イージス艦「あたご」事件弁護人田中崇公先生のつぶやき。
無罪判決に対する検察官控訴が続くようだ。2年前、あたご事件の弁護にからんで、検察官が無罪判決に控訴した場合の高裁での破棄率を調べてみたところ実に7割に達していることがわかり憂鬱な気分になったことを思い出す。
2013-03-12 18:55:47さらに「検察では、東京高裁に控訴してダメなら全国どこでもダメと言われている」と、ある検察OBから聞かされ、いっそう憂鬱な気分になった。
2013-03-12 19:20:04イージス艦あたご衝突事故の公判のため東京へ。今日で結審、判決は6月13日午後1時30分とすでに指定されている。
2013-04-04 09:06:37異動の季節。あたご事件の横浜地裁での第一審の当初の裁判長だった川口政明判事は3月に東京高裁から福岡高裁部総括に、無罪判決時の裁判長だった秋山敬判事は4月から東京高裁にそれぞれ移られたようだ。
2013-04-04 11:55:48あたご事件関係の検察官の異動。控訴審公判の担当検事だった吉田幸久検事は4月1日に仙台高検総務部長に異動。ゆったりと審理を続けていた東京高裁が急にスピードアップし3月中に終結しようとしていたことが思い出される。
2013-04-05 00:23:18あたご事件関係の検察官の異動。横浜地裁での第一審の公判担当だった今村智仁検事は一審無罪判決直前に鹿児島地検次席に異動したが、4月1日に横浜地検に復帰。一方、捜査主任検事だった岡本貴幸検事は公判前整理手続中に法科大学院派遣となったまま4年目に入るようだ。弁護団5名はずっと一緒。
2013-04-05 00:34:27事故から5年、起訴から4年。そして横浜地裁の無罪判決からでも2年1月が経過した。横浜地裁での審理は公判前整理手続、訴因変更を経て、3日連続、4日連続の証人尋問が何クールも続いた。厳しい審理だったが、整理された争点について検察とがっぷり組んで裁判所の判断を仰ぐという充実感があった。
2013-06-11 10:12:26控訴審。東京高裁では、検察側証人の再尋問を含め検察側の求める証拠調べの大半が認められた。事後審という建前は、弁護側の証拠調べ請求を却下するための方便に過ぎないことを学んだ。そして、何が争点なのか、いつ終わるのかも示されないまま続く審理。何のための一審の公判前整理手続だったのか。
2013-06-11 10:32:00年が明けると裁判所は急に急ぎ出した。異動が決まった検察官からせっつかれたのかもしれない。バタバタと弁論期日、判決期日を指定する一方、「争点を明らかにするため」として、これまでの争点と無関係な事項について裁判所が示した独自の「求釈明」事項について弁護側が申請した証人請求は却下。
2013-06-11 10:51:48そして今日の判決の日を迎えた。検察の主張は完全に破綻しており、救いようがないものと思うが、どのような判決になっても驚くことはない。
2013-06-11 10:59:42東京高裁判決の骨子 1 航跡の特定について ア 横浜地裁判決の認定航跡は合理性に疑問がある。 イ 検察官航跡(大野航跡)は、作成方法が不誠実かつ特定の根拠も不合理であり信用できない。 ウ 清徳丸の航跡は幅を持った航跡としか特定できない。
2013-06-11 21:21:28(1 続き) そのうち被告人らに最も有利な東側限界線の場合、あたごから見た清徳丸のコンパス方位は3時59分から4時4分まで5分間で約16度変化しており、清徳丸が右転しなければ衝突の危険はなかった。
2013-06-11 21:24:252 過失について ア 航法について 避航義務は見合い関係が成立した時点から発生する。本件では清徳丸の舷灯の最短視認距離である2海里の範囲内で見合い関係が問題になる。 イ 見合い関係の成否 コンパス方位の変化が大きいあたごと清徳丸の間には見合い関係は成立しない。
2013-06-11 21:34:54(2 続き) ウ 被告人両名の過失の有無 あたごに海上衝突予防法15条1項の避航義務が認められない以上、被告人両名に過失は認められない。原判決は結論において相当である。
2013-06-11 21:38:09