この辺りから、挑発的でドキッとする台詞や表現がしばしば飛び出す。義父、誰に対してか「ごめんなさい」を繰り返す。湯田、ベッドに寝たままのマリに業を煮やし、上に乗りかかって激しく体を動かす。こういう事しないと子供はできないんだよ! と生殖の真実を明かしてしまう。
2011-05-11 16:02:09キリトは遂に敗北。姉に対して「ごめんなさい」を繰り返しながら倒れ込む。姉の慰撫。もう苦しまなくていい、あなたは恕しの存在になると優しく弟を抱え上げる。赤い帯が流血を表わし、背後から両腕を持ち上げられたキリトの姿はさながら磔刑のキリスト。
2011-05-11 16:03:03また、姉=母の「女」性への恨み言。男の為の道具でしかいられない存在への嫌悪の言葉。それでいながら、子供を産みたい、母になりたいと、どうしても起ち上がってしまう抑え難い母性。子孫を残そうとする欲望の罪と受け入れざるを得ない本能の相克、葛藤。
2011-05-11 16:03:45更に諍いと揉み合いあり。死んでしまえ!の言葉と共に赤い帯で絞殺される姉=母。全能的支配的でありかけた彼女の首が絞められ、仰向けの状態で頭が客席に向って垂れる。瞬間的に照明赤く。ここにおいて一連のカタストロフ的シークエンスが頂点に達する。
2011-05-11 16:04:11様々な要素が渾然となった攻撃的で挑発的な展開。自己の存在基盤の喪失、内的秩序の瓦解、神話の崩壊、血への嫌悪、人間の原罪、一方で抗い切れぬ母性、受け継がざるを得ない父性。ないまぜの混沌状態の中から救いが示唆され、恕しも生まれ、業の肯定もなされる。
2011-05-11 16:04:42舞台前方中央、斃れ伏した弟の上に姉の死体が重なる。白い布が掛けられる。ラストシーン、六本木少女再び。あらゆる相克を乗り越えた表情。援助交際の申し出をきっぱり撥ねのけ、軽やかな足取りで歩み去る。「死」が積み重なった六本木の町を…。暗転して終幕。
2011-05-11 16:05:34以上、長々と失礼しました。記憶の限りで書きましたが、なかなか尻尾を掴ませてくれない作品なので、かなり見当違いの部分もありそうです。なにせ寓意や示唆や仕掛けに満ちながら、考える暇を与えてくれない展開なので。
2011-05-11 16:06:28マリ、湯田、ヘビライ、ヘビコといった命名をはじめ、考察するべきところの実に多い作品なんですが、何を書いても原くくるの掌で踊らされてる気がするだろうから、やめときますw
2011-05-11 16:07:01最後に言っておきたいこと二点。この生徒たちの力を矯めることなく大会に送り出し、また暗躍してタイニイアリスでの上演の機会も設けて下さった顧問の先生。敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしい。
2011-05-11 16:08:49そしてまた、四人という限られた駒だけでこの世界を作り上げた生徒たち。同じ高校生がここまで出来るし、ここまでやっていい。これを刺激としてこれに続き、これを越える高校演劇がこの先どんどん現れてくれることも期待しています。
2011-05-11 16:09:17@kaaraさんの「六本木少女地獄」解題を読みつつ、「独房女子更衣室」は以前活動していたある劇団の名前だが、そういう二重性や多義性を持つ劇だよね地獄は。だから絵にはしやすいと思う。 http://t.co/zlJrimG
2011-05-11 17:04:56今だから言える話。練習も何もなしに当日のリハで六本木少女地獄の照明やったのでした)^o^(しかも部分的に。照明加えてのとうし練習はなかった(笑)考えてみたら関東大会ぶりに照明やったってことでした^^;
2011-05-11 20:43:31