よくある出会っちゃったおはなし

アイドル横山さん
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ʏᴜɴ @__nikochan22

大学のサークルの飲み会の帰り。久しぶりに飲み過ぎて襲ってきた睡魔と戦いながらようやく最寄り駅のホームに降り着いた。帰ったらすぐ寝よう、シャワーは明日の朝にしよう、そんなことをぽやぽや考えながら改札を通ろうとした瞬間。ピンポン!目の前にいる人が改札に引っかかり急停止。#エイトで妄想

2019-01-28 15:42:40
ʏᴜɴ @__nikochan22

つられて立ち止まってチャージくらいちゃんとしといてやー、心の中で呟きながら隣の改札に移ってIC部分に電子マネーをかざす、と。ピンポン!「…あ」あいにく自分も人のことを言えない立場みたい😅後ろで迷惑そうに顔をしかめるひとに頭を下げてすごすごと精算機の方へ向かう。 #エイトで妄想

2019-01-28 15:42:57
ʏᴜɴ @__nikochan22

この駅は比較的こじんまりとしてて改札内の精算機はひとつだけ。精算機にはさっきの改札に引っかかった人がいて何やらカバンをゴソゴソしながら精算するのに手間取っている模様。ああもう〜わたし眠いねん〜はよ帰らせて〜。未だ格闘するその人を見兼ねて後ろから声をかけます。 #エイトで妄想

2019-01-28 15:43:14
ʏᴜɴ @__nikochan22

「あの、」『へ?』「…お金、ないんですか?精算分くらいなら払いましょうか?」『いや、えっ…と』前の人はわたしと同い年か少し上くらいの男の人。ただちょっと気になったのが黒縁のめがねとマスク。そしてマスクをズラした時に見えたやけに見覚えのある口元が印象的なこと。 #エイトで妄想

2019-01-28 15:43:31
ʏᴜɴ @__nikochan22

精算機の画面に写る不足分20円の文字を見てつい噴き出してしまった。「っちょ、20円もないんですか?」『…笑わんといてや』「…え?」財布から20円を取り出そうとしたその時。その声とどぎつい関西弁に手を止めて顔を上げる。再び彼の顔を覗き込んでようやくこの違和感の謎が解けた。#エイトで妄想

2019-01-28 15:43:46
ʏᴜɴ @__nikochan22

「もしかして、関ジャニの、?」『………』あからさまに周りをキョロキョロして様子を伺う彼。わたし以外近くにいないことを確認してから、ゆっくりと首を縦に振った。びっ…くりした。再び彼の顔をまじまじと確認(失礼)。#エイトで妄想

2019-01-29 13:10:23
ʏᴜɴ @__nikochan22

「やっぱ肌むっちゃ綺麗し、…白っ!」『…しってるんや俺のこと』「いや横山さんのこと関西人みんな知ってますよ?それにわたし、エイターやし」『…っえ、そお、なんや』わたしの言葉が嬉しかったのか頬をぽりぽりと掻きながらマスクに埋めた口元が緩んだのを見逃さなかった。#エイトで妄想

2019-01-29 13:12:18
ʏᴜɴ @__nikochan22

「…で20円もないんですか?稼いでるんでしょ?」『おい言い方』「あだめでした?」『いやあんな、その、財布…忘れてん』「…また?どこに?」『たぶん移動車。ちょっとマネージャーに確認してみるわ』「…本物や」『は?』「ほんまに芸能人なんですね横山さんって」#エイトで妄想

2019-01-30 08:27:06
ʏᴜɴ @__nikochan22

『おい、どういうことやねん』「いや、別に」手慣れた仕草で携帯を耳に当ててわたしのひとり言に対してのツッコミも忘れない横山さん。こうやって話すとジャニーズやけどやっぱり同じ人間なんやなあって案外話の息が合うことに驚きを隠せない。『あ〜もしもし?』#エイトで妄想

2019-01-30 08:28:45
ʏᴜɴ @__nikochan22

横山さんはマネージャーさんと通話を始めた。エイターのわたしには堪らない展開。『…あった?あーよかった。おん、それさ、今から、』話しながら駅の時計を見て『届けに来る…のは無理そうやんな』わたしも時計の方に顔を向ければとっくに日付は変わっている。#エイトで妄想

2019-01-30 08:30:28
ʏᴜɴ @__nikochan22

電光掲示板に表示されるべき電車の時刻は先ほどの電車が最終だったようでもう表示されていない。彼は眉をハの字に曲げて『あー、うんどうにかするわ、うんありがと』ため息をつきつつ携帯を切った。『あーもうどないしよ』「財布あったんですか?」『いや、あったんやけど、その…』#エイトで妄想

2019-01-30 08:32:24
ʏᴜɴ @__nikochan22

横山さんは一瞬難しい顔をして猛烈に悩み始めた。首を傾げてみれば不意に真剣な眼とパチリ。ドキリ。『20円の為に声をかけてくれたお前の優しさに賭けてみてもええ?』「へ」『お願いがあるんやけど』横山さんの言ってることが全く分からんくて頭のなかははてなだらけ。#エイトで妄想

