アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、宝島22話演出:波打つ心

アニメカイジに感動し、かつ高屋敷英夫さんは子供~大人になるまで、よく見る名前なので気になった…と思ったがこの方の歴史は膨大すぎた。 今回は、宝島22話演出について。 前回は宝島20話演出。 https://togetter.com/li/1322419 続きを読む
0
まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、宝島22話演出。 前回は、宝島20話演出。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2019/02/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1322419 ─── 他: togetter.com/id/makimogpfb

2019-03-03 14:00:42
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話1 アニメ・宝島は、スティーブンスンの原作小説を、大幅に改変してアニメ化した作品。監督は出崎統氏。高屋敷英夫氏は、偶数回の演出を務める(表記はディレクター)。 今回の脚本は篠崎好氏で、コンテが出崎統監督、演出が高屋敷英夫氏。

2019-03-03 14:02:02
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話2 詳細は、ブログに書きました: 宝島22話演出:波打つ心 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2019/03/… #はてなブログ 宝島(高屋敷氏演出回)についての記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego…

2019-03-03 14:04:18
リンク カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 宝島22話演出:波打つ心 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 アニメ・宝島は、スティーブンスンの原作小説を、大幅に改変してアニメ化した作品。監督は出崎統氏。高屋敷英夫氏は、偶数回の演出を務める(表記はディレクター)。今回の脚本は篠崎好氏で、コンテが出崎統監督、演出が高屋敷英夫氏。 ─── 本記事を含めた、宝島の記事一覧: http://makimogpfb2.hatenablog.com/archive/category/%23%E5%AE%9D%E5%B3%B6 ─── 今回の話: 財宝の場所についての謎を解き始めたシルバー(元海賊)は、人質のジムを逃がす。複雑な
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話3 今回の話: 財宝の場所についての謎を解き始めたシルバー(元海賊)は、人質のジムを逃がす。複雑な思いのジムは、シルバーの命を狙うジョージ(シルバーの部下)に抗うも、シルバーは負傷。 一方、スモレット船長達は、上手い作戦でシルバー派を壊滅させ、シルバーを捕らえる。

2019-03-03 14:05:45
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話4 序盤、シルバー(元海賊)とジム(人質として拘束されている)が話すのを鳥が見守り、そして飛ぶ。こういった意味深な鳥の描写は、出崎統監督の流れを汲み、高屋敷氏の演出・脚本作ともに頻出。同氏は、鳥にストーリー性を持たせるのが特徴。陽だまりの樹(脚本)と比較。 pic.twitter.com/Hj09ZNNV0u

2019-03-03 14:06:35
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話5 そして、木が映る。心情や状況と連動する自然や静物の描写は多く、独特のアップ・間がある。不思議なことに、これが脚本作でも出てくる。じゃりン子チエ・蒼天航路・二舎六房の七人(脚本)と比較。 pic.twitter.com/MwGBdyWpTr

2019-03-03 14:07:22
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話6 一方、シルバー達を監視するスモレット船長達は、些細な事で口論になりそうになる。そこをベン・ガン(島に住み着いている、元海賊)が、自分の持ち芸で和ませる。コミカル要素を入れ込むのは、高屋敷氏の持ち味。ベルサイユのばら(コンテ)、太陽の使者鉄人28号(脚本)と比較。 pic.twitter.com/fkVCyafSKF

2019-03-03 14:08:41
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話7 ベン・ガンはコーヒーを入れ、自分の持ち芸(声真似)を再び披露し皆を笑わせる。コミュニケーションツールとしてコーヒーが使われるのはよくあり、マッドハウス版XMEN(脚本)にも出る(画像下段左)。また、皆が良い笑顔を見せる場面も多い。あんみつ姫(脚本)と比較(画像下段右)。 pic.twitter.com/VzWF0TpMoj

2019-03-03 14:10:03
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話8 財宝の場所の謎について考え込むシルバーの場面で、面白い所(ドクロの奥)にカメラを置く、出崎統監督の独特な構図が出る。影響下にある高屋敷氏もこれを出す。実に不思議だが、脚本作でも出る。忍者マン一平(監督)、元祖天才バカボン(演出/コンテ)、カイジ2期(脚本)と比較。 pic.twitter.com/R4qnTZFrmR

2019-03-03 14:11:40
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話9 ドクロに残された印により、次の手がかりが骸骨島にあると気付いたシルバーは、木に登って島の位置を確認。ここも、木が印象的。F-エフ-・蒼天航路(脚本)、ベルサイユのばら(コンテ)と比較。年を経るにつれ、木の「役割」が大きくなっている。 pic.twitter.com/XTaCDgtMMY

2019-03-03 14:12:30
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話10 骸骨島に向かう道すがら、ジムは隙を見て逃げ出す。それを追いかけるシルバーは、ジムの入った池が底無し沼だと言って騙す。ここも、焦るジムがコミカルで、なんとも高屋敷氏的。ルパン三世2nd(演出/コンテ)、あしたのジョー2(脚本)と比較。 pic.twitter.com/1cvdYJPAmI

