10周年のSPコンテンツ!
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能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】① 彼と最初に出会ったのは僕が高校2年、彼が1年生の時。 当時、演劇部の部長だった僕の元に後輩が報告してきた。 「今日新しい入部希望のヤツ来るらしいですよ。」 講堂の片隅にある部室で待ち構えていると、やって来たのは小太りで眼鏡をかけた冴えない男。 のちの小林エレキである。
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【小林エレキ】② 入部したての彼は何だか必死だった。 僕と友人の会話を聞き、後ろで変な笑い声をあげたり。 「何だよその笑い声」と言うと「いやいや、年老いた猫の笑いです」と意味不明な答え。後から聞くと溶け込もうと必死だったらしいのだが。 当時から頑張る方向がちょっとおかしかったようだ。
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【小林エレキ】③ とある日の放課後。高校近くで彼と話していると「お、エレキじゃん」と中学時代の友人。 彼が去った後「エレキって何?」 「かくかくしかじかでエレキって呼ばれてたんですよ。周りには内緒でお願いしますね。」 「おう」 翌日。 「みんな!こいつエレキって呼ばれてたみたいだぞ!」
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【小林エレキ】④ ちなみに「エレキ」の由来だが。 テレビのオンオフを繰り返した後、画面を触ると静電気を帯び、その状態で人に触れると当然「バチッ」となる。 中学時代にそれを繰り返し行い喜ぶという、サイコパスの片鱗を覗かせた事からきているらしい。 正式名称は「エレキマン」 どうでもいい。
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【小林エレキ】⑤ 高校演劇ではスタッフも兼任することが多く、僕も彼も奇しくも同じ照明パート。 入りたての彼は、当時一番高かったピンライトの電球を立て続けに3つ割るという偉業を成し遂げ、ピンクラッシャーの名を欲しいままにした。 照明パートはあっという間に貧乏になった。 悪魔かと思った。
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【小林エレキ】⑥ 他校の演劇部と一緒に芝居を創る合同公演というものがあるのだが、そこで彼は「こりゃこりゃ一本取られましたな。」という一休さんに出てくる桔梗屋さんのマネで笑いを取り、気を良くした彼だったが、肝心の舞台上ではとんでもないド滑りをした。 先輩としてとても恥ずかしかった。
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【小林エレキ】⑦ 高校二年になった彼は演劇部の部長となる。 しかし不運なことに彼らの代は男女の仲が悪く、優しすぎた彼は男子・女子・先生という三方向からの板挟みとなる。 毎晩のように「助けて下さいよぉ。」と電話が来ていたが、僕はそれを無視してジョジョの話ばかり繰り返した。
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【小林エレキ】⑧ 僕のパワハラに耐え兼ねた彼は照明から舞台監督のパートに移る。 当時舞台監督のパートには女子しかいなかったのでそこを狙ったに違いない。違いない。 だが彼は元来ぼんやりさんなのでしょっちゅう遅刻しては怒られていた。 狙い通り年上のお姉さんに怒られて嬉しかったに違いない。
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【小林エレキ】⑨ 部室の鍵を開ける権利を持つのは部長、もしくは舞台監督だった。つまり彼だ。しかしながら彼の遅刻癖はひどく、部員は大体部室の前で待たされることになる。 そんな彼の言い訳はこうだ。 「目覚ましはかけたんです!なったんです!止めてまた寝たんです!」 もはや言い訳ですらない。
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【小林エレキ】⑩ 僕が高3、彼が高2。僕にとって最後の大会。地区大会を抜け全道大会に。 高校の大会は時間厳守。搬入、本番、搬出、全て込みで70分だか80分だかそのあたり。 僕達の作品は本当に時間ギリギリ。 そこで本番中にタイムキーパーが袖から主役にペンライトで合図を送ることになった。
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タイムキーパーは彼、主役は僕。 サインは時間が大丈夫なら「○」まずければ「×」あとは舞台上で調節する。 いざ本番。 芝居は順調!あとは時間さえ収まれば! どうなんだ!残り時間はどうなってる! 袖を見る! 彼のサインは 「△」 !!!??? 混乱した僕により僕らの高校は優秀賞で終わった。
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【小林エレキ】11 ある晩、電話で話していると 「のっさん、ちょっとお願いがあるんですけど。」 「ん?どうした?」 「俺、敬語抜きでのっさんと喋りたいんですけど。」 「何だよ、そんなこと気にしてたのか。いいよいいよ敬語なんて。」 「え?マジで?いいの?」 切り替えの早さよ。
