コルセア乗りのミーナ

深海さかな @dzurablk_kai

トムがベッドサイドのテーブルから手に取ったのは、ウォッカの小瓶だった。 「消毒薬が無かったんで、代わりに買ったんだ」 「そんなことを言って、また私を酔わせるつもり？」 「好きな味かと思ってな」 「…一口、頂戴？」 ＃荒馬とメイドの口説き方

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ミーナは瞳を閉じるとトムの前で、可愛らしく唇を突き出して見せた。 「そんなにしがみ付かれちゃあ、グラスを取りに立てないんだが」 「アナタの唇で酔わせて欲しいの」 「全く…甘えん坊なメイドだな」 ＃荒馬とメイドの口説き方

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トムはウォッカを口に含むと、そのままミーナと唇を重ね、細身な体躯をベッドに押し倒す。 「…この体勢は羽根が痛むから嫌いなんじゃなかったか？」 「いいの。今は、アナタを刻み付けてほしいから」 ミーナの身体の奥底で、未だ癒えぬ傷口の痛み以上の何かが燃え上がる。 ＃荒馬とメイドの口説き方

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…そのあとの二人については、この場で語るのは野暮というものだろう。ただ一つ言えることは、羽根ッ娘とバディを組む人間パイロット、その異種族間で恋を実らせ愛を育むカップルがまた一組、新たに誕生したという事実。 ＃荒馬とメイドの口説き方

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それからしばらく時を置いて。 ＃荒馬とメイドの口説き方

深海さかな @dzurablk_kai

満州に根城を据える武装民間機乗りの間に、抜群のコンビネーションで飛竜を狩っていたコルセア乗りのコンビが引退したとの噂が広まるのと、指輪を交わしたトムとミーナがアメリカの片田舎に牧場を買い仲睦まじく暮らし始めたのは、また別の物語である。 ＃荒馬とメイドの口説き方

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終わり ＃荒馬とメイドの口説き方

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【人物紹介】マリ＆アンヌ 『どうも～♪　緑十字のトレードマーク、べティ商会でーす！ 私がマリでそっちの青いのがアンヌ。二人会わせてマリアンヌ、で覚えてくださいね♪』 焦げ茶に白の吹雪饅頭柄の翼が特徴的な双子羽根っ娘（翼は再現できなかったので画像では省略） #荒馬とメイドの口説き方 pic.twitter.com/KQIeo7INiY

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陸軍の秘密研究所『森機関』にて、別種の動物の因子を組み込むことで身体能力を向上させる施術を受けた、『デザインド』と呼ばれる被験者の生き残り。同研究所の閉鎖に伴い路頭に迷っていたところを、べティ商会の一式陸攻に拾われ職を得た。 #荒馬とメイドの口説き方

深海さかな @dzurablk_kai

二人は梟の因子の保有者なので、羽根に似合わず夜目が効くようになっている。 マリは交渉と物品の調達、アンヌは医療サービスを提供することで、飛行場に帰らず野宿をして暮らす武装民間機乗り達を荒野でサポートしている。 #荒馬とメイドの口説き方

深海さかな @dzurablk_kai

翼端援護機と呼ばれる、腹の下に二十ミリ機関砲のターレットを吊った白塗りの一式陸攻で、かしましいマリと無口なアンヌは今日も満州の荒野を飛び回っている。 ・・・ちなみに、案の定だが職業柄酷い守銭奴である。 #荒馬とメイドの口説き方

深海さかな @dzurablk_kai

【おまけ】 マリ『んー、じゃあサービスで一割引！』 『もうちょっと？　仕方ないなぁ、じゃ二割引！』 『これ以上はちょっとぉ・・・ええい持ってけドロボー！　五割引、これでどうだ！！』 『・・・それ以上値切りやがったら、二十ミリ弾ケツからぶちこみますよ？』 #荒馬とメイドの口説き方 pic.twitter.com/n21rI20HTK

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【おまけその２】劇中でミーナが作っていた、ロシア料理のキャベツの浅漬けとそれを使ったスープ、シチーのレシピ これを食べて君も満州の荒野で羽根っ娘と野宿する妄想に浸りつつ、ロシア料理沼にハマろう！！（ダイレクトマーケティング #荒馬とメイドの口説き方 pic.twitter.com/fcit5MZu7i

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