「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄で、今は薄くなったのか?」の考察(と、TVアニメ『YU-NO』2話の感想)

90年代の名作美少女ゲーム『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』。当時の原作を含めた美少女ゲームと、と現在のコンテンツの違いを、メディア環境の違いを軸に考察、また、テレビアニメ2話の感想を語ります。
ユーノ 感想 YU-NO エロゲ 批評 ゲーム アニメ セルフまとめ
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しろうと @sirouto
伝説の名作ゲーム『YU-NO』原作紹介と、TVアニメ版1話の感想 togetter.com/li/1335112
しろうと @sirouto
今日は、アニメ『YU-NO』の話をしていきます。
しろうと @sirouto
まず、前回の訂正から。「ADAMS」と書いてしまいましたが、「Auto Diverge Mapping System」の略なので、「ADMS」(「A.D.M.S」)が正しいです。訂正いたします。
しろうと @sirouto
もうひとつ、分岐を表現した「CGアニメ」は本編中に入っていました。OPと記憶が混同したのか、本編にないような記述をしてしまったので、こちらも訂正させていただきます。
しろうと @sirouto
さて、TVアニメ版『YU-NO』の放送タイミングは、絶妙だと思ってます。令和元年ということで、平成初期(西暦90年代)をふり返る意味で、20年以上前の『YU-NO』は、記念碑的な作品としてふさわしい。
しろうと @sirouto
フィクションで現在の作品だけ見ていると、時代の変遷を見失うし、今と違う表現の可能性も見えない。ので、昔の作品を見ると、昔と今の違いを通じて、時代を俯瞰して理解でき、次の時代も見えてくる。温故知新。
しろうと @sirouto
それだけだと抽象的なので、具体例で考えよう。原作のキャラクターデザインを検索などで見ると、アニメ(リメイク)版のキャラデザと、大きく違うことが分かるはずだ。
しろうと @sirouto
昔と今でキャラデザが違うのは、それぞれの時代に合わせているからだろう。しかし、それが何なのか、もう少し具体的に観察してみよう。
しろうと @sirouto
『YU-NO』原作のキャラデザを見て感じるのは、今のキャラデよりも「濃い」ということ。とくに眼の下まつげが濃いとか、眼が四角いとか、鼻の影が濃い、髪のハイライトがテカっている、といった部分が特徴的だ。
しろうと @sirouto
なぜ、平成初期、90年代のキャラデザは濃かったのか? いろいろな答えがあるだろう。たとえば、この時代の主流の絵柄が濃かったからとか。バブルだからイケイケの時代で、記号も豪華だったとか。
しろうと @sirouto
たとえば、アニメ化したマンガ『レイアース』とかも、今と比較すればけっこう濃いので、時代の流行というのはあるだろう。
しろうと @sirouto
しかし、『YU-NO』に限らず、『EVE バーストエラー』や『同級生』など、同時代の美少女ゲームのデザインは、とくに濃いものが多い。だとすれば、なぜだろうか?
しろうと @sirouto
そこで、私の立てた仮説は「キャラクターデザインが、メディア環境に依存しているから」というものだ。どういうことか?
しろうと @sirouto
『YU-NO』原作は、「PC98」でリリースされている。このPC98環境では使える色数が「16色」と、きわめて乏しい。もちろん、アンチエリアシングなど、ドット絵の技巧を凝らして、不自由さは感じさせない。
しろうと @sirouto
しかし、「ドット絵で映える絵」というのがあるのではないか? たとえば、下まつげが濃いのは、色数が少なく、白目と肌色の境界の表現が難しいことが関係しているのではないか? 鼻の影や髪の反射も同様。
しろうと @sirouto
制作者が自覚していたのかもしれないし、市場で淘汰されたのかもしれない。詳細な過程は不明だが、いずれにしろ「色数の少ないドット絵で映える絵柄」だから、下まつげの濃い絵柄が昔のエロゲで流行したのでは?
しろうと @sirouto
逆に今はなぜ、あの頃の濃い絵柄が廃れて、薄い絵柄に変わってきたのか? これも流行だろうし、あるいは「平成が平らに成った時代だから」みたいに大ざっぱなイメージで答えることはできる。
しろうと @sirouto
しかし、私は平成後期の薄い絵柄も、メディア環境の変化が影響を及ぼしていると考えている。どういうことか?
