昭和45年11月25日水曜日。私の父が勤務していた歯科診療所から出火。診療所は全焼した。幸い患者職員に重傷者、死者はいなかった。

二階の窓から、真っ黒な塊のようなものが飛び出して、庭木の途中に引っかかったのだ。 ゆるゆると庭木を降りてきたのは、全身墨のように真っ黒になった父だった。 顔や身体だけでなく、口の中や歯、白目のところも真っ黒に煤けている。 私が近づくと 「お前、学校休んどるのやから、寝てないとダメだろ!」 続きを読む
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三一十四四二三 @31104423

昭和45年11月25日水曜日。私の父が勤務していた歯科診療所から出火。診療所は全焼した。幸い患者職員に重傷者、死者はいなかった。 火災時、父は恐怖のため二階の階段で動けなくなっていた患者達を蹴り、階段から突き落として助けた(もし、蹴り落としたことがもとで、患者が死んでいたら…と思うと、

2019-07-19 10:49:53
三一十四四二三 @31104423

今でも眠れなくなるというが、緊急時にはこうした判断が必要な時もあるのだ)。 患者は助けたが、父は逃げ遅れ、二階の診療室で火に囲まれた。 「燃えているから明るいと思うだろうが、真っ暗なんだ。右も左も上も下もわからんぐらいの暗黒」 私は、その日、風邪で学校を休んでいたが、寝間着のまま

2019-07-19 10:49:55
三一十四四二三 @31104423

診療所に駆けつけた。野次馬野次馬野次馬、それをかき分けるように消防。 私が黒煙を吐く建物を呆然と見上げていると、知り合いの警備のおじさんが、汗だくで近寄ってきて 「あ!坊ちゃん!まだ、お父さんは中におるんよ!出てこんのよ!」 と泣き崩れた。私は何故か冷静に (これはもうダメだな…) と

2019-07-19 10:49:55
三一十四四二三 @31104423

思った。 その時、二階の窓から、真っ黒な塊のようなものが飛び出して、庭木の途中に引っかかったのだ。 「焼死体じゃ!」 と誰かが叫んだが、それはまだ生きて動いていた。ゆるゆると庭木を降りてきたのは、全身墨のように真っ黒になった父だった。 顔や身体だけでなく、口の中や歯、白目のところも

2019-07-19 10:49:56
三一十四四二三 @31104423

真っ黒に煤けている。 私が近づくと 「お前、学校休んどるのやから、寝てないとダメだろ!」 と怒り、そのままうずくまってしまった。 父は、ほとんど無傷だった。しかし、今でも火事のニュースには敏感で、半世紀経った今回の惨事についても、テレビが映像を報じているとスイッチを切ってしまう。

2019-07-19 10:49:56
三一十四四二三 @31104423

死んだ人、怪我した人は気の毒だが、生き残っても苦しみは続く。亡くなった方のご冥福を祈ると共に、生き残った方が健康に暮らせるようになることを願いたい。 (なお45年11月25日は三島由紀夫が切腹したあの日である。火災の原因はテレビであり、ちょうどそのニュースが流れていた時、出火したという)

2019-07-19 10:49:56

 

三一十四四二三 @31104423

(続き)昭和45年11月25日の診療所火災に続いて昭和46年4月3日土曜にも火災を経験している。実家の五軒隣の民家が火を出したのだ。 夜7時半。何故、そこまで日時を鮮明に記憶しているかというと、その日、その時刻は「仮面ライダー」の第一話の放送だったからだ。火事のため、私は第1話を見逃したのだ。

2019-07-19 11:45:15
三一十四四二三 @31104423

やはり逃げ遅れた人がおり、それは、時々遊ぶ、その家の子供だった。 「まだヤスユキがおる!まだヤスユキがおる!」 家族の悲痛な叫び声が、今でも耳にこびりついている。 火はどんどん広がるのに、なかなか消防が来ない。消防車のサイレンと鐘の音は聞こえるのに、何故か遠い。 すると野次馬の中

2019-07-19 11:45:19
三一十四四二三 @31104423

から、1人の若者が飛び出してきた。「うぉー!」水をかぶった若者は、猛然と火の中に飛び込んでいった。 その直後、消防車が到着。 「子供がおる!知らない男が助けに入った!お前らが遅いからじゃ!」 消防に批難の声があがる。 民家はもう崩れ落ちんとしている。 「もう、あかん!ヤスユキ〜!」

2019-07-19 11:45:20
三一十四四二三 @31104423

母親の悲痛な絶叫。 診療所火災で父の絶望を知った私は、何故か冷静だった。しかし今回は、涙が止まらなくなった。そして、到着が遅かった消防を憎んだ。 (ヤスユキ君が死んだ!) しかし、その時、燃え落ちる民家をくぐり抜けて、若者が出てきたのだ。その手には子供が抱かれていた。 ヤスユキは火傷

2019-07-19 11:45:21
三一十四四二三 @31104423

を負い、それが原因で内臓を痛めたが、無事回復して、今も元気に生きている。 しかし、あの勇敢な若者は、どさくさ紛れに紛れて、そのまま行方をくらませてしまったという。 その若者は、誰も見たことがない。地元の男ではないらしいのだ。ヤスユキの親が新聞で情報を求めたが、結局わからなかった。

2019-07-19 11:45:22
三一十四四二三 @31104423

以上2015年6月6日に書いたものを再録。名前は仮名に変えた。

2019-07-19 11:45:23
三一十四四二三 @31104423

この話は当時の地元新聞にも出たニュースだが、これを書いたら 「嘘だ!そんな漫画みたいな話があるか!」 と批判殺到だった。 「その若者を仮面ライダーになぞらえているんだろ?稚拙なやり方だ」 とまで書かれた。お前らは知らんだろうが、昔は今より火事が多くて、こういう美談はよくあったんだよ。

2019-07-19 11:52:52

 

三一十四四二三 @31104423

先の火事場から子供を救った若者のツイートに対して 「火事場は5分で500度を超え、火が回ると1000度になるから、呼吸器が火傷を起こす。飛び込むことはできても出てこれない」 だから、お前が書いたのは誇張だ。真似する人がいるといけないから書いておく(このへんはうろ覚え)。 という返信があった

2019-07-19 16:18:26
三一十四四二三 @31104423

のだが、何故か、すぐに本人が削除してしまった。 何で消すのだ? 自分が正しいと思うなら、堂々と書けばいいのに。 自己肯定感 というものを研究されている方のようだったが、返信ツイートに自己肯定できぬものがあったのだろうか? それは何なんだよ?

2019-07-19 16:18:30
三一十四四二三 @31104423

私のツイートに対して言いがかりをつけてくる人は、自分の顔写真をアイコンにしてる人が多いように思う。 また その写真は、気取った顔であり、決して馬鹿笑いしていたり変顔をしていない。 つまり己の顔に自信がある男子。鏡好きの男が、他人のツイートに絡み易いのだ。 また、そんな人たちには皮肉が

2019-07-19 16:49:05
三一十四四二三 @31104423

通じないことが多く、私が茶化して「あんた偉いね〜賢いね〜。それに引き換え、私ゃ馬鹿だね〜」などと書くと、そのまんまに受け取り 「いや〜そうなんすよ。僕って賢いんすよ!馬鹿な あんたより賢いんすよ!うわっはっは!」 と大喜びするのだ。 私は、すまし顔の写真を晒してる奴は信用しない。

2019-07-19 16:49:08

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