- shiinaneko
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あなた あなた 大切な あなた あなたは 僕の 故郷 です あなたは 僕の 生き様 です 僕の心は あなたの魂で 育てられています だから どうか お願いします あなた 生きて 下さい
2011-05-15 20:24:47風 心地よい 風の吐息に 心が深呼吸する時 きみは髪をかきあげて 空を見あげている まぶしい目の先には これからの 季節の時間 まぶしい 青春の時を 風を返して 欲しい
2011-05-15 20:25:45風 馬 草原を 先の先まで 連れていき 水を飲ませて また走ろう いななけば 雲がそよと動いて これからの季節の時間に 風の回廊を 見つけることが 出来た気がした 足の裏に宇宙 風を返して 欲しい
2011-05-15 20:27:05風 少年の夜の窓辺には 少し強めに 吹き続ける 初夏の風の たくさん の話し言葉があった 私は いちいち その言葉を耳にしては 胸を熱くしたり 大切な誰かを 想ったりした だから 少年の時と 風を返して欲しい
2011-05-15 20:28:33土を返して下さい いつも庭で 砂で山を作ったり 車の模型を走らせたり 蟻の歩く道を追いかけたり 死んでしまった小鳥の お墓を作ったり 幼い頃の思い出は 土と砂と 共にあった 返して下さい
2011-05-15 20:30:00土を返して下さい 幼い頃 友達と外で 激しいけんかをして 口の中に 砂が入った 僕も チクショウ 友達も チクショウ 返して下さい 幼い日の 悔しさを
2011-05-15 20:31:39土を 砂を 返して下さい 幼い子どもと 一緒に 砂場で 穴掘り …穴を掘っている 息子の手を …穴を掘って 捕まえる ほら 捕まえた ぎゅ … 返して下さい 砂と指の 優しさを
2011-05-15 20:33:07福島の 風と土を返して欲しい ある人は こう語った「私の 骨も血も肉も 福島県で 出来ている 私から福島を取ったら 何も残らない」 そうだよナ そして 私たちの心は 福島の 風と 土と 光で 出来ている
2011-05-15 20:34:28先生たちは言っていた 「地震で避難した記憶を 小学校の最後の思い出にしたくなかった」 そして 先生たちは 泣きながら言っていた 「中学校 入学式は出来ても 小学校 卒業式は出来なかった 悔しかった」 遅くなっても 卒業させて下さって ありがとうございました …
2011-05-15 20:39:43計画的避難 5月15日 飯舘村から 川俣町から たくさんの人々が 避難 を始めている 今日 きみは 何をしていますか きみは 何を 追われている
2011-05-15 20:42:05全村避難へ 5月15日 飯舘村から 川俣町から たくさんの人々 避難を始めている 今日 きみは 何をしていますか きみは 何を信じている
2011-05-15 20:42:41私たちは 泣きながら ぬかるみの中を 長い棒で 探しています 言葉を 故郷を 詩を 見つからない だから 黙るしかないのか 故郷は 何処に 何処に
2011-05-15 20:47:51私の髪 私の目 私の鼻 私の口 私の唾液 私の心臓 私の右足 私の大腿骨 私の脾臓 私の家 私の血管 私の思考回路 私の記憶 私の左ひざ 私の靴底 私の故郷私の自転車 私の意志 全てに 放射能
2011-05-15 20:50:50