しろうと @sirouto
平成後期の時代はスマホが普及している。本体や通信の容量増加にともない、動画をスマホで視聴する層というのが増えてきたはずだ。
しろうと @sirouto
すると、昔は「画面大/色数少」だったのが、今は「画面小/色数多」と逆になっている。これが、ゲームのキャラデザが、濃い絵柄から薄い絵柄に、流行が推移した理由のひとつではないか?
しろうと @sirouto
90年代の絵柄を小さなスマホの画面で見るとくどい。だから、線自体はシンプルにして、塗りの表現を加えた方がスッキリして見やすい。これはもちろん主観が混じるが、そんな極端におかしい感想でもないだろう。
しろうと @sirouto
ところで、画面の変化はゲームには直結するが、マンガやアニメでは関係ないと思うかもしれない。しかし、Webマンガや動画サイトがあるから無関係ではない。また、別の要素がある。
しろうと @sirouto
たとえば、コミケが普及して描きやすい絵柄が普及したとか、アニメの本数が増えて描きやすい絵柄が普及したとか、そういうメディア環境の変化が、絵柄に影響しているのではないか?
しろうと @sirouto
逆にもっと昔を考えれば、劇画の強い線はアナログのペンならではの表現だった。こういう視点で見ると、さらに今後、AIがイラストの絵柄を変えていくかもしれない。
しろうと @sirouto
絵だけがゲームのすべてではない。音はどうだろう。80年代頃から急速に発達してきた電子音楽のミニマルな印象は、90年代後半に流行ったセカイ系作品の神秘的な雰囲気にマッチする。
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コメント

ジョらえもん(JORA) @JORA_JORAEMON 2019年4月28日
pc98時代のキャラデの話なら、同級生でその後のエロゲー界の流行りを作ったアニメーター竹井正樹(同級生のキャラデ担当)などの話も絡めて欲しいもんだが。ぶっちゃけ当時のエロゲー界は「それが流行りだった」としか。
ブラキストン線の向こう側 @cupsoup2 2019年4月28日
80年代の美少女ゲームは、PCの描写能力がPC98より低かったのに90年代のコテコテ絵柄ではありませんしね。天使たちの午後(初代)やポッキーは当時としては画像レベルが高くかなり売れたはずですが、絵柄はもっとあっさりしてます。
ブラキストン線の向こう側 @cupsoup2 2019年4月28日
多色使いは、スマホ普及以前の2000年代にすでに起こってます。PC-98からWindowsへの移行により多色使いのハードルが消滅し、タイルパターンを駆使する必要がなくなりました。
nekosencho @Neko_Sencho 2019年4月28日
今だとコンピュータ上の表現はゲームでも動画でも重要だけど、ぶっちゃけパソコンが一般に普及するのはWindows95やiMacブームがあってからだから、それ以前のことなら、漫画誌あるいはアニメのほうをメインに考えたほうがいいように思う。
古橋 @FuruhasiYuu 2019年4月28日
もともとこの手の線と書き込みが多い絵柄は当時ゲームに限らず流行ってたわけだし、当時のPCゲームに理由を求めるのはなんか違う気がする。PC-98時代って言っても絵柄の流行りの変遷が激しいのはちょっと調べればわかる話だし。
古橋 @FuruhasiYuu 2019年4月28日
Neko_Sencho YU-NOってPC-98だと最後期で、Windows95もう出てたぐらいだったと思います。変遷期ですね。
エリ・エリ・レマ・サンバディトゥナイ @mtoaki 2019年4月28日
ことぶきつかさや大張正己が流行の最先端だった時代。だったはず。
たかのり@ @T_takanori_ 2019年4月28日
80年代末期には当時の漫画にいわゆる手塚治虫的な正しく「漫画チック」な絵柄と少女漫画、劇画の他に劇画のような書き込みと「漫画チック」なデフォルメ、少女漫画的なキャラを見せる絵を融合させた新しいタイプの絵柄が生まれた。大友克洋や士郎政宗に代表されるその絵の反響は大きく、その影響を受けたイラストレーターや漫画家、アニメーターが多数生まれた。それが90年代あたり。故に書き込みを増やすのが当時の上手い下手の基準だった。
たかのり@ @T_takanori_ 2019年4月28日
