バレンタイン飛鳥編

0
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

① 2月14日。 教室のいつもの席に座った僕は一瞬期待しながら机の中を覗いた。 もちろん、チョコなんて入っていない。 僕が思わずため息を漏らすと、後ろの席の齋藤飛鳥がからかってきた。 飛鳥『いま、チョコ期待したでしょ。今まで女の子から貰った事ないくせに笑』 僕『別に、貰ったことあるし!』

2018-12-16 14:57:03
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

② 飛鳥『嘘だぁー。見栄はんなくていいよ』 小さい頃からの幼馴染の飛鳥には全てお見通しなのだ。 僕『じゃあ、飛鳥が僕に義理チョコ渡してくれても良いんだよ?』 飛鳥『渡すかばか!そもそもバレンタインデーなんて製菓会社の陰謀だし…』 と慌てて言葉を紡ぐ飛鳥を見て僕はまた溜息をついた。

2018-12-16 14:57:56
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

③ 僕の初恋の相手で、今の想い人でもある飛鳥から義理でも貰えたらそれで充分なのに…。 ムズかしそうな本を機嫌良さそうに読む飛鳥の横顔を見て僕は胸が締め付けられるようだった。 結局、誰からもチョコを貰えず放課後になり、諦めて帰ろうとすると飛鳥に、ちょっと来てと手招きされた。

2018-12-16 14:58:24
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

④ 人のいない新校舎の階段の踊り場までついて行くと飛鳥がふいに立ち止まった。 僕『どうしたの?』 飛鳥『今すぐ目瞑って』 僕『え?』 飛鳥『良いから、早く〜』 戸惑いながらも、言う通りに目を閉じる。 すると僕は手の平に、飛鳥の小さく、冷たい手を感じた。

2018-12-16 14:59:21
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

⑤ 驚いて目を開けると、僕の手にチロルチョコが載せられていた。 飛鳥『ビックリした?可哀想な君の為に、わざわざチョコ渡してあげたんだぞ笑』 イタズラが成功した幼子みたいに無邪気に笑う飛鳥をみて僕は呆然と言葉を失っていた。 何も言わない僕を見て 飛鳥『え、私のチロルチョコじゃ不満?』

2018-12-16 16:33:53
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

⑥ と、不安そうな顔をする飛鳥を見て 僕『え、これって義理?それとも…』 焦った僕は途轍も無い事を口走った。 飛鳥『ちょーし乗んな、ばか。本命のわけないじゃん!』 頬を赤くして慌てて言うのを聞いて僕は平静を取り戻した。 一瞬(もしかして…)と思ったけど、飛鳥が僕を好きだなんて有り得ない。

2018-12-16 16:34:14
乃木坂⊿妄想日記 @nogi_s_story

⑦ 僕『とにかく、ありがとう。義理でも嬉しいよ!』 と、ぎこち無い笑みを浮かべて答える。 飛鳥『じゃあ、私帰るから。』 飛鳥は、なぜか顔を赤くして僕から逃げるかのように走り去って行った。 飛鳥から貰ったチョコをごちゃ混ぜの感情を呑み込むかのように頬張ると、不思議と甘酸っぱい味がした。

2018-12-16 16:34:33