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医療職でない人からすれば、抗菌剤といえば魔法の薬のように思うかもしれませんが、詳しく勉強すればするほど使いこなすのが難しい薬でもあります。
2019-07-20 21:22:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
まず人体に悪影響を及ぼす微生物は、いわゆる細菌だけではありません。 真菌(いわゆるカビ)、プリオン(微生物かどうか微妙ですが)など色々な種類のものがあります。
2019-07-20 21:25:49![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
考えてみれば当たり前のことなのですが、細菌を殺すための抗生剤では、カビの仲間の真菌を攻撃することはできません。ウイルスに対しても同様に効果がありません。
2019-07-20 21:29:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
日本呼吸器学会によると風邪症候群の原因の80%-90%はウイルスだそうです。しかしながら、風邪に対して抗生剤を受け取ったことのある人、結構いるのではないでしょうか。だとしたら80%は不適切な処方と言えます。
2019-07-20 21:36:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
80%は外れるのがわかっていても、安心のために抗生剤を飲みたいという人もいらっしゃるかも知れません。しかしながら、抗生剤の無闇な使用にはとても大きなデメリットがあります。
2019-07-20 21:39:21![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
耐性菌、という言葉をご存知でしょうか。 実は不用意に抗生剤を使用しすぎると、細菌が抗生剤に対して耐性を獲得してしまう可能性が高まります。
2019-07-20 21:41:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そのため抗生剤は ①適切な抗菌薬を選択し、 ②適切な量を、 ③適切な期間、 ④適切な投与ルートで 使用することが大変重要となってきます。
2019-07-20 22:03:07![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
しかし、医師個人の努力で適切な抗菌剤を選択するのは容易なことではありません。 そのため、近年の医療機関ではICT(infection control team),AST(antimicrobial stewardship team)を設置し、病院で使われる抗菌剤の使用状況を監視し、医師に対して指導を行う、といった取り組みが多く行われています。
2019-07-20 22:06:37![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
医師個人で運営されているクリニックなどでは残念ながら、風邪に対しての経口内服薬の不適切使用例が多く問題とされています。 これを問題視した厚生労働省はH29年に「抗微生物薬適正使用の手引き」を作成し、公開しました。
2019-07-20 22:34:41![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
画像は「抗微生物薬適正使用の手引き」からの抜粋です。風邪に対して抗生剤が必要なケースはほとんどないのがお分かりいただけたのではないでしょうか。本手引きでは抗生剤が必要なケースの急性副鼻腔炎、急性咽頭炎に対してはアモキシシリンが推奨されているようです。 mhlw.go.jp/file/06-Seisak… pic.twitter.com/AsP0oLeyBW
2019-07-20 22:42:17![](https://pbs.twimg.com/media/D_7C8rFUYAETiRT.jpg:medium)