2019-03-03 14:13:19
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話11 シルバーは、スモレット船長達がいる方角をジムに教え、こっそり彼を解放する。 そんなシルバーの背中を、ジムは複雑な表情で見つめる。 善悪の区別が明確でない、人間の複雑さは、高屋敷氏のテーマの一つ。蒼天航路(シリーズ構成・脚本)でも、それは色濃い。 pic.twitter.com/i4bkS3RyQv

2019-03-03 14:14:35
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話12 骸骨島の洞窟で、次なる謎解きに挑むシルバーの場面では、ドクロが揺れる。こういった「ものいわぬもの」の描写もまた、沢山確認できる。グラゼニ(脚本)、ベルサイユのばら(コンテ)、蒼天航路(脚本)と比較。 pic.twitter.com/gmlfrOKrFf

2019-03-03 14:15:39
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話13 シルバー達の後を追い、骸骨島に着いたスモレット船長達は、ベン・ガンの声真似芸を使い、フリント(大海賊団の頭)の亡霊が出たように装い、シルバーの部下を狼狽させる。そして、その隙に総攻撃、シルバー派は壊滅。結構いい策で、策略をめぐらせる事を好む高屋敷氏にマッチ。

2019-03-03 14:16:32
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話14 あんみつ姫(脚本)でも、知略や悪知恵に長けるキャラが出るほか、カイジ(脚本・シリーズ構成)、ルパン三世(演出/コンテや脚本)や蒼天航路(シリーズ構成/脚本)など、知略を武器にするキャラは、高屋敷氏の担当作で目立つ。 pic.twitter.com/EOx624HLpF

2019-03-03 14:17:34
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話15 そして、反逆した部下・ジョージに襲撃されたシルバーは負傷。ジョージからシルバーを庇ったジムは、その理由がわからないと叫ぶ。こういった、善悪入り乱れた人間の心理の複雑さを高屋敷氏は強調する。F-エフ-・カイジ・蒼天航路(シリーズ構成/脚本)でも、それは印象深い。 pic.twitter.com/QcdM4L4ibS

2019-03-03 14:18:40
拡大
まきもgpfb @makimogpfb

参考: 私のブログの、 ・蒼天航路(高屋敷氏シリーズ構成・脚本)の記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego… ・F-エフ-(同氏シリーズ構成・全話脚本)の記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego… ↑のtogetter版: togetter.com/t/F-%E3%82%A8%…

2019-03-03 14:22:57
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ1 シルバーとジムの複雑な関係が浮かび上がり、善悪は単純に区別できないという高屋敷氏のテーマが出ている。 あるいは、こういった宝島の演出経験を、後の脚本作に活かしたのかもしれない。ただ、初期作の空手バカ一代の演出/コンテにも、この要素は見られる。

2019-03-03 14:25:14
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ2 この、人間の複雑さを訴えかける高屋敷氏の方針は、特に蒼天航路(脚本/シリーズ構成)で目立つ。原作より残忍さを抑えてでも、凄まじい暴君・薫卓がかっこよく描かれていたほか、呂布対曹操も、双方の大義や残酷さが等しく扱われていた。

2019-03-03 14:25:48
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ3 更に突き詰めると、アカギ(シリーズ構成/脚本)では、人間の本質に迫ろうとするアカギが描かれた。これは、終わりなき探求であり、原作の超長期化も予言するものであった。 そういった事も含め、アカギの構成は実に深い。

2019-03-03 14:26:24
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ4 その一方で、コミカルな要素を出すのを忘れない、高屋敷氏の姿勢も見える。 このあたりは、同氏が好きらしき、山田洋次監督作品の影響が大きいのかもしれない。 なんにせよ、あらゆる作品で目立ち、かつ武器となっている同氏の特徴である。

2019-03-03 14:26:54
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ5 高屋敷氏の更なるテーマの一つ「自分の道は自分で決めろ」も、今回出ている。シルバーから逃げろと言われても、密かにシルバーについて行き、彼を庇ったジムの行動は、「自分で」決めたこと(彼は、理由がわからないと言うが)。こういう成長も、同氏は印象深く表現する。

2019-03-03 14:28:30
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ6 自分で自分の道を決めることができる「男」への成長は、特にF-エフ-*1、カイジなどのシリーズ構成作にて炸裂しており、感動を呼ぶ。これは、本作の経験も大きいのではないだろうか。もはやジムは、序盤の非常に幼い姿から劇的な変貌を遂げている。

2019-03-03 14:29:07
まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏演出 宝島22話まとめ7 人間の心の複雑さや少年の成長、そして「自分」とは何か…それらを統括する「人間の本質」。 数十年に渡り、多数の作品でこれらを表現している同氏を、やはり尊敬する。

2019-03-03 14:29:38