クルセイド・ワラキア ＃８ 前編

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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◆これまでのあらすじ：デミ太陽球とともにネオワラキアの地に攻め寄せる論理十字軍！財宝を求め死に物狂いで戦うアイアンフォージド隊！聖なるヌンチャクを巡り、ついにサツバツナイトとブラド・ツェペシュのカラテが激突したのであった！◆

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◆ニンジャスレイヤープラスより　【クルセイド・ワラキア】#８◆ pic.twitter.com/Su9ef8yE42

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サツバツナイトが応えると、ブラド・ニンジャもまた片手を差し出した。二人は無言のまま頷き、硬い握手を交わした。次の瞬間、ブラド・ニンジャの体は無数の黒い蝙蝠へと変じ、渦巻く夜の竜巻と化してサツバツナイトを飲み込んだ。　0

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かくして黒い翼の群れは、尖塔の割れ窓から飛び立った。サツバツナイトを伴って。ネオワラキア公ブラド・ツェペシュは夜の闇を渡った。そして赤い風の如き速さで、プロイェスティに向かって飛んだのだ。論理十字軍の戦車部隊が攻め寄せ、ネオンプラズマの火の手が上がる、東の鉱山都市へ！　0

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論理聖教会が誇る移動型要塞「XЯuS4deR（クルセイダー）」。500フィート級のゴシック様式大聖堂を頂くその威容は、さながら陸上を征くオイラン級原子力空母の如し。　1

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メガロ妄想じみた巨大キャタピラの駆動音を轟かせ、荘厳なるネオン大聖堂が地響きと土煙を伴って迫り来る光景は、敵軍に途方も無い恐怖と絶望を与える。加えて、その荘厳なる二本のゴシック尖塔の間にはカタナ・オブ・リバプール社の試作兵器「水素プラズマ式デミ太陽球システム」が搭載されていた。2

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XЯuS4deRの周囲には、暗黒メガコーポ連合の護衛戦車が数十輌。さらに総勢二十を超えるニンジャが配備。奇襲を受け、デミ太陽球の光で再生能力をも失ったネオワラキアの吸血鬼らに、この戦力を弾き返すことは不可能。一方で論理十字軍は、ガレキと市民を踏み砕きながら悠々と前進を続けるのだった。　3

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「イヤーッ！」カシウスは必死の形相で走り、暗黒メガコーポ戦車に側面から飛び乗った！「アイエッ！？」「ニンジャINC！」マシンガン斉射で市民狩りを行っていたオムラ・アシガル部隊が、突然のニンジャに驚く！　4

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「イヤーッ！」「アバーッ！」「イヤーッ！」「アバーッ！」「イヤーッ！」「アバババババーッ！」カシウスの連続カラテキックが閃き、次々と頭部切断！首を失ったオムラ・アシガルの死体が地上に転がり、後続の戦車部隊によって再轢殺！　5

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「ハァーッ！ハァーッ！ハァーッ！」カシウスはザンシンを決め、息も絶え絶えに拳を握り、カラテを構え直した。デミ太陽球がもたらす致命的な太陽アレルギーにより、カシウスの皮膚は見る間に焼け焦げてゆく。それでも追放者は戦う。もはやヤバレカバレと呼ぶ他なかった。「ネオワラキアのために！」6

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「無駄な事だ！イヤーッ！」「貴様を殺しデジカルマを稼がせてもらう！」暗黒メガコーポ側のニンジャたちが次々に回転跳躍で現れ、カシウスの前後を塞ぐ！　「「「「イヤーッ！イヤーッ！　イヤーッ！」」」」バッ！バッ！バッ！カシウスは圧倒的不利な４対１に追い込まれ、前後左右の攻撃を凌ぐ！　7

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そこへ加勢！バイオウルフの群れを率いるローンウルフが飛びかかり、戦闘に加わった！「「イヤーッ！」」カシウスはカタナ社の手練ブラックヘイズと向かい合い、乱戦の中から回転跳躍キックの応酬で舞い上がるように飛び出し、並走する大型装甲車両の上に着地！そのまま一対一のカラテを繰り広げた！8

