指輪をまだ知らない

sUn_ @mrsUn_kj

忠義くん、それは何？ ｢次どこいく～？｣ どうして左手の薬指に ｢あ！あそこ○○の好きなところやん～！行こ！｣ 指輪が付いてるの？ #エイトで妄想 #指輪をまだ知らない pic.twitter.com/2feTuY3KgQ

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時計台の下で恐らく私を待っているであろう忠義くんは私を見つけるや否や人目を気にせず大きく左手を振り、誰もが振り向いてしまうような煌めく笑顔をする。私は負けないくらいの笑顔で手を振り小走りに。近づくにつれ大きくなる忠義くんと左手。薬指についている指輪だってはっきりと #エイトで妄想

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｢おはよお～｣忠義くんは至って普通。なんならいつもよりかっこ良いくらい『お、はよ』｢ほな行こか～！｣『うん、』その指輪は誰と結ばれた証なんだろう。分かっている事は私との指輪じゃない。だって私の左手には何も付いていないんだもの。繋がれた右手は彼の指輪を感じている #エイトで妄想

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｢どうしたん？元気ない？｣『そんなことないよ』あなたのせいだよ、悲しかった思いは少しずつ怒りへと変わる。指輪の事は勿論悲しいし気になる、けどそんな事気にせず能天気に楽しんでる忠義くんに腹が立つ。｢ちょ、電話出てくる～｣今まで電話で席を外したことなんて無いじゃない #エイトで妄想

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小さな椅子へ腰掛け戻ってくるのを待つ。はたして戻ってくるのだろうか、という不信感・邪念を払うように人混みに目を配らせる。休日だからか人も多い。｢お待たせ～｣忠義くんは割と早く戻ってきた『、良かった』｢え？｣『何でもないよ、行こ』戻ってきた、良かった｢？、行こか｣ #エイトで妄想

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パッと手を取られる。忠義くんらどんな時でも手を繋いでくれて、人が多ければ｢俺から離れたらあかん！｣と、今のようにより一層強く握ってくれる。ぎゅっと音が出るくらいに握られた手には先程感じた違和感がない。外したんだ、指輪。何を隠してるの？私はその指輪を知らないんだよ #エイトで妄想

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逃げちゃダメだ、『さっきの電話、誰だったの？』思い過ごしでありますように、そんな簡単な願いだけじゃ私の心は落ち着くはずもない。電話の相手を聞くなんて重い女って思われる？｢珍しいなぁそんなこと聞くん｣だって今まで聞かなきゃいけないことなんてなかったから｢ヤスやで？｣ #エイトで妄想

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『そ、うなんだ』安心し胸を撫で下ろしたのも束の間。義くんの握る手はぎゅっと強くなり、それに比例するかのようにモヤモヤと広がる私の気持ちは大きくなる。勇気を振り絞った私の問は正解に繋がる手掛かりにはならなかったようだ。もうすぐお昼時だ #エイトで妄想

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｢あ！あそこ○○の好きところやん～！｣指さした先にあるのは私の好きな洋食屋さん。1度忠義くんと来た時から"私の好きなお店"として覚えてくれてるらしい。こんな小さなことも忠義くんの好きなところ。｢行こ！｣『うんっ！』時間が経てば指輪は幻覚だったのでは、そう思えてくる #エイトで妄想

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手を引かれいつもの席へ。｢やっぱここの席やな～いつもでー！☺️｣なんて言ってる忠義くんはほんとに無邪気で、かっこよくて可愛くて、｢？なんか付いてる？｣『ふふっ、なんでもないよ』在り来りな会話でさえも愛おしいのに。ねぇ、鞄から見える小さな袋に丁寧に入れられた指輪は何？ #エイトで妄想

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もう見ないことにしよう。急に振られると立ち直れないかもしれないけど、心の準備を整える時間をくれたんだから、受け止めないと、｢…なぁ｣しっかり、｢なぁ、｣受け止めないと、｢○○！｣名前を呼ばれハッと顔を上げる『ごめっ、ぼーっとしてた…』｢じゃあなんで泣いてんの？｣ #エイトで妄想

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なにか冷たいと思ったら私の手の甲に私の涙。『ごめん、なんでもないよ』慌てて涙を拭う。振られるならもっと可愛く終わりたかったなぁ。泣き顔なんてブスだし、今のでメイクだって｢なんでもない事ないやろ、しかも振られるって誰に？｣声、出てたんだ『っホントに何もないから』 #エイトで妄想

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ダメだ、全て終わった。そんな気がした｢ちょ、待てや！｣なんて私を追いかけてる忠義くんを無視して私は店を出て人混みへ混じる。良かった、人が多くて。 幸いそこからは忠義くんの影を見ることも無く家へ帰れた。ひたすら泣いた。ただただ情けなかった。 #エイトで妄想

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こんなつもりじゃなかった、ただ驚かせたろうって思っただけやのに ・ 遠い意識の中で来客を報せるインターホンの音が聞こえる。どうやら眠っていたみたいだ。とりあえず上着を羽織ってドアを開けると『…忠義くん、？』｢やっと出た、とりあえず入れて？笑｣優しい笑顔の忠義くんがいた #エイトで妄想

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外はもう真っ暗で忠義くんは冷気を纏っていた。『ど、うしたの』｢○○居らんくなんねんもん～｣『振られるなら、心の準備しとかないとって思って…』そうだよ、まだ心の準備終わってないよ｢その話やけど、俺全然別れる気ないで？｣…え？｢指輪のこと気になってるんやろうけど、｣ #エイトで妄想

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｢変な心配さしてごめんなぁ｣『ほんとだよ！😡』｢俺ずっと傍おるから、てか○○以外なんか考えられへんし｣ end. #エイトで妄想 #指輪をまだ知らない pic.twitter.com/bHQZWOdpUX

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