A3+2018:千景

同じ色は続き物です(青が飛び飛びであります)。黒は単発。
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千景 #A3プラス 二人きりの時間を重ねても、明確な言葉はもらえなくて。『秘密や嘘がいくつあったとしても、私は貴方が好きです』いつも壁を感じていた。「馬鹿だな、君は」呟かれた声は予想外に優しくて、焦がれていたその指先が私の頬を撫でる。「…捕まえてしまったら、もう逃してはやれないのに」

2018-07-07 23:28:47
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千景 #A3プラス 突然背後からかけられたネックレスに驚いて振り向けば、面白そうに笑う彼。「プレゼント。誰かさんが不安そうにしてるから、気持ちを形にしてみたんだけど」胸元で揺れるハートに胸が熱くなる。「喜んでもらえたかな?」『もちろん…!』「肌身離さず身に付けてくれたら嬉しいよ」

2018-07-09 15:48:53
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千景 #A3プラス 「ほら」 お祭りの賑やかな人混みの手前で、差し出された手に驚いて思わず彼を見上げた。「すぐに見つける自信はあるが、逸れないに越した事ないからな」そう言ってその手を揺らして急かすから、慌てて掴めば満足そうに口角を上げた。「それで?何から回るんだ」『…えっと、かき氷!』

2018-07-13 22:26:29
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千景 #A3プラス 「機嫌が良いな」そんなに祭りが好きなのか、なんて的外れな事を言う彼。『千景とお祭りに来てるからです!まぁ、浴衣着てくれたらもっと嬉しかったけど』林檎飴を齧りながら答えれば、それは難しいな、なんて笑う。「浴衣じゃ機動が落ちる。いざという時に君を守れないと困るからね」

2018-07-14 09:39:44
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千景 #A3プラス 「?どうした」『あれ可愛いなって…いいや。私、射的下手だし』進もうと繋いだ手を引いたけれど、ビクともしない。立ち止まったままどれだと尋ねた彼は、返事を聞くと射的を始めてアッサリ目当ての物を落としてくれた。『えぇー…千景さん格好良過ぎない…?』「惚れ直してくれた?」

2018-07-14 20:57:29
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千景 #A3プラス 『あれ、お出かけ?』「うん。ちょっとスパイスのお店にね」それはついて行けないなぁ、と大人しく手を振った。「…一緒に来る?」『えっ』「スパイスって辛いだけじゃないんだよ。どうする?」『い、行きたい!』「30秒で支度して」『無理っ』「はは、冗談だよ。ほら準備しておいで」

2018-07-16 22:18:03
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千景 #A3プラス 『カレー屋さん?』「そう。最近出来たお店なんだけど」滅多にデートなんてしてくれない彼からのお誘いは嬉しい。『私、辛いの苦手だし…』「そう言うと思って、辛さの選べるお店にしたわけだけど」どう?ってにっこり笑うから、思わず抱き着いた。『千景大好き』「どうもありがとう」

2018-07-18 17:47:50
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千景 #A3プラス 目の前で辛さ30倍のカレーを食べる彼が小さく笑った。『私、変な顔してる?』「幸せそうな顔、って言うのかな」『!だって、嬉しいから。千景がカレー屋さんに誘ってくれるなんて、特別って感じするじゃない』「あれ、おかしいな。俺は君の恋人で、それはもう特別だと思っていたのに」

2018-07-18 20:36:05
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千景 #A3プラス 「嫌いじゃないよ」って笑う彼は、マジックミラーみたいな人。貴方から私はきっと全部見えてるのに。『…忘れる魔法をかけてよ、オズ様』もう嫌だよ。苦しいよ。そう言って泣き出した私の涙を親指で拭って、そのまま強引に口付けた彼が笑う。「…俺を一生忘れない魔法だよ。ごめんね」

2018-07-21 14:49:18
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千景 #A3プラス 瞬きしたら闇夜に溶けて消えてしまいそうな貴方の顔は、泣いているような自嘲しているような、どちらとも取れる表情。それはとても苦しそうで、私の胸まで痛むよう。「教えてくれ、切な苦しいこの感情の名を、」私の頬を指先で撫でるその声は震えていた。『…それは、私の隣で探して』

2018-07-25 22:42:14
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千景 #A3プラス お土産だと渡されたのは有名店のお菓子。『くれるの?』「取引先で貰ったけど、俺は食べないから。君、こういうの好きだろう?」そういう事が何度もあって、ある日たまたま会った至くんに聞いてみた。『取引先で貰うお菓子って至くんはどうしてるの?』「?お菓子なんて貰わないけど」

2018-07-26 23:02:48
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『えっ…』「お菓子、千景さんに貰ったの?」『うん』「ふーーーん?まぁ、先輩は俺より外回りも多いしね」『そっか!』 「先輩も結構カワイイ事しますね」「なんの話かな?」「取引先で貰ったお菓子♡」「…」「まぁ話合わせておきましたけど」「…助かるよ」

