高瀬康司×土居伸彰『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』公開&『アニメ制作者たちの方法』刊行記念「アニメーションの「光」についてーー21世紀のリアリティの行方」

このイベントのスタート地点となるのは、山田尚子『リズと青い鳥』とウェス・アンダーソン『犬ヶ島』です。『リズと青い鳥』について新海誠はツイッターで「アニメーションの理想型として想定されている類型から大きく外れた作品」といったようなことを言っていましたが、確かに本作は「外れた」作品でした。その「類型から外れた」感覚は、『犬ヶ島』にも感じたものでもありました。アニメーションは観客と作品とがぴたりとくっついて一体化することが常なのですが、これらの作品を観ていると、ゴロリと「異物」のようなものが蠢きつづけるような感覚があったのです。 続きを読む
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後藤 翼 @Goto_Tsubasa

しかし、実際に作品に当てはめてみるとどうか。例えば非原形質性の代表とされた『リズ』、私にはほぼ完全に意味が取れ、強く感情移入することができたし、「記号としてではない仕草」にも、十分意味を読み取ることができた。特にアニメではイメージが提示される以上、解釈は必ず可能であり、

2019-04-26 07:17:24
後藤 翼 @Goto_Tsubasa

どんなに無意味に見える物体であっても、意味を付与することができる。イメージの受け手による解釈とはかかる暴力的な力を本質的に備えているものである。例えば『外套』の原作にしても、不条理と捉える自由と、そこに意味を読み取る自由を、読者は持っている。

2019-04-26 07:22:58
後藤 翼 @Goto_Tsubasa

大枠の話としては無論納得が行く。従来多かった記号的な表現ならまず間違いなく受け手が意味を読み取ることができる。しかし、立体的な表現や不均等な表現では、受け手は「意味」を取ることができにくい。そこには明らかに表現上の差異がある。

2019-04-26 07:26:13
後藤 翼 @Goto_Tsubasa

だが受け手の側に両様の可能性がある以上、それは結局相対的な差に過ぎないのではないだろうか。その意味で、述べられていることには納得できても、論理構成としては弱いと感じた。現状、原形質性/非原形質性の境界は恣意的にしか設定できないのではないか。

2019-04-26 07:31:19
後藤 翼 @Goto_Tsubasa

両者が両立し得るとわかっていてもなおその定義には疑問が残るというところである。そうした細かい点も含め、面白い話多く、考えさせられた。その後予定があったので本を買ってお二人にサインを頂く時間がなかったのが心残りである。

2019-04-26 07:35:03
aiuemai @aiuemai

このURLで全編みれた! 植物がたいへんよかった。

2019-04-26 15:49:37
こもん @commonko

フレーム(=パレルゴン)としての描線ということを考えると、アニメーションでの「形態」をひとまずリオタールの「形象」に差し向けてみることができるんじゃないか、ドゥルーズ『シネマ』だと反映イメージや関係イメージという「運動イメージ」の臨界を標記するようなイメージとも関係するというか

2019-04-26 07:08:02
こもん @commonko

ノルシュテイン『外套』のアカーキィが「不定形のフォルム」だというの、すごく面白いと思うの、個人的には「結晶質」(ドゥルーズなどが思い浮かぶ)に対する「非晶質」(アモルファス)なもの、フォルムに対して中途半端なもの、混然したもの…というようなものを思い浮かべたの

2019-04-26 06:56:05
こもん @commonko

あ、『夜明け告げるルーのうた』の話が出てくるみたいなの、ちょっとまだ続き見るの控えておこうと思うの

2019-04-26 07:04:11
土居伸彰 Nobuaki Doi @NddN

今日のチャン・ヒョンユンとのトークは個人的にとても満足 ゲンロンカフェでの話とダイレクトにつながりつつ、チャンさんの作品について新たな知見が得られた

2019-04-28 20:09:11
ゲンロンカフェ @genroncafe

【タイムシフト視聴は5/2(木)まで!】「アニメーションの現在」を語る上で書かせない議論をお見逃しなく!→高瀬康司×土居伸彰『ユーリー・ノルシュテイン 外套をつくる』公開&『アニメ制作者たちの方法』刊行記念「アニメーションの「光」について」 @ill_critique @NddN live.nicovideo.jp/watch/lv319235… pic.twitter.com/vkAYPPyMDC

2019-04-28 18:37:23
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