アルター・オブ・マッポーカリプス ＃１
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「……」サツバツナイトはその目を橙に燃やし、ジュー・ジツをシンウインターに向けた。ガーランドはシンウインターの肩越しに彼のカラテ・アトモスフィアを目の当たりにし……瞬時に悟った。この極限のイクサの最中でなくば、呻き声をあげて立ち尽くしたであろう程の衝撃だったが、彼は押し殺した。24
2018-11-27 22:57:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ニンジャスレイヤーを確かめた時、ガーランドはマスラダ・カイが「彼」ではない事を即座に悟った。なにしろあれから十年以上の時が流れている。同じ名の別のニンジャ、そんな事もあろう、そう納得し、同時に、別種の興味もわいたものだ。だが今、このサツバツナイトは「彼」である。 25
2018-11-27 23:00:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
旧ソウカイヤに惨殺されたムチ・ドー師範の父の仇を討ち、己の命を救った恩人が、今、確かに目の前にいる。当時と違い、現在はニンジャとなった彼のニンジャ第六感が、全ニューロンが、それを事実と告げ、心臓はしばし高鳴った。だが今はその時ではない。彼はクナイ・ウィップを引き絞った。 26
2018-11-27 23:08:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ザルニーツァ！」シンウインターはオーロラの外の娘に叫んだ。「役に立て！手負いのニンジャ一匹、相手に出来ぬお前ではなかろう、ワイズマンよ。こちらは多少時間がかかる！」スーサイドが、ガーランドが、サツバツナイトが、シンウインターに仕掛ける！「「「イヤーッ！」」」 27
2018-11-27 23:16:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
閉ざされたオーロラの外、ザルニーツァは我に返った。彼女はニンジャスレイヤーを見た。いまだ氷の上にあり、大の字に倒れ、唸りをあげる敵を。ザルニーツァは涙を振り払った。彼女の心の嵐を、困惑と虚無を、赤熱する鎧が埋めてゆく。「お父様」マシーンめいて呟く。マシーンになる。 28
2018-11-27 23:24:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
再び彼女の首を、顔を、ソナエ・ニンジャの鎧が覆ってゆく。彼女の指先に赤いプラズマクナイが生じる。かつてイサライト・アーマーであったソナエの鎧は、彼女の心を、身体を拘束する。「お父様」彼女は繰り返した。一歩、二歩、踏み出した。 29
2018-11-27 23:26:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
だが、一度砕けた鎧が再び彼女を覆った時……さながら密閉容器が、取り込んではならぬ外気を取り込むかのように……彼女のニューロンの奥底には、閉ざした筈の彼女の感情が煮えつつあった。（嫌だ）哀れなゾーイは、そう叫び、彼女を見たのだ。 30
2018-11-27 23:29:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「AAAARGH……」冷たい鉄と化した槍に、ニンジャスレイヤーの手がかかった。彼はそれを引き抜き、バネ仕掛けめいて立ち上がった。溢れる黒炎が彼の傷ついた身体に、装束に、再び同化してゆく。オーロラの輝きを横に、ニンジャスレイヤーとザルニーツァは対峙した。 31
2018-11-27 23:31:48