- natumeitika
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兄が弟そっくりなドールを所有してたらいいな。普通に異母兄弟として節度を保った付き合いをしていて、たまにお互いの家に泊まり合ったりしているくらいには仲がいい。 あるとき弟が兄の家で自分そっくりなドールを見つけて……。
2019-03-31 05:56:55「ああ、見つかってしまいましたか。そのドール勇作さんにそっくりでしょう? 特注で作ってもらたんです。値段ははりましたが、満足のいくものができました。毎晩ベッドで一緒に眠っているんですよ、ね?『勇作さん』」兄が愛おしそうにドールに口付けするのを見て、弟はたまらず兄の家を飛び出した。
2019-03-31 06:03:45弟は早く忘れてしまいたいと思うが、ドールに口付けしたときの兄の表情や声。濡れた舌先がいやらしく動く様が頭から離れない。毎晩一緒に寝ていると言っていたが、ただ寝てるだけじゃないことはわかっていた。兄はどうなふうにドールを扱うんだろうと、そして自分がドールに嫉妬していることに気づく。
2019-03-31 06:15:01しばらくたって、兄の元に弟から連絡がくる。兄の方は縁が切れたものだと思っていたから驚くが、弟が見せたいものがあると言うので、弟の家を訪ねることに。
2019-03-31 06:18:08「俺はあなたに軽蔑されているものと思っていましたが」 「兄様を軽蔑だなんて、とんでもない! あの時は驚いてしまって……。失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした。さ、どうぞ上がって下さい」 弟は以前と変わらぬ笑顔で兄をむかえる。
2019-03-31 06:22:56弟は嬉しそうに「兄様に見ていただきたかったのはこちらなんです」と、兄を寝室に案内する。そこには一体のドールがあった。 「兄様をまねて勇作もドールを買ったんです。うふ、兄様にそっくりでしょう?」 「ほんとだ、俺によく似ています。やっぱり俺たちは兄弟ですね」
2019-03-31 06:30:53仲のよい兄弟に戻る。以前と違うのはお互いのドールの話をするようになったくらい。どれだけドールを愛しているかとか、お手入れの方法とかを話し合う。 「兄様、今度旅行に行きませんか? ドール達も連れて4人で」 「いいですね。素敵な旅行になりそうです」
2019-03-31 06:41:04