2019-01-30 08:36:58
ʏᴜɴ @__nikochan22

そんなわたしの肩を掴んで横山さんは至って真面目な顔で言う。『今な、俺一文無しやねん。ほんで終電も無くなってこの時間。だから、その、お金貸してくれへん?』「…」『っいや!ちゃうねん!アホなのは重々承知やねんで?』背の低い私に視線を合わせて申し訳なさそうな顔で。#エイトで妄想

2019-01-30 08:39:24
ʏᴜɴ @__nikochan22

『知らん人に金せびるようなジャニーズ他におらんことも分かってるし見知らぬ人に金貸すことに抵抗あんのも分かる!けどな、その、』「…いいですけど。…それやったら、うち来ます?」『…っな!』わたしアホなこと言うたかな。#エイトで妄想

2019-01-30 08:41:32
ʏᴜɴ @__nikochan22

予想外の返答だったのか返す言葉も見つからずに呆然と立ち尽くす横山さん。『ダメですかね?これが友達やったらわたし絶対そうするし。ここからうち近いんです。タクシーで帰るつもりやったんですよね?それより全然安上がりですし」『や、でも、その、あれやん』#エイトで妄想

2019-01-30 08:42:50
ʏᴜɴ @__nikochan22

「明日も仕事ですよね?服とかも全然貸しますし!元カレのですけど。よし!」仮にもジャニーズで最近ドラマや映画でも注目されるようになってきた横山さん。そんな彼にこんなこと言うのはやっぱり変かもしれない。でもなんか不思議やけどいい意味で横山さんがジャニーズとは思えない。#エイトで妄想

2019-01-30 08:45:08
ʏᴜɴ @__nikochan22

だからほっとけない。なんでそんな感覚になるんやろうって考えて、考えて、考えた。これがほんまに正しい答えなんかわからんけど仮にもひとつ答えを出すなら、それは横山担じゃないからかもしれない。『はあ?お前いまなんて?』「だーかーらー!わたしは村上くんが好きなんです!!!」#エイトで妄想

2019-01-31 12:27:36
ʏᴜɴ @__nikochan22

『おま、ほんま、それ俺の前で普通は言ったらあかんで?』「…え?なんで?もしかして妬いてるんですか?やっぱりヨコヒナってガチなんですか??』『あーもう…うっさいなー…質問はいっぺんにするもんちゃうやろ…』#エイトで妄想

2019-01-31 12:28:16
ʏᴜɴ @__nikochan22

なかなか家に来ることを渋る横山さんに対して来ないならお金貸さん、なんて強引に意見をねじ伏せてなんとかわたしの家まで帰ってきた。家に帰るなりCDやらグッズやらが散在するわたしの部屋に苦笑した横山さんが『…いちばん好きな奴とかおんの』って聞いてきた。#エイトで妄想

2019-01-31 12:30:06
ʏᴜɴ @__nikochan22

昔からジャニーズ好きやったけど気付いたらジャニーズ離れした村上くんを好きになってた(ディスってない)。正直に答えたのに不服そうな顔をする横山さんに不服顔で返してやった。『いや、ほらさ、一応、あれやんなんか、悔しいやん』「それだけですか?」『は?』#エイトで妄想

2019-01-31 12:32:26
ʏᴜɴ @__nikochan22

「ほんまは横山担って言って欲しかったんですよね?」『…お前ほんまウザいな』「えー口悪いー!ジャニーズやのに!」『お前なあ、』軽い力でデコピンされておでこを抑えつつべー、て舌を出してやった。その日は交代でお風呂に入った。#エイトで妄想

2019-01-31 12:34:10
ʏᴜɴ @__nikochan22

うちにはソファも予備のお布団もないからグチグチうるさい横山さんをベッドに押し込んでわたしもベッドに入り込んだ。そしたら静かになってくれた。「ジャニーズと2人で同じベッドで寝てんのに、」『ん?』#エイトで妄想

2019-01-31 12:36:19
ʏᴜɴ @__nikochan22

「ドキドキせえへんのって、やっぱり相手が横山さんやからですよね」なんて悪態をつくと『お前ほんましばくで』って割と真面目なトーンで言われたもんやからあははって笑ってその日は更けていった。#エイトで妄想

2019-01-31 12:36:39
ʏᴜɴ @__nikochan22

翌日の朝。何やらガサゴソ音がすると思って目を覚ましたら既に出かける準備を始めている横山さんがいた。朝いちばんに会うのが横山さんとかさ横山担からしたら堪らんやろなー。そんなことをぼんやり考えながら時計に目をやると時刻はまだ朝の5時。#エイトで妄想

2019-02-01 13:14:37
ʏᴜɴ @__nikochan22

「…朝、早くないですか、?」『…ん、起きた?』「もう出るんですか?」『今日は朝からやねん』昨日結局就寝したのは深夜の2時くらいやったはず。一体何時間寝れたんやろうと心配になりつつ、昨日寝る前に貸してあげた元カレがおいていった服を着ている横山さんに胸をくすぐったい気持ちが掠めた。

2019-02-01 13:16:06