【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻燕の城 第２話

トゥ・レイン・スワロー @to_rain_swallow

第２話「多摩川、血に染めて」 撤退を続ける味方の列を抜け、追撃してくる相模国軍勢と多摩川を挟んで対峙した館山房州守昌平（あきひら）の手勢。そこで見たものは異形の者に成り果てた相模国の将兵たちであった。「そこまで堕ちたかっ！」 #swamou

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舘山が叫ぶと、そこには怪しい球を持った破戒坊主・稀哲が立っていた。「こやつら、勝ちたいと言う割りに心に 隙が多くてのう、簡単に術に嵌りおったわ」「貴様・・蝦夷にいたのではないのか！」稀哲を討つべく駆け出した昌平。 #swamou

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しかし、長距離からの弓の集中攻撃を受ける。「そんな、こんな技量、奴らにあるはずが．．．」矢が刺さりつつも前進を続けたがついに力尽き、多摩川の中に倒れる。「村田よ、とどめを刺せ！」昌平が顔を上げると刀を振りかざす敵武将・村田が立っていた。「無念・・・」 #swamou

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覚悟を決めた瞬間「館山様！」と、誰かに突き飛ばされる。痛みに耐えつつ振り返ると、身代わりになった松岡・日高の両名が倒れていた。しかしこのままでは皆・・・ #swamou

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「たーてーやーまーさーまー」駆けつける村中。「すいません、ぼくはなにをすればいいんでし ょう？」「・・・とりあえず傷兵を回収して体勢を立て直す。時間を稼げ。」村中勢は怒涛の勢いで敵陣に駆け出して敵を押し返す。林 昌勇がとどめ刺そうと本陣に乗り込む！ #swamou

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しかし、そこはもぬけの殻だった。「しまった、罠か！」気が付いた時は既に遅く、林は集中射撃を受けてしまう。何とかあの弓を突破し稀哲を討てないものか。そこに戦場に野太く声が響いた。 #swamou

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「要は、相手の弓より遠くから討てば良いのだろう？」後方から馬に乗った大男が現れたかと思うと、敵陣に向か って駆け出した。「奥州武士、畠山和洋見参！敵将打ち破り、故郷に錦を飾らせてもらう！」疾駆する馬の手綱を離すと背負った強弓を構え引き絞る。 #swamou

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一瞬の静寂のあと放たれた弓は、大きな弧を描き・・・稀哲の持つ怪しい球に突き刺さる。刹那、相模国将兵から煙が立ち上ると・・・元の姿に戻った。「今だ、続けい！」畠山は手持ちの棍棒を振り回し敵陣を蹂躙していく。 #swamou

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「こんな相手なら！」増渕は戦意を失い逃げ惑う相手を片っ端から討ち倒す。再び林が敵陣に突入し最後の一人を討ち果たすと上空から声がした。「今回は引き分けということにしておいてやろう、次はそうはいかんぞ！」そういいつつ飛び去ろうとする稀哲。 #swamou

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畠山は「いつでも相手になってやる」と静かに呟くと、再び弓を引き絞り放った。矢が刺さり、森へと落ちていく稀哲。「まあ、生きていれば、だがな」ニヤリと笑った。増渕が「追撃なさらないのですか？」と聞くと何とか自力で立ち上がった館山は答えた。 #swamou  

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「今は傷兵を回収し城に戻ろう。」そう、まだ戦いは始まったばかりだ。「皆の者！残念だが勝鬨は次の機会だ！帰るぞ！」次の戦いは石川殿に 頑張ってもらわねばな．．．そう呟くと館山は馬上で一時の眠りについた・・・。 #swamou  

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なお、この戦いの最中、大殿の密命を受け飯原が城を後にした事をまだ誰も知らない・・。第二話「多摩川、血に染めて」完 →予告:上忍・福地三太夫の命を受け、西の探索を続けていた下忍・三輪は、森の中で蠢くものを見据えていた「あれは、竜？」次回「竜の襲来」 #swamou