに」やっぱり。なんでもないわけない。「ふふ」「なんで笑うの?」「いや、かわいいなって思って」予約したいい感じのお店まであと少し。ここで言ってしまおうか、いややっぱり雰囲気作りが大事かな。「、、サラッと言うのずるい」小さな声だけれどちゃんと
2020-04-26 21:49:55聞こえたそれを反芻する。あーあ、ほんとにかわいいんだから。「お姫様、どうぞこちらです」店の前に着き、ジェントルマンらしく扉を開ける。今すぐキスしたいけどまだ我慢。夜はこれから、だからね。
2020-04-26 21:49:55