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【小林エレキ】12 「エレキ」の名を広めた腹いせか、ある日、突然人のことを「ノッツァレラチーズ」というセンスの欠片も感じられない名前で呼び始めたが、案の定流行ることはなかった。そればかりか2日程度で彼すら忘れる始末。 全く気に入ってはいなかったが、お前くらいはもう少し呼べとは思った。
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【小林エレキ】13 高校近くのフードコートに南参氏と僕と彼とでかき氷を食べに行った時の南参と彼とのやりとり。 エレキ「俺買ってきますよ。何味ですか?」 南参「あ、ホント?じゃあレモンで」 「メロンですか?」 「いや、レモン」 「メロン?」 「レモン!」 満面の笑みでメロン味買ってきおった。
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【小林エレキ】14 17歳から18歳くらいの彼は胸毛の成長とともに色気に目覚めたらしく、眼鏡からコンタクトに変えて、なんだかやたらモテていた。 年上からはかわいいと言われ、年下からはかっこいいと言われ。 ちょっとシャツを脱いだら悪魔のような胸毛が潜んでいるとも知らずに。 pic.twitter.com/ODdFyhjnio
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【小林エレキ】15 彼が18歳の時、旗揚げから半年ほど経った頃のyhsに入団。 若い頃の彼はとにかくよく噛む役者だった。本番中、長台詞で噛みまくりイライラしたのか、まだセリフの途中だってのに「あ゛ー!」とか言っちゃうクソみたいな役者だった。「だって腹たったんだもん」とか言ってた。 クソだ。
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【小林エレキ】16 釧路の大学に進学した彼。 車で5、6時間かかる釧路までちょこちょこ遊びに行っていたのだが、彼の所に行くと何故だかよくないことが起こる。 僕の友人は車の形が変わるレベルの当て逃げをされ、さらに帰り道同じ日に2度スピード違反で捕まっている。 負のパワーがすごい。
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ちなみにだが、当て逃げされた友人の車の現場検証に警察が来て「捕まらないと思いますけど、まぁ、一応塗料調べますね」とか言ってやる気なさそうに凹んだ部分をさらさらとやっていたのだが、その日は強風だったため採取した塗料全部吹っ飛んでた。 それを見て僕と彼は半泣きの友人に隠れて爆笑した。
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【小林エレキ】17 冬、帰省していた彼がそろそろ釧路に戻るというので送って行ってやった。6時間かけて。 一泊させてもらうことになっていたのだが、家に着いた彼の一言。 「あ、ストーブ壊れてる」 冬の釧路、ストーブなし。 死を覚悟したが、まさか布団乾燥機に命を救われるとは夢にも思わなかった。
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【小林エレキ】18 釧路に遊びに行ったついでに摩周湖やら知床やらまで行った時のこと。 免許取り立てだった彼が「俺めっちゃ運転上手いよ。」って言うもんだから簡単な直線道路で、僕のマニュアル車を運転させてやると、急に真剣な顔をして「えーと、クラッチが」とか言いながらエンストを繰り返した。
能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】19 大学を卒業した彼は社会人となるが、数年すると一大決心をする。 「会社をやめて役者として食っていく」 札幌でその道を進むのは非常に大変なことだ。僕には選べなかった道。とても驚いたし羨ましくも思ったが、ものすごく勇気のいる決意だったことだろう。 ああ見えて勇敢なのだ。
能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】20 役者で食っていく!と豪語したところで彼のうっかり癖が治るわけではない「ロミオとジュリエット」のロミオ役、山場で使用する肝心のナイフを忘れる始末。 耳元で「ナイフ忘れた」と言われたジュリエットの気持ちを考えると「ああ、どうしてあなたがロミオなの」と言わざるを得ない。
能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】21 僕の結婚が決まった時、彼は大層喜んでくれて結婚式の発起人代表まで引き受けてくれた。 「発起人代表の挨拶?大丈夫大丈夫!俺、声の仕事だって結構やってるんだぜ!」 当日。 「ほ、ほんじつぁ、おあしおあしもとのわ、わるいな、なか…」 式場がちょっとざわつくくらい噛んでた。
能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】22 いつの頃からか札幌の若手に怖がられるようになる。何度も書いているように彼はとぼけた性格だし本来は優しいのだが、とにかく怖いらしい。 僕にも「エレキさんて怖い方なんですか?」という問い合わせがいくつかきたことがあるが、その度に「あいつはヤバイよ」と吹き込むのである。
能登 英輔 @eisuke7_7
【小林エレキ】23 2016こりっち優秀演技賞を受賞。 全国109団体の中で受賞者は5名。 もちろんすごいことだしめでたいことだが、長年近くで見ている僕としては「ほらね」とか「当然でしょ」くらいの感想だった。 嘘だ。 8:2くらいで「クソがあぁぁ!!!」って思ってたよ。 言い過ぎた。7:3くらいかな。
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