【dxcordx】飽くなき原罪

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll 「あなたから目的を与えられるなど」 金髪碧眼の少女を見つめていた顔がまた足元へ動く。 「…と笑ってやりたいところだが、困ったな」 大きくため息をついて、眉を下げて空っぽの自分に自嘲するように口角を上げる。 「聞かせてくれないか…マスターレイス11」

つけない創作(乳酸飲料) @sousakutukeru

@higururoll ｢だが、ある意味においては。おあいこと言えるのではないかな｣ 初対面の時に負わされた傷の事を思い出す。 ｢初対面の折りに、胸に穴をあけられた｣ 慣れているのはいえ、痛みが無くなるわけではない。 ｢君ならば、僕よりも興味深い事象をすぐに見つけられるよ。それこそ、リザレクトするより早く｣

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「うん」 頷いて、イヴはどう伝えたものか、言葉を思案する。 「あのね、ししどおりさんには、私かそーじろーさんを殺して欲しいの」 それは、一つの約束。オーヴァードにとって避けられない未来の終着点。 「いつか、私達が欲望を違えて、ジャームになってしまったら」 →

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「私達が互いを貪り、殺し合って、その果てに人として死んでしまったなら」 「その時は、ししどおりさんが、私達を探して、殺して。地の果てまで、世界の向こうまででも、私達を探して、そして終わらせてよ」 もちろん、そう簡単にジャーム化するつもりはないけれど、と少女は笑って。 →

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「私達は強いよ？だから、ししどおりさんは私達をちゃんと殺せるくらいまで強くなってさ。そして、ちゃんと私達が正しく自分の欲望に正直でいられるようにして」 どうかな？とイヴは首を傾げる。 どうだろうか。獅子通りの望む『目的』になっているだろうか。

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@sousakutukeru 「むぅ、確かにそうだけど……」 あれは任務兼個人的な興味のあれそれだったのであまり言い訳はできない。確かに傷は負わせた。 「……そうだといいなぁ」 溜息。イヴはそろそろ下ろして欲しい旨のジェスチャーをする。そういえばここまでずっとぶら下がっている体勢である。

ダリア＠notte @dear_2_u

@higururoll 「コードウェル？」 EXレネゲイドより目の前の方がトンデモ案件だった。 「……納得だ。欲望と出所にはギャップなし。けどまた、途方もない大夢で」

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@mgleo_dxcd 「うん、コードウェル」 名前を名乗るといつも驚かれる。マスターレイスなので当然なのだが、イヴにとっては普通のことなのでいつも慣れない。 「途方もない、壮大な欲望だけど……私はいつか成し遂げるよ。だってそれが私の全て、私の欲望だもの」 そう自信げに少女は宣言する。 →

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@mgleo_dxcd 「そうだ、そろそろ戻らなくちゃ。おねーさん、おねーさんの名前は？」 共闘したのだからせめて名前を教えてもらいたいらしい。あるいはこれも、知識の一端として集積されるのかもしれないが。

ダリア＠notte @dear_2_u

@higururoll 「進んでいくほど若返りそうな野望だな。いいんじゃねえの。桁違いでプランも見えねえけど、らしいよ」 FHって輩のそれらしい。そう思った。 「あたしは緋々來(ひびき)だ。毒島 緋々來。ノートの隅に五文字、メモしといて」 当然だけど、ここに来てから新学期かってぐらい名乗ってんなと思った。

つけない創作(乳酸飲料) @sousakutukeru

@higururoll ｢ああ、すまない｣ ひょいとイヴを地面に下ろした。 ｢君ならすぐにでも見つけられるさ。レディ・コードウェル｣ かつて憧れた男の面差しを写した少女に、曲淵は微笑んだ。 ｢この先の旅に、幸多からんことを｣

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@mgleo_dxcd 「ひびきさん！うん、覚えとく」 そう言って、少女はぱっと笑う。こうして見ていると子供のように。 「ひびきさん、手伝ってくれてありがとう。何か役に立ちそうなことが見つかったら教えるね！」 少女はEXレネゲイドを抱えたまま、その場から立ち去ろうとするだろう。