しかし貞本義行のように書き込みを減らしシンプルにしつつも見せる派も存在した。書き込みを増やす派がその技術基準が高くなりすぎて新規フォロワーが頭打ちになる一方で、シンプル派は窓口の広さからメジャーになった。それが00年代。そんな感じというのが自分の考察です。
エリ・エリ・レマ・サンバディトゥナイ @mtoaki 2019年4月28日
90年代の〜ではなくelf系の〜なのでは。もう一方の雄であるアリスソフトはそうじゃないわけだし。
古橋 @FuruhasiYuu 2019年4月28日
まあざっくり言っちゃうと「Twitterにありがちな5分で出来る程度の調査すら足りてない主語デカすぎ案件」って話なんだよな…。
ナコ @nako_harunatu 2019年4月28日
一言でいうと流行だろうね。濃→薄の美少女系の絵柄の変換のエポックメイキングになったのは七瀬葵・みつみ美里じゃないかな。女性的な柔らかな表現が90年代後半辺りから一気に広がったと思う
nekosencho @Neko_Sencho 2019年4月28日
ハードウェアの進化による絵柄の変化は、技術的なものではなく人材的なものではないかと思う。 たとえば8ビット機(有名な「98」のころの半分のピクセル、8色)のころだと、絵がメインの人には耐えられないのか、プロの漫画家とか起用したもの(たぶん原画もらってきて素人がピクセルになおした)は、むしろPCマニアの絵より悲惨に見えるものすらあった
nekosencho @Neko_Sencho 2019年4月28日
「98」の、厳密に言えば中期以降の640*400*アナログ16色でも、描き手にはつらいというか、プロ絵描きの絵をそのまま画面に出せる状況でもなく(Macは金積めばフルカラーできた&CD-ROMが真っ先に普及したので「Mac持ってるやつ=エロCD見れる=スケベ」みたいなことを言う人もいた……けどマイナーだよね)
nekosencho @Neko_Sencho 2019年4月28日
Windows95のころでやっと十分な色数とピクセル数(640*480)が手に入ったのでプロというか絵描くの専門の人が参入したって感じというか、「パソコンで絵が描ける人」じゃなくて「絵が描ける人」の絵がパソコンゲームやネットに普及した……ってのが、おいらの個人的な分析。
義明_雑談用 @yoshiaki_idol 2019年4月28日
YU-NOが古典、かぁ・・・DOS時代のエロゲー最末期に出たから、DOS時代全体を「古代」扱いするならまぁ解らんでもないけど、個人的にはそこまでの印象は無いかな。
義明_雑談用 @yoshiaki_idol 2019年4月28日
nako_harunatu 七瀬・みつみ両氏が出てくるよりもっと前から、エロゲ界には女性絵師が居たんだけどね。アリスのYUKIMI・とり両氏や、フェアリーテール→バーディー→スタジオトゥインクルの美龍・林家両氏など。このあたりが活躍してた頃と、七瀬・みつみ両氏の頃と絵を比較すると、「女性的な柔らかな表現」ってのがそこまで変化したようには見えないと思う。
フローライト @FluoRiteTW 2019年4月28日
90年代は濃い絵柄、ではなく、「竹井正樹・石田敦子・CLAMP」あたりの下まつげビシバシな人たちがそれぞれの方面で隆盛だったというだけの話なのでは……? 個別の事例を全体化するのは主語デカすぎ案件だよ。
ヘイローキャット @Halo_nyanko 2019年4月28日
漫画家、イラストレーター個人単位で結構画風が変わりやすい時代だった気もする。
RXF-91 @rxf_91 2019年4月28日
寿司もBARIも現場の最前線で今も仕事してるだろいい加減にしろ
しろうと @sirouto 2019年4月29日
「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄(略)」の続き(と、TVアニメ『YU-NO』3話の感想) https://togetter.com/li/1342697 まとめ主ですが、たくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。 個々のコメントに直接ここで応答はせず、新しいまとめで関連する話題に触れることにしました。 ちゃんと答えると長文になるので、連投してコメ欄を埋めるのはどうか、という配慮からです。