連続ツイート「リヴァイアサン」

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(1)トマス・ホッブズは、著書『リヴァイアサン』の中で、自然状態は万人の万人に対する闘争だったと述べた。そして、聖書に登場する怪物「リヴァイサン」たる国家に社会契約を通して自然権の一部を譲り渡すことで、安定的な状態を実現すると考えた。

2011-05-13 07:28:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(2)国家は、実際にリヴァイアサンである。戦争行為を含め、国際法に違反しない限り(そしてしばしば、違反したとしても)自由に選択、遂行できる。長い間、国家がリヴァイアサン的主体性を独占してきた。

2011-05-13 07:29:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(3)劉暁波氏に対するノーベル平和賞に対して、中国はそれを無視し、ノーベル賞の権威を否定して「孔子平和賞」で対抗するという行為に出た。このような「傍若無人」な振るまいこそ、ホッブズが『リヴァイアサン』の中で想定した国家のあり方に他ならない。

2011-05-13 07:31:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(4)時代が変わり、国家以外の主体もまたリヴァイアサン的な振るまいをするようになった。インターネットや、ベンチャー文化の隆盛、グローバル化の進展によって、個人や組織もまた、リヴァイアサン的な存在となり得るように変化してきたのである。

2011-05-13 07:33:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(5)民主主義国家でさえ、恣意的、傍若無人にふるまうことがある。そのようなリヴァイアサン性が、ウィキリークスという、もう一つのリヴァイアサン的存在によって暴露される。ハッカー集団「アノニマス」が、大企業と対等な、あるいはそれ以上の力を持つ。

2011-05-13 07:34:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(6)フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグのように、IT系のベンチャー経営者は、時にリヴァイアサン的にふるまう。プライバシー設定変更など、ザッカーバーグは何回も「やらかして」いる。そのような「勢い」は、フェイスブックという会社の成功と無縁ではない。

2011-05-13 07:35:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(7)個人と国家の間の社会契約がウェブやグローバル化によって溶けて、今までにない自由度が出現している。個人も組織も、リヴァイアサン的な側面を持たなければ輝かない時代が来た。

2011-05-13 07:37:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(7)個人と国家の間の社会契約がウェブやグローバル化によって溶けて、今までにない自由度が出現している。個人も組織も、リヴァイアサン的な側面を持たなければ輝かない時代が来た。

2011-05-13 07:37:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(8)社会のヒエラルキーの中で所与の価値観や、権威付けに盲従し、その階段を上っていくだけでは、もはや現代社会で輝くことはできない。自らの感覚で、才能を発揮し、行為していくリヴァイアサンたることで、初めて今日の社会における主要なプレイヤーとなることができる。

2011-05-13 07:39:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

リヴァ(9)ホッブズは、「万人の万人に対する闘争」を考えたが、リヴァイアサン性の解放が、戦争状態をもたらすとは限らない。リヴァイアサンの自由市場で、支持されるかどうか。愛のあるリヴァイアサンになることを、自らの目標とせよ。

2011-05-13 07:40:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「リヴァイアサン」についての連続ツイートでした。既存の価値や権威を有り難がる、あるいは組織の中の地位の階段を上っていくだけでは、輝かない時代なのです。

2011-05-13 07:42:03