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@sousakutukeru 「うん。まがりふちさんも……ええと、良い死出の旅を？」 これから死にゆく者にどう言葉をかければいいのか分からず、そんなありきたりな言葉を返してしまう。 「……じゃあ、そろそろ私は行くね。まがりふちさん、さようなら」 それが永遠の別れになると知りながら、別れの言葉を口にした。

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll 「俺に人殺しをしろ…と言ってるんだな、あなたは」 どんなものが来るかと思っていれば、予想外の話をされた。 言ってしまえばジャーム処理。だが内情を知ってしまえば相手に情が生まれ、ただの人殺しとなる。マスターレイス11が相手でも、"そーじろーさん"という者が相手でも。 「………」 →

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll 言葉に迷う。 やることはUGNの任務と変わりはしない。ジャームになった者の尻拭いだ。 「…その話を俺に持ちかけた理由は、本当に俺の目的のためか？」 マスターレイス11の実力は片鱗だけかもしれないが知っている。そーじろーさんという者もマスターレイス11に並ぶ実力を持っているんだろう。 →

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll どちらも強い。そう理解すれば、ほのかな期待に両手の筋肉が痙攣した。 強い者と戦う未来が確定するならいくらでも待ってやろう。『欲望』に忠実になるなら答えはとっくのとうにイエスのはずだった。 それをまだ冷静な理性でどうにか抑える。 「…本当にそれだけの理由なのか？」

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「もちろん、貴方のためだけじゃないよ。これは私や、そーじろーさんのためでもある」 事もなげに少女は言う。 「私ね、衝動に呑まれるのが嫌なんだ。ジャームになるのも嫌なの。だから、後を任せられる人がいたら、安心して私は自分の欲望と向き合える」 イヴは悪戯っぽく笑って、男に問うた。 →

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「それじゃ、駄目かな？私のためにも貴方のためにもなるこの『目的』。ししどおりさんにとっては悪い話じゃないと思うんだけど……不満？」

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll 欲望まみれの少女が「衝動に呑まれるのが嫌」だと話したことに少し驚いた。自分は嫌じゃないから、なおさら。 「あなたの…ため…か」 不満と問われ、どうも応えようのない表情になる。 「不満は…ない。し、断る理由も…ない」 →

美々丞 @BB_rongesuki

@higururoll 歯切れが悪いまま続ける。 「その…これは俺の…思ったことなのだが、」 「マスターレイス11やそーじろーさんはその終わりでいいのか？」 「弔う者が…俺で…いいのか？」

ゴロー@ヘイゴ（fateUMマスター参加） @morinoGC

@higururoll 「……そうか」 俺達はファルスハーツだ。 欲望に素直なのは美徳だ。 「その時は好きにしろよ」 まっすぐに瞳を見つめ返して。 「ただ、簡単に壊せると思うなよ」 唇の端を吊り上げて笑う。 子どものわがままを理不尽に止めるのは、確かに大人の仕事だな。

つけない創作(乳酸飲料) @sousakutukeru

@higururoll ｢ああ、さようなら｣ 眩しいばかりの生命を持つ、無邪気で残酷な少女に別れを告げる。 ｢きみの世話役と、お父上によろしく｣ イヴ・コードウェルの欲望の強さを、曲淵藤慈は肯定しきれない。 けれども、嫌いになりきれないのは。 きっと彼女の迷いを見れた故だろう。 ｢会えてよかった｣

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@morinoGC 正面から視線が絡み合う。 日常を守りたい男と、日常を壊しても手に入れたい知識がある少女。 いつかは対立する二人の欲望は、果たして。 「うん！」 子供のままに傍若無人に我儘に、そして無垢に。少女は大きく頷いて、笑った。

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki 「そーじろーさんは分からないけど……」 と、少女は前置きし、こう答える。 「私はそれでいいよ。だって、死んだ後のことなんて私にはどうでもいいし、多分、博士も私が死んだって悲しまないだろうし」 彼女はコードウェル博士のバックアップで端末だが、それだけだ。 →

ヒポ先生（聖別）／FateESアフター @higururoll

@BB_rongesuki その脳に蓄えられた情報に興味はあっても、彼女自身にあの男が執心するとは思えない。 「私が死んで悲しむ人は……多分いると思うけど……」 元の世界に残してきた友達を想う。少年と、少女と、どちらでもない人と。彼等はきっと、自分達が死んだら悲しむだろう。 →