エッジ・オブ・ネザーキョウ #1
ナムサン!それはジェットスキーで水上を走る二人の白装束のゲニントルーパー!そして禍々しい黒漆塗りの高速ボートであった!「ホホーッ!」水上をバウンドするゲニントルーパージェットスキーは手をひさしにしてシグルーンを見やった!「胡乱な旅人を発見!バイク!これは生意気だなァー!」45
2019-07-04 23:55:01「兄貴!見てくだせえ!」ジェットスキートルーパーのもう一方がボート操縦者を振り返った。「オイランドロイドも連れてますぜ!コイツぁ生意気すぎるし最高のハンティングになりますぜ!」操縦者は黒帯メジャーゲニンである!「ハハーッ!いいぞ!アケチ水軍の威力を見せてやるとしよう!」 46
2019-07-04 23:57:59「イヤーッ!」「イヤーッ!」ジェットスキーのトルーパーは次々にスリケンを投げつける!マスラダは舌打ちし、シグルーンをジグザグに走行させる。スリケンが彼らをかすめる!アブナイ!マスラダは手を振り上げた。そして舌打ちした。スリケンを作り出すのにも難儀する。彼はスリケンを諦める。 47
2019-07-05 00:00:33「大丈夫ですか」コトブキが声をかけた。「何がだ」「ううん……色々です」「運転をかわれ」マスラダはバイクから、跳んだ!「イヤーッ!」コトブキは慌てて身を乗り出し、シグルーンのハンドルを掴む!そして回転跳躍したマスラダを見た! 48
2019-07-05 00:02:33「イ、イヤーッ!?」ジェットスキーゲニンは仰天しながらスリケンを投擲!マスラダはスリケンを蹴り払い、そのままジェットスキーゲニンの一人に強烈なトビゲリを食らわせた!「イヤーッ!」「アバーッ!」キリモミ回転!水柱!遥か後方へ置き去り!「イヤーッ!」さらに跳んだ! 49
2019-07-05 00:04:17「グワーッ!」隣のジェットスキーゲニンの側頭部を蹴りで打ち割り、更に跳躍!メジャーゲニンは目を見開く!「おのれェー!」BRATATATATA!攻撃ボートがガス圧でスリケンを撃ち出す。カラテによって民を恐れさせるスリケン砲だ!だが既にマスラダは空中である!「イヤーッ!」 50
2019-07-05 00:06:30KRAAAAASH!踵落としがスリケン砲を破砕!メジャーゲニンは泡を食って席から立ち上がり、カラテを構えた。「貴様……何者……!」「ドーモ」マスラダは船の舳先でアイサツを繰り出す。合わせた手が、赤黒の火をひととき帯びた。「……ニンジャスレイヤーです」 51
2019-07-05 00:08:58「ド……ドーモ」メジャーゲニンはアイサツを返す。「アケチ水軍のメジャーゲニン、リキです。貴様さてはUCAの間諜だな?死ね!イヤーッ!」チョップで襲いかかる!ニンジャスレイヤーは左手でいなし、右手を顔面に叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」 52
2019-07-05 00:11:33メジャーゲニンは背に負ったカタナを抜いた!「イヤーッ!」だが!「イヤーッ!」船の揺れを利用するように屈み込んだニンジャスレイヤーは、強烈な後ろ蹴りを繰り出した!「グワーッ!」正中線を打ち抜かれたメジャーゲニンは水に叩き込まれ、胸のアケチ紋を光らせて爆発四散した!「サヨナラ!」53
2019-07-05 00:15:34噴き上がった水柱が遥か後方へ!「ニンジャスレイヤー=サン!」並走しながらコトブキが呼びかけた。攻撃ボートがコントロールを失い、炎上しながら転覆しようとしている。スリケン砲破壊の打撃が強すぎたか!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは跳んだ。コトブキは速度を合わせる! 54
2019-07-05 00:18:11ニンジャスレイヤーはコトブキの後ろにタンデム着地した。シグルーンの車体が大きく傾いだが、インテリジェント操車補助は伊達ではない。『落下衝撃、理解可能です』すぐにバランスを取り戻した。「さすが賢いです」コトブキが感心した。 55
2019-07-05 00:19:53それから表情を曇らせる。「問答無用で襲いかかってきましたね。アケチ水軍と言っていましたが……」「そういう連中なんだろう」ニンジャスレイヤーは沈みゆく攻撃ボートを後方に見送った。コトブキが前方を指差す。「あ!見てください。標識です!」「……」 56
2019-07-05 00:21:53コトブキはシグルーンの速度を落とし、看板標識の前で停車した。「ようこそ。このさきプリンスジョー……ジ……」読み上げるコトブキの声が尻切れトンボに消えた。『地名ライブラリ更新を指示してください』シグルーンがアラートした。標識は赤いショドーで上書きされていた。「前線都市ヤマザキ」。57
2019-07-05 00:24:20