茂木健一郎(@kenichiromogi)さんか語る 「夢」
- toshihiro36
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夢(1)ぼくは生来の多動症なので、いつも何かやっていないと気が済まない。電車の中でも、必ず本を読んでいた。あれは中学生の時だったか、ふと気付くと、電車の中で何もしていない人たちがいて、びっくりした。
2011-05-09 06:49:23夢(2)ヨーロッパの文化は大好きだったが、長期の休暇(ヴァカンス)は、本当にそんなに長く(たとえば2週間)海辺などにいて、何もやることがなくなって退屈しないのか、と思っていた。今でも一日予定がないということはまずないが、それでも楽しい。忙しく飛び回っていても、別に苦にならない。
2011-05-09 06:50:51夢(3)ただ、こんなことがある。あれは二十代半ばだったか。インドネシア、バリ島の「地中海クラブ」に行く機会があった。周囲の人に合わせて、ビーチやプールサイドで寝転がり、そのあとはお酒を呑んだりしてぼっとしていた。すると、数日で驚くべきことが起こった。
2011-05-09 06:52:02夢(4)身体の中から、何か熱いものがこみ上げてきて、かっかとし始めたのである。長い間滞っていた流れが復活したかのようだった。そして、本当にずっと忘れていた、自分の子どもの頃からの夢を思い出したのである。
2011-05-09 06:53:01夢(5)誰でも、人生で夢を持っている。それは、きっと、自分という人間の最も純粋な芯を表している。ところが長じて、世の中にもまれ、世間の実際に触れているうちに次第に夢がすり切れてしまう。無理だと諦める。そして、目的や野心を持つにせよ、現実の影を受けたものになる。
2011-05-09 06:54:08夢(6)日常の忙しさに心を奪われていると、いちばん真ん中にある、溶けたバターのような純粋な夢を忘れてしまう。それが、ゆっくりしていることで、徐々に表層がはがれてきて、再び魂がむき出しになったのだった。それではっとした。
2011-05-09 06:55:15夢(7)バカンスとまで行かなくても、ゆったりとした時間を過ごすことで、自分が忘れかけていた、もっとも純粋でまっすぐな夢を思い出す。なるほど、休みをとることの効用はこれかと気付かされた。二十代半ばの一つの転機だった。
2011-05-09 06:56:09夢(8)社会に合わせ、妥協することは大切である。市場の必要を満たすことは、生きる上で避けられない。一方で、自分はそもそも何がやりたかったのか、一人ひとりがメッセージを持ってこの世界に入って来ているはずなのだから、メッセージ・ボードの内容を忘れてはいけない。
2011-05-09 06:57:10夢(9)自分の本来の夢を上手に思い出すために、時にはオフの時間を持ちましょう。周囲に合わせるのが巧みな人、市場に適応している人ほど、離れて溶けたバターのひとときを持つ。すると、身体の芯の方から、ふつふつと湧いてくる熱いものがあるはずなのです。
2011-05-09 06:58:18以上、バカンスとまでいかなくても、ゆったりとした時間を過ごすことで「夢」を思い出すことについての連続ツイートでした。「樹下の微睡み」の掲示板でも、みんながそのことを語り合ってます。 http://bit.ly/lYbDbY
2011-05-09 07:00:07