夏目漱石はなぜ「夢十夜」を書いたか?「夢十夜」こそ、漱石の原点である。

『100分de名著』「夏目漱石スペシャル」第2回「夢十夜」の考察。
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Sweets @Sweets1942

【考察】漱石はなぜ「夢十夜」を書いたか?—夢の可能性— 夏目漱石は、「夢十夜」で夢を題材にした。 それはなぜか? 私は、夢がもつ力を生かしたかったからだ、と解釈する。 以下では、夢がもつ力を考察し、なぜ漱石が夢を題材にした「夢十夜」を生んだのかを考察する。 #100分de名著

2019-03-11 23:53:38
Sweets @Sweets1942

まず、夢と対照的な現実を考える。 現実とは、ひどく常識的である。 時間は過去から未来へ流れ、常識が存在しその常識が破られることはない。 しかし、私たちは自然の常識以上のものを自分に課している。 これは、社会の常識(と自分が思っていること)である。 人は、自然・社会二つ常識をもつ。

2019-03-11 23:53:38
Sweets @Sweets1942

この社会の常識が厄介になることがある。 もちろん、大半は社会生活を営む上で非常に役立つ。 しかし、この常識が生活・行動の"型"となって、通常は同じパターンしか繰り返せない。 これに陥ると、それがその人の"限界"になる。 それでは、限界を超えるにはどうしたらよいか。 夢に頼るのである。

2019-03-11 23:53:38
Sweets @Sweets1942

夢とは、無意識である。 覚醒時は常識を意識している。 夢はこの意識を無効化するため、非常識が起こる。 すなわち夢には、常識を打ち破る力がある。 "型"を破る可能性がある。 この可能性は、自分の"限界"を撤廃する可能性である。

2019-03-11 23:53:38
Sweets @Sweets1942

漱石は、この可能性を試すため、夢を題材とした「夢十夜」を書いたと解する。 肩の力を抜き、自分の"型"を破壊し、さらなる成長を遂げるために。 その試みは成功した。 夢十夜発表から、2か月後「三四郎」,立て続けに「それから」,「門」という漱石前期三部作を発表している。

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