2018-07-26 23:02:49
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千景 #A3プラス 少しずつ、少しずつ。一緒にいる時間が長くなって、貴方の目が優しくなって、回り道してた言葉が真っ直ぐになった。それでも私に触れる事はなかったけれど。「話がある」指先だけで私を引き止めた彼の声は、珍しく少し震えていて。長い沈黙の後、紡がれた言葉は、「……君が、好きだ」

2018-07-29 23:17:21
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千景 #A3プラス 『私に分からない言語でいいから、私の事どう思ってるか教えて』唐突なお願いに、少し考えてから口を開く彼。聞きなれない言葉で、淡々と私に話し掛ける。「卯木は情熱的だな」「!?」『ガイさん!え、今千景なんて言ってました?』「それは「ストップ。彼女には内緒にしてください」

2018-07-30 22:09:13
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平日に有給取ってる千景と、みんな出払ってる寮の談話室でお話ししてたところに通りすがるガイさん(設定)。千景が話してるのはたぶん習いたてのザフラ語。素直じゃない千景が、ザフラ語で好きだとか可愛いだとかめちゃくちゃデレてたらいいなっていう話

2018-07-30 22:11:52
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シトロンのキャラ的にも、ザフラは割と紳士で情熱的なイメージがあるので

2018-07-30 22:18:31
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千景 #A3プラス 『ガイさんになんて言ってたか聞いていい?』「駄目」『じゃあなんて言ったのか教えてよ』「…しょうがないな」溜息を吐いて私の正面に立つと、また聞きなれない言葉で話し出す千景。『ちょっと、っ!?』むっとして顔を上げれば、予期せぬ甘い口付け。「…ほら、このキスが答えだよ」

2018-07-31 21:26:53
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千景 #A3プラス 『も〜!千景はいつもそう!すぐはぐらかす』膨れる私にごめんごめんと謝るその顔は、全然反省なんかしてない。「俺が素直になるまで、もう少し待っててよ」なんて言いながら頭を撫でてくる。『もう少しってどれくらい』「そうだな、あと100年くらい」『も〜〜!』「嘘嘘。そのうちね」

2018-08-01 21:54:35
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千景 #A3プラス 『ちか、まだ寝ないの…?』パソコンに向かう彼に声をかけた。「先に寝ていいよ」『やだ』「いい子だから」おやすみ。そう言って、私の頰にちゅっと音を立ててキスをする。『一緒に寝たいの』「…」『嘘。心配なの。ちゃんと寝てる?』「…全く、敵わないな…分かった。一緒に寝るよ」

2018-08-02 22:57:36
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千景 #A3プラス 目が覚めたらベッドには私一人で、代わりにコーヒーのいい香りがした。『ちーかーげー?』「ああ、起きたのか」『私が先に起きて淹れたかったのに』キッチンに立つ彼の元に行けば、おはよう、とナチュラルに頰にキスをされた。『…こ、ここは日本です!』「はは。海外育ちだからつい」

2018-08-04 08:56:55
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千景 #A3プラス 名前を呼ばれて振り向けば、彼が営業スマイルで手を振っている。『千景!』「…今の男はいいのかな?」『道を聞かれてただけだから、もう大丈夫〜』「…そうか」少し腑に落ちないような顔をして、私の腰に手を回した。『どうしたの?』「…いや、どうやら俺も人並みに嫉妬深いらしい」

2018-08-04 22:16:28
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千景 #A3プラス 『千景と同じ夢が見たいな』そう言って隣に寝転んだ私に、複雑な顔でそれは困る、なんて言うから。『同じ夢だったら、私が絶対千景の側にいるのに』そんな私の言葉に少し驚いた顔をして、その目を細めて彼は笑った。「…寝ても覚めても君が隣にいてくれるのなら、もう夜も怖くないな」

2018-08-07 23:14:26
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千景 #A3プラス 「ただいま」至くんの声がして振り向けば、その後ろには千景。今日は二人残業だったらしい。『ちかげおかえりぃ』「なんで飲んでるんだ…しかもかなり酔ってるな?」「ごめんね。彼女、間違えて結構度数の高いお酒を飲んじゃって」『ちかげものもうよー』「その前に一旦部屋に行くぞ」

2018-08-08 22:26:50
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「いいか。俺がいない時は酒を飲むな」『はぁい』「…本当に分かってるのか?」『わかってるよぉ』「先が思いやられるな…」『きょうだってまってたもん…ちかげがかえってくるのおそいからわるい』「密みたいな言い回しをするな」『ちかげがわるい!』「そんな可愛くない事を言うのは、この口かな?」

2018-08-08 22:26:53