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「「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」」だがデミ太陽球の下では、戦闘が長引けば長引くほどブラックヘイズが優位に！「イヤーッ！」「グワーッ！」最新型のサイバネ腕で殴り飛ばされたカシウスは、ワイヤーアクションめいて後方に吹っ飛び、隣の戦車の砲塔に背中から激突して苦悶した！　9

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『＃AKINA：とても優勢です。そのまま戦闘継続してください。デミ太陽球システムのための供給電力、順調に上昇中。こちらも大変良好です。現在出力75%。10分後には100%に達する予定。電子の隅々まで澄み渡り清浄なることを。ノイズなきことを。論理聖教会の守りあれ。』　10

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後方を走るカタナ社の指揮車輌内では、タイトなUNIXボディスーツを着てLAN直結したアキナが、論理聖教会から送られる情報をブラックヘイズに中継していた。この状態の彼女はいわば自我希薄なる４ポートの生体HUBだ。　11

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『#BLACKHAZE：論理聖教会はさらに太陽球の出力を上げるつもりか？』 『#AKINA：その通りです。』 『#BLACKHAZE：既に吸血鬼ニンジャどもの再生能力は機能していない。自然発火している市民さえいる。もう十分だろう。このまま継続すれば、俺のサイバネボディも冷却が追いつかんぞ。』　12

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『#AKINA：太陽球の出力が100%に達しても、我が社のサイバネボディは絶対に耐えきれます。市民の殺戮についてはデジカルマ免罪符がありますから大丈夫です。』　13

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『#AKINA：約束されし論理天国においても、私たちの罪は不問なのです。むしろ、堕落市民の浄化は善行としてカウントされます。』 『#BLACKHAZE：さぞ息苦しい天国だろうな。』 『#AKINA：……何か言いましたか？』　14

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「「「アイエエエエ！　もうだめだ！　アイエーエエエエエエ！」」」論理十字軍の前進によって集合住宅を破壊されたプロイェスティ市民やエメツ採掘者たちがパニックに陥り、レミングスめいて逃げ惑う。その中には目を焼かれ、混乱のあまり、論理十字軍の車輌群に向かって突っ走る者さえいた。　15

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だがこれらを排除するのはニンジャの役目ではない。「「「アババババババーーッ！？」」」デミ太陽球による自然発火死、無慈悲なる鋼鉄車体とキャタピラによる轢殺死、暗黒メガコーポ兵の銃弾によるオートマチック自動的な死が与えられた。「「「アイエーエエエエエエエエエエ！」」」　16

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「ヌウウウウウアーーーッ！」ネオワラキア市民の虐殺を目の当たりにし、カシウスは必死の形相で立ち上がる！決着をつけにかかるブラックヘイズ！「終わりにしてやろう、イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！アアアアーーーーーッ！」ゴウ！ついにカシウスの右腕が自然発火！　17

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再生も追いつかず、指先から灰へと変わってゆく！「ARRRRRRGH！」カシウスは起死回生を狙い、捨て身の三段回し蹴り！だがブラックヘイズはこれを冷静にさばき、さばき、ステップ回避し、懐に潜り込んだ。直後、限界まで引き絞ったエメツフレームの脚部ユニットが収縮状態から一気に展開！　18

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「シマッタ！」「イヤーッ！」ダン！電磁カタパルトめいたトラースキックがカシウスの胸に命中！サイバネ膝回転による捻りを加えながらその体を高く打ち上げた！「グワーーッ！」空中無防備状態のカシウスに対し、ブラックヘイズは右腕の照準装置を構え、冷酷な赤外線ロックオンを行う！「さらばだ」19

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ブラックヘイズがそのまま６連射式クナイダートでカイシャクを行おうとした、その時！「GRAWLLLLL！」生き残りのバイオウルフが一頭飛びかかり、なんとしてでもカシウスを救わんとした。血に飢えた大狼はブラックヘイズの左腕にかじり付き、そのまま彼を引き倒